本当の俺は、どおおおう……しようとしたんだ?@『カサブランカ』東宝新人公演
2010年1月21日 宙組正解は。
「いや、カサブランカを出ていくのは俺だ」
本当の俺はどこにいる 本当の俺はどう生きる
自分の人生を振り返りながら、この先の策を練るリック@カチャ。
ルノー@いっちゃんが現れる。
リック「ラズロを釈放してやってくれないか。もっとデカい罪を着せて、お前の手柄にすればいい」
ルノー「どんな罪だ?」
リック「ドイツの通行証の窃盗」
ルノー「本当は逃がすつもりじゃないのか?」
リック「いや……。、、、、、、、、、、、、……。………」
カチャの台詞が飛んだ。
ほんとにスポンと頭真っ白になったんだろう。
そう、銀橋のド真ん中で。
台詞を手繰り寄せようと、必死に両手で空を探るカチャ。でも、何も出てこない。シンと静まり返る客席。
そして、出てきた言葉は。
「落ち着くんだ俺」
え?
「落ち着くんだ俺、いいか落ち着け、落ち着くんだ」
え?
「俺は何をしようとしていたんだ、そうだ、何を」
恐らくパニック状態の中で、カチャは次々と言葉を繰り出しはじめた。
「落ち着くんだ、何をしようとしていたんだ、俺はいったい何を」
ここが群集シーンであれば、そうではなくても銀橋でさえなければ、周りが助けることも可能だったはずだ。
よりによって銀橋で、そこにはカチャと、いっちゃんしかいない。
か、西野先生?(首かしげ)
「おいっ。お前も一緒に考えろっ」
え?
カチャはいっちゃんに、もといリックはルノーにそう言ったのよ。
もう、彼しかいないもんね(笑)。
「お前も一緒に考えろっ、俺たち長年の付き合いじゃないか、なあっ」
で、リックがカサブランカに来たのは、ほんの1年前だ。
1期違いで音校生の頃からの長年の付き合いなのは、カチャといっちゃんである(笑)。
振られたいっちゃんは、石のように固まってしまった。
いや、比喩ではなく。
いっちゃんは石になってしまった(真顔)。
無理。いっちゃんには無理。
したたかなのはルノーであって、いっちゃんではない。
それに、仮にもここでルノーのほうから「カサブランカを出ようとしたんじゃないのか?リック?」とは言えないだろう。先に繋がらなくなる。
石と化したいっちゃんの頭がそこまで回っていたのかは、さだかではないが。
「なあ、俺は何をしようとしたんだ。俺はいったい、俺は何を」
カチャ、がんばれ!カチャ!
凍りついた客席の、思いはひとつだ。
カチャ、がんばれ!
緊張したわー。ほっんと緊張した。こっちも心臓バクバクした。
「出る!」
客席から、声が飛んだ。
「……そうだ!俺はカサブランカを出ていくんだ。女と」
満場の拍手。ああああああよかったよう。
長い、長い、時間だった。
新公で、台詞が飛ぶのは、ままあることだろう。勿論、それ自体は良いことではないのかもしれない。
だが、これを沈黙で終わらせず、言葉を繰り出し続けたカチャはすごかった。
実際はパニック状態だったのだろうというのは、あんな簡単な台詞が最後まで出てこなかったことでも明白だ。
そして、もっとすごかったのは、カチャの芝居がこのあとも崩れなかったというところだ。
ここまでのアクシデントがあって、それでも崩れなかった。「本当の俺」を歌いあげ、ラストの場面に繋げ、きっちりと幕を下ろした。
首席で主演のカチャは、新公挨拶も1人だ。
カチャは泣かなかった。一切、涙を見せなかった。
アクシデントには一言も触れず、誠実な感謝の言葉で丁寧に頭を下げて、挨拶を締めた。
内心は、どんなに口惜しかっただろう。どれだけ自分を責めただろう。
口惜しくて、やりきれなくて、でも涙を見せずにがんばったカチャの根性には敬服させられた。
多分あれ、緞帳が下りきったあと、号泣したと思うんだ。
カチャ、新公初主演おめでとう。
あなたのリックが、私は大好きです。
「いや、カサブランカを出ていくのは俺だ」
本当の俺はどこにいる 本当の俺はどう生きる
自分の人生を振り返りながら、この先の策を練るリック@カチャ。
ルノー@いっちゃんが現れる。
リック「ラズロを釈放してやってくれないか。もっとデカい罪を着せて、お前の手柄にすればいい」
ルノー「どんな罪だ?」
リック「ドイツの通行証の窃盗」
ルノー「本当は逃がすつもりじゃないのか?」
リック「いや……。、、、、、、、、、、、、……。………」
カチャの台詞が飛んだ。
ほんとにスポンと頭真っ白になったんだろう。
そう、銀橋のド真ん中で。
台詞を手繰り寄せようと、必死に両手で空を探るカチャ。でも、何も出てこない。シンと静まり返る客席。
そして、出てきた言葉は。
「落ち着くんだ俺」
え?
「落ち着くんだ俺、いいか落ち着け、落ち着くんだ」
え?
「俺は何をしようとしていたんだ、そうだ、何を」
恐らくパニック状態の中で、カチャは次々と言葉を繰り出しはじめた。
「落ち着くんだ、何をしようとしていたんだ、俺はいったい何を」
ここが群集シーンであれば、そうではなくても銀橋でさえなければ、周りが助けることも可能だったはずだ。
よりによって銀橋で、そこにはカチャと、いっちゃんしかいない。
か、西野先生?(首かしげ)
「おいっ。お前も一緒に考えろっ」
え?
カチャはいっちゃんに、もといリックはルノーにそう言ったのよ。
もう、彼しかいないもんね(笑)。
「お前も一緒に考えろっ、俺たち長年の付き合いじゃないか、なあっ」
で、リックがカサブランカに来たのは、ほんの1年前だ。
1期違いで音校生の頃からの長年の付き合いなのは、カチャといっちゃんである(笑)。
振られたいっちゃんは、石のように固まってしまった。
いや、比喩ではなく。
いっちゃんは石になってしまった(真顔)。
無理。いっちゃんには無理。
したたかなのはルノーであって、いっちゃんではない。
それに、仮にもここでルノーのほうから「カサブランカを出ようとしたんじゃないのか?リック?」とは言えないだろう。先に繋がらなくなる。
石と化したいっちゃんの頭がそこまで回っていたのかは、さだかではないが。
「なあ、俺は何をしようとしたんだ。俺はいったい、俺は何を」
カチャ、がんばれ!カチャ!
凍りついた客席の、思いはひとつだ。
カチャ、がんばれ!
緊張したわー。ほっんと緊張した。こっちも心臓バクバクした。
「出る!」
客席から、声が飛んだ。
「……そうだ!俺はカサブランカを出ていくんだ。女と」
満場の拍手。ああああああよかったよう。
長い、長い、時間だった。
新公で、台詞が飛ぶのは、ままあることだろう。勿論、それ自体は良いことではないのかもしれない。
だが、これを沈黙で終わらせず、言葉を繰り出し続けたカチャはすごかった。
実際はパニック状態だったのだろうというのは、あんな簡単な台詞が最後まで出てこなかったことでも明白だ。
そして、もっとすごかったのは、カチャの芝居がこのあとも崩れなかったというところだ。
ここまでのアクシデントがあって、それでも崩れなかった。「本当の俺」を歌いあげ、ラストの場面に繋げ、きっちりと幕を下ろした。
首席で主演のカチャは、新公挨拶も1人だ。
カチャは泣かなかった。一切、涙を見せなかった。
アクシデントには一言も触れず、誠実な感謝の言葉で丁寧に頭を下げて、挨拶を締めた。
内心は、どんなに口惜しかっただろう。どれだけ自分を責めただろう。
口惜しくて、やりきれなくて、でも涙を見せずにがんばったカチャの根性には敬服させられた。
多分あれ、緞帳が下りきったあと、号泣したと思うんだ。
カチャ、新公初主演おめでとう。
あなたのリックが、私は大好きです。
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