なんかもう、いるレベルが違うの。
かしちゃんのいるレベルが、ムラと違うの。
突き抜けちゃってるの。

かしちゃんが退めちゃうのが悲しいとか。
かしちゃんがこんな作品で最後なんて悔しいとか。
そんなことは言わせない。
安い同情、そんなものがそこに入る余地などない。
すべてを超えたレベルに、今、貴城けいはいるんだ。

1回、退めたんだと思う。
ムラで初日から楽、袴で大階段降りて。
貴城けいは、1回宝塚を卒業した。

そのとき彼は、自分に降りおりてきた幸せ、喜び、辛さ、悲しみ、苦しみ。
清濁併せ呑み、いったんすべてがクリアになったんだ。

真っ白な心で東宝に立ち、そして今、彼は私たちに告げる。
「俺を見ておけよ」

こんなにも美しい今の俺を見ておけよ、男役の俺を見ておけよ、って。
壮絶なまでに輝く自分を、ただ、ただ見せつける。

その姿に、もう私たちは、ひれ伏すしかない。
そして、かしちゃんを見つめることしかできない。

ムラでは、かしちゃんの何見ても泣けたんだけど、今は泣かない。泣くどころじゃない。
今のかしちゃんを見ておかなきゃ。ひたすら見つめておかなきゃ。

そうしなきゃ、自分が後悔するから。

「新年あけましておめでとうございます。宙組の貴城けいです」
2007年1月2日、貴城宙組東宝公演の幕が開いた。

お披露目オーラ、退団オーラ、トップオーラ……そんな言葉では言い尽くせない。
宝塚で歩んできたすべての時間、男役貴城けいの姿を、この最後の最後に凝縮させ凄まじく輝くその様は、まさに神だ。

なのに、この神ったら、相変わらずラヴリーなんだよなあ。
鬼畜入ってるって、その笑顔!
知ってるよね、その笑顔でみんなが爆死すること知ってて笑ってるでしょ?

わざと?

そう、わざと!

私?

はい、爆死!

つか即死?

や、千秋楽まで死ねないのことよ!
何度殺されても、その度立ち上がってみせますわっ。

で、例の「天井画」のお衣装変更ですが。
上衣が白に変わってます、あ、今頃言ってもみんな知ってるか(汗)。
金スパンコールラインの先にオレンジの石。
白はかしちゃんの色ですし、綺麗です、綺麗なんだけど……うーん。
あれは前場のショパンのお衣装の上から被るんですよね。つまり、スモック。
下のお衣装が紫で、ズボンは出るの。ムラのときはこれに上衣が黄色で、エグかったんですよ。
しかも、なんかベロベロして、私はデザインも嫌いだったんだけど。
白が綺麗なだけに、今度はズボンの紫が邪魔。ムラのは変なりに上下まとまっていたとは思うの。
襟の紫は、ムラは開襟にして出してました。東宝の白は詰め襟にして下の紫を隠してるんですが、そうすると隠し切れずのぞいちゃう襟元の紫がやたら気になるし。
でも、「天井画」ってイメージからすれば、やっぱり白かなあ。
もう前場の紫から変えちゃえ!ぐらいは思うけどね。無理なんだろうから。

そして「虹色の空」。
「ありがとう いつもいててくれたね」
これが
「ありがとう いつもいてくれたね」
に変わってました。ほっ。
関東圏の人間には、どうしても受け入れられなかった「いつもいててくれたね」なんですが、これ!
kineさんがすごいこと言ったの!本来、kineさんが書くべきなんですが、今お休み中なので、ちょっと私が書かせていただきます。
「いててくれた」は、標準語だと「いていてくれた」、つまり「いてくれた」の過去進行形にあたるのではないか。
「いてくれた」、かつ「いてくれる」、「いててくれた」のニュアンスは、その辺りにあるのではないか。
標準語だとぴったりくるニュアンスがなかったので、関西弁の「いててくれた」で表したものの、やはり唐突な関西弁も不自然なので「いてくれた」に直した。ただ、本来言いたかったことは、「いていてくれた」なんじゃないかな、と。
これがkineさんの解釈です。(kineさん、合ってる?汗)
「いててくれた」の謎は、いろんな人にぶつけてみたものの、いまひとつ納得できなかったんですが、kineさんの言葉に胸のつかえが下りた気持ちです。や、正解か知らんけど(笑)、少なくとも私はすごーく納得できた。
かしちゃんにとって、ファンは「いつもいてくれた」、かつ「いつもいてくれる」んだもん、なんかそうなると「いててくれた」でよかったかも?と思う現金な自分(笑)。
正解は草野先生のみぞ知る、なんですか、ねえ。

変更らしい変更は、このぐらいかな。
あ、ショーのともち、いりすちゃん、七帆くんのじーちゃんは、ムラの初日を思えば、ありえないほど老けました。ヨボっヨボです(笑)。
特にいりすちゃん、七帆くん!
ともちは最初からある程度やってくれたけど、いりすちゃん、七帆くんは大変そうだったのに……なんかすげー開眼しちゃって、じじいもいーとこ、めっちゃ楽しそうにヨロヨロと老けまくってます(げほげほ)。
このまま老け続けると、楽までに寿命が尽きてしまう〜!
その一歩手前まで頑張ってね!(はあと)

ええ、私、東宝も通いまくりますわよっ。
正気の沙汰ではございません。
かしちゃんのお稽古最終日のために、それをギャラるために、日帰りでムラに飛びました。
や、枝葉は他にもあるんですが。とりあえず宙組がお稽古最終日なわけだから、まあタニつんも見られるだろーし、とかね。
(「とりあえず」とか「まあ」とか「も」とか言うな)(だってタニつんはこの先も「お稽古最終日」あるんだもん)
でも、幹となる理由は、「ムラを去る貴城けいを見届けたい」でした。

かしちゃんは、朝10時5分に車を降りられました。
ファンの人たちの長い列を見て笑顔になりかけ、そのまま顔をこわばらせて上を向いてしまったかしちゃん。
手紙を受け取られているときも、ずっと固い顔だったように見えました。

私は花の道の上にいました。
こうやってかしちゃんがムラで手紙を受け取るのを見ることはもうないんだなと、不思議な気持ちでそこにいました。
黒いコートに黒のパンツ、白のインナーだったでしょうか。
長いファンの列が次々に渡す手紙を受け取るかしちゃんを、私は、ただじっと見ていました。

かしちゃんはご自身で冗談ぽく「位の高い役しか演ったことないんで」なんて言われていますが、ほんとうに素で位が高そうなの。立っているだけで気品あるの。
この雰囲気は、そうそう出せるものじゃない。
花の道の上まで、薔薇の香りがただよってきそうです。

手紙渡しが終わり、かしちゃんが楽屋口に向かいます。
ファンに見送られ、中に消えてゆくかしちゃん。

私のいた場所からは、これ以上は見えません。
そのあと、かしちゃんを楽屋口で見送った友だちに会いました。
もう、彼女の目が真っ赤で。
「かしちゃん、最後に手を振るとき、泣いていたみたいだった。泣き顔見せないように、上を向いて入っていった」
それを聞きながら、私も一緒にびーびー泣いてしまったよ。

タニつんは、かしちゃんの5分前に入られました。
茶のコート、黒の光沢パンツ、レオパード柄のマフラー、そしてグラフでも紹介していたD&Gの黒バッグ。
なんかすげー急いでた(笑)。
やん、間際になってそんな慌てるぐらいなら、もー少し早く来ましょーね(笑顔)。
と思っていたら、アナタそれどころじゃない。
かしちゃんも入ってしまい、閑散とした花の道に、みっちゃん現る!
だからかしちゃんとっくに入ったっつーの!てえ、なあんも関係なさそーな、のーんびりゆーったり悠々と、少しも慌てることなく急ぐことなく、みっちゃん歩いてくる。
みちこ、大物ナリ(笑)。

この日は花組集合日でもあり、なんかいろんなものを見られたんですわ。
つか自分どんだけ暇やねん?(違う、ほんとは忙しいんだってば!)(師走の忙しい中をかいくぐり、えーと)(うーん、説得力がない台詞だぜ)(でも、ほんとにほんとは忙しいんだってば!)(愛の為せる業……ぽっ)(はあ?)
その辺の話と、駐車場の中でかしちゃんを見送った友だちから聞いた話は、また別に書きますね。
花の道に、貴城けい大劇場最後の出を待つファンの、長い列ができていた。
横殴りの雨が降り荒ぶ中、ファンもギャラリーも、ただじっと、かしちゃんを待っていた。

楽屋口から、かしちゃんが出てきた。
「かしちゃん、お疲れさまでした!」
ギャラリーの声に、かしちゃんは目をくるくるさせながら、笑顔を見せた。

そして、ファンの人たちと、駐車場の奥に消えていった。

その中で何がおこっているのか、私に見ることはできない。
そこは、かしちゃんをもっとも近くで愛し、見守り続けてきた人たちだけが、いることを許される場所だ。
お見送りするファンの人たちの掛け声が、雨音に混じって聞こえてくる。


かしちゃんの車が出てきた。
貴城けい大劇場最後の姿。
でも私に、かしちゃんの顔は、まったく見えなかった。

かしちゃんは、うつむいていたから。
ギャラリーから顔を背けるように、うつむいていたから。

「かしちゃん、かしちゃん!」
ギャラリーから多くの声が掛かったが、かしちゃんが顔を上げることはなかった。
背けた顔そのままで、大劇場をあとにした。

短く切りそろえた襟足の下からチラリと覗く首筋の白さだけが、私の目にぼおっと光って見えた。


車で帰るかしちゃんを、今まで何度も目にしている。
いつもまっすぐに顔を上げ、ときにギャラリーにも軽く会釈し、笑顔を向けてくれる。
あんなかしちゃんを、私は初めて見た。


宙組の貴城けいは、泣かない。
涙は見せても、泣かない。
貴城けいは、決して「泣き顔」を見せない。
『コパカバーナ』、『I have a dream』、そして今回の大劇場公演。
たとえ涙を流していても、大きな目をくるくるさせて、大きな口でクイっと笑ってみせる。


強い人だと思う。
宙組の貴城けいは、ほんとうに強い人だと思う。


私は、サンシャインの初日に聞いた、かしちゃんの言葉を思い出していた。

「私も人間ですので、弱いときもあります。
皆さんが思っているような……そんなに私、強くないです」

「でも、みんながいてくれてっ!みんながいてくれてっ!!」

「今、前に向かって、夢に向かって進んでいける」

「勇気をみんなからいただきました!」


ファンから貰った愛を受けて、いつも強くある、いや、強くあろうとしている。

その意志で、大劇場を演り通した。
その意志で、最後のイベントに臨んだ。
張りつめた、強靭な心で。
そして、大劇場をあとにした。


ファンの人たちの前を離れたとき、もうかしちゃんに顔を上げていられる力は、残っていなかったのではないだろうか。


私が見た、貴城けい大劇場最後の姿は、だからあの白い首筋だ。

うつむいたかしちゃんの、細い、ほんとうに細い首筋の、ぼおっと光る白さが、目に焼きついて離れない。


あなたの強さが、好きだ。
あなたの強くあろうとする優しさが、好きだ。

そして、せつない。


だが、大好きだ。


今日、あの場所にいられてよかった。
朝9時50分。
歓声があがった。
大きな、大きな拍手。

かしちゃんが、来た。
かしちゃんが、来てくれた。

かしちゃん!かしちゃんだ!かしちゃんだ……。
自分もお稽古中なのに、たった1日の休みを使って、かしちゃん来てくれたんだ。

私とkineさんは、その日、朝から日比谷にいた。
kineさんは、いつも冷静さ。
私は、いつもちょっとイタい。

「かしちゃああんっきゃああひぃいいいぃかしちゃあああんきゃあひいいぃぃ」
私の妙な声は、止まらない。

いいのよっ、そこにいた人たちは、そのとき大方がきゃあきゃあ叫んだんだから。
たっ、たぶん。

kineさんは、いつも冷静さ。
私は、いつもちょっとイタい。

かしちゃんが、優しい顔で笑った。
かしちゃんは、私の大好きな顔で笑ってくれた。

私は、ポロポロ涙をこぼしはじめた。
身体がグラグラして、バランスがとれない。
kineさんの腕にすがって、泣いた。

「えへえへふふわあっはっはっぶあっふあっふあっぶふわあっふわっふあっっ」
そして私は、笑いだした。
だって、嬉しかったんだもんね。

kineさんは、いつも冷静さ。
私は、いつもかなりイタい。

そんな私を、冷静なkineさんは、静かな目で見た。
そんな私に、冷静なkineさんは、静かな口調で言った。

小さな子どもに、言い聞かせるように。
ひと言ひと言を、区切って。
グラグラ揺れ続ける私の身体を、支えながら。
kineさんは、静かな口調で言った。

「泣くか。笑うか。どちらかにしなさい」


あの歓声。あの拍手。
かしちゃん、雪組ファンからほんとうに愛されてるんだね。
宙組ファンからも、雪組ファンからも、こんなにも愛されているうちのトップさんを、私は誇りに思います。


朝海ひかる ザ・ラストデイ。
映像でも、伝わるものがある。
こころは、伝わる。

傲慢な言いかたをしてしまうと、観る前は、中継で「その場」を感じるのは無理かもしれないとも思っていた。
最初のうちは、強制的に切り替わるカメラアングルや、遠くにしか聞こえない拍手に、とまどったりもした。

でも。こころは、必ず伝わるんだね。

コムちゃん。まーちゃん。高さん。マコちゃん。悠さん。アミちゃん。このみちゃん。彩くん。あやりちゃん。いつみちゃん。

ありがとうございました。

うつくしいノエルを、ありがとうございました。
寝ずに看病してくれたお竜に向ける、竜馬の愛しげな目が好き。
疲れて眠ったまま自分に寄りかかるお竜に、そっと羽織をかけてあげる、竜馬の優しさが好き。
「起こさんでいいき……このままで」って気遣う、竜馬のさりげなさが好き。
気がついたお竜が離れようとすると、「このままでええ」ってグっと肩を引き寄せる、竜馬の熱い目が好き。
決してお竜の目を見ず、照れて目を見られず、だけど溢れる愛を隠しもせず真っ直ぐにぶつけてプロポーズする、竜馬の真摯さが好き。
「付いて来てくれるな」……爆死。
「行くか、霧島へ」……爆死。
そのくせ憎まれ口を叩いてみせる、竜馬の子どもみたいな可愛さが好き。
「ああ、大後悔じゃ!」って言っておいて、そのあと大きな口でクイっと笑ってみせる、竜馬の明るさが好き。
しっかりと抱き合うふたりが好き。大好き。

だけどほんとうは、竜馬は死といつも向かい合わせ。
だから今、抱き合う。だからこそ今、固く抱き合う。

かしちゃんの竜馬は、いつも溢れんばかりの愛情を、るいちゃんのお竜に注いでいる。
強く、深く、真っ直ぐに愛情を、お竜に向ける。その愛で、お竜を包む。
どんなに口が悪くとも、目を見れば解る。
絶対的に自分を愛してくれているのだと確信できる、その眼差し。
女の子を、ここまでしあわせな気持ちにさせてくれる人って、そういないでしょ。まず、いないでしょ。

かしちゃんの「真ん中の人」としての力のなかで、いちばん驚嘆させられるのは、いつもそんな「王子さま」であってくれるところ。
たとえ10日もお風呂に入ってなくて臭くても、「でへへへへ」とか馬鹿笑いしちゃったりしても、この「王子さま」は、女の子に夢を見させてくれる。
彼の愛情溢れる眼差しで、女の子は「お姫さま」になれる。
るいちゃんに自分を重ねて、とろけるような甘い夢に酔える。

それは今まで、たとえばバウでの主演や、2番手のときも、やってくれていたことかもしれない。
でもかしちゃんは、あの2千人のハコで、2階の後ろの後ろまで、その夢を届かせる強い目を持っている。
大劇場の真ん中でこそ、彼の目は真に生きる。
ほんとうに「真ん中の人」。

トップさんの形って、それだけではないと思っている。いろんなトップさんがいて、いろんな形がある。
だけど、この愛情だだ漏れの、夢を見させてくれる「王子さま」と、彼の愛に包まれて、ひたすら彼を愛し、彼についていこうとする「お姫さま」……貴城けいと紫城るいのトップコンビとしての在りかたは、永遠に私たちの心に残り、永遠に語り続けられていくことだろう。

1回ね、竜馬が「今、薩摩の霧島は、花が美しいそうじゃ」って言ったあと、ふっと遠くを、つか「私を!」見たんですよ。
正確に言うと「私の方向を」……や、違うもん、「私を!」見たんだってば!(言い張る)
ドキっとして、客席で「うぐふあぶあっ」とか、変な声上げちゃったわよ。
その日の幕間、そして終演後、「竜馬にハネムーン誘われたからっ!(大威張り)」と、私がずっと夢見るお目々で周りに吹聴しまくったのは、言うまでもないのことよ(だからそれ大迷惑)。

そんな甘い夢。刹那の夢。プロポーズ。
大楽で、かしちゃんは台詞噛みました(笑)。
真剣な目でプロポーズした竜馬が、照れて憎まれ口叩いちゃうところ。

「一人身を貫いても後悔、嫁を貰ても後悔。同じ後悔するなら、嫁を貰てから後悔するほうが、まだマシじゃ」
これが正解です。

「嫁を貰ても後悔」
こっちが先に出ちゃった。
ん?違う……一瞬の間をおいて次に出てきた言葉。
「独身を貫いても後悔」
はい、言葉は違うけど意味は通じました、なのにもう頭ごっちゃになっちゃったんでしょーね。
続けて、「同じ嫁を貰うなら」、ん?ヤバい、違う!意味通じねー!
えーと、「どうせ嫁を貰うなら」、げ!先続かねー、どどどどーしよう!みたいな。

同じするのは「後悔」です。それを「嫁」、「嫁」と(笑)。
はいはい、そんなに嫁に貰いたいのか、そんなにそんなにるいちゃんが好きなのか、ヲイかしちゃん!

あああああダメだあっ。
この先、もう続かないっ。

「あ〜っ!間違えたああっ!!」

竜馬、開き直る。後半は自主的にカット(笑)。
かわええかわええかわええかわええかわええかわええ(盲目)。

憎まれ口を叩いてみせるところだから、そんな可愛い竜馬もアリだったと思います。

それを受けてお竜、「まっ、口が悪い」を「ほんとに!口が悪い」、そうね、ほんとに口の回りが悪かったかもね、かしちゃん。や、最初は回ってはいたんだけどね、意味通じなくなっちゃただけで(笑)。

「こんな傷、治らへんかったら、坂本はんはずーっとうちと一緒に」、ガブっ!竜馬の傷に噛み付くお竜、大楽はいちだんと気合い入ってます。
「あ痛いたたた……」、お竜渾身の噛み付きに、「(コイツ、今日は)本気じゃああっ!」と叫ぶ竜馬。

「もう後悔してはるん違いますか」、プンって横を向くお竜。
「ああ、大後悔じゃ!」、ツンって顔してみせる竜馬。

そして、ニコっと笑う。
大きな口を開けて。大きな目を細めて。

お竜を見つめて、ニコっと笑う。

あの笑顔。竜馬のあの笑顔。あの笑顔が好き。大好き。

大好き。

「竜馬!」
「お竜!」

あたしはるいちゃんになりたいでするいちゃんになってかしちゃんのあのひとみにみつめられたいですかしちゃんにつよくつよくだきしめられたいですそしてかしちゃんのうでのなかでうつくしいゆめをみたいです。

いやなに。ひとりごと。
一瞬にして張りつめた、劇場の空気。
花道に白装束の武市半平太@ともちが現れる。一礼し、刑場に向かう武市。
「半平太、魂となってわしを見守ってくれ!」
竜馬@かしちゃんの絶叫が、悲痛に響く。
ここの武市、台詞は録音で、ただ現れて消えるだけ……ちょっとひどい。
それでも、裸足の足先まで真っ白に塗り、立ち姿のみで見せる、ともち迫真の芝居には平伏。

大楽の武市切腹、そしてそれに続く薩長同盟は、ほんとうに力があった。
かしちゃんが常々「いちばん大切にしている場面」と話されている、薩長同盟締結。
竜馬も、中岡@タニつんも、桂@みっちゃんも、西郷@すっしーも、みんなみんなすごかった。
もちろん、みんな毎日熱演しているはずだし、ここはいつも力のある場面になっている。
だけど、その公演最後の1日。
役者の体温がぐんぐん上がり、彼ら個々の熱がひとつになり、それが大きなうねりとなって客席を巻き込んでゆく。
その力を、強く、より強く、感じた。
そして、それに巻き込まれてゆく、たまゆらの恍惚。

それは、大政奉還もだ。
竜馬と慶喜@蘭とむちゃん。向かいあうふたりの体温が上がってゆくのが分かる。
真剣勝負でぶつかりあうふたりの熱、そして、その力が、劇場の空気をも動かす。
あ、蘭とむの「男の負けっぷり」、初日にすばらしい負けっぷり……顔面蒼白、瞳孔全開、身体硬直、声色顫動、音程壊滅を見せてくれた銀橋ソング、最後の頃は余裕でこなしていました。えーと、お顔は(笑)。
音程だけは、最後までちと怪しかったけど(大和煮えがそれ言うな)。

だから私、石田先生は苦手なの。でも、物語が壊れているわけじゃない。
ただ、余計なことを演らせるから、そこに腹が立つわけで。
こうやって役者が見せるところをきっちり見せてくれるから、この作品楽しめる。

かしちゃんの、ちから。
みんなの、ちから。

千秋楽アドリブの残り。
・竜馬を追い、薩摩藩邸に新撰組がやってくる。
・応対するのは西郷。「新撰組副長、どかたとしぞう?」
・「どかた」を聞いて、新撰組の土方@美佳ちゃん、沖田@ちぎ、隊士@ちーと、かちゃ全員揃ってコントのごとくズルっとコケた……らすぃ。
・らすぃと言うのは、このあと「ひぃじぃかあたあ〜、ですっ」と唇を歪め、肩を入れ、腰まで入れて言い返す美佳ちゃんの芝居っぷりが私のツボで、いつも最初から美佳ちゃんピン撮り。美佳ちゃんがコケたのしか見られなかったんだってば。
・ちなみに緑野さんはこの場面を
>西郷に「ひじかた」を「どかた」と読ませて笑いを取る、くだらないギャグをやりたいがためだけに存在したのかもしれない、と思えてしまうあたり絶望的。
と書いていらっしゃる(12月10日)。
・私は「かもしれない」ではなく、「どかた」ギャグをやりたいがためだけに存在したと「確信している」。
・しょーもない場面、くだらないギャグだと思いつつ、無駄に濃い美佳ちゃんは、やはりツボ。おもしろすぎ。
・薩摩藩が出してきた錦の御旗に、「こんな物、偽物ですよっ!偽物ですよっ!土方さんっっ!(じたばた)」、沖田は小学生か?
・ちぎちゃんは悪くない。悪いのは石田。
・大政奉還。「友としてくれるかのう」と言う慶喜の手をとり、いきなり「シェークハンド」する竜馬。
・いつもは慶喜の手をぶんぶん上下に振るだけだが、今日はその手を取ったままクルリと1回転。かわええ。
・どーしてかしちゃんは何をやってもこんなにかわええのだろーか?(素)
・それにしても、この場面で竜馬に着せているTOCの裃は、絶対に絶対に許せない。石田ぁっ!出てこいっ!(怒)
アドリブはこれぐらいかなあ。

あとはね、かしちゃんが台詞噛んだ!私のだあい好きなプロポーズの場面で!
もおかあわああいいのさそれがもうかあわいくてかあわいくてえ!(でれでれ)(盲目)
そして、ショーもあるのよね。
ということで、噛んだ竜馬とショーの千秋楽アドリブは、次回に続く。まぢ年内に終わるのか?つかニーズあるのか?(ねえよ)(今さらねえよ)(誰からもねえよ)(だからあたしが読むんだってば)
長崎、グラバー邸。
ここは、ただでさえ目が足りなくて困ってるんだって。
まず、タンゴを踊る竜馬@かしちゃんがめっちゃかっこいーでしょ。くしゃみはよけいなんだけど。
女の子ちゃんたちがみんな可愛いでしょ、海援隊隊士たちの小芝居が日々熱くなってるでしょ。
そして、グラバーさん@じんじんと陽之助@七帆くんの日替わり小芝居!いつも女の子ちゃんに振られ役の陽之助、なぜか手品で慰めたりするグラバーさん、もう日々濃くなってゆく小芝居も見逃がせないし。
もう、どこ見りゃいーのか、いつも大変なのに!大楽ったら!
ああ、目がたくさん欲すぃってばあ!

・西洋の女@あおいちゃん。怪しいなんちゃって外国人風に歌うあおいちゃんの手に握られているのは、かしちゃん竜馬旗。
・その旗をぶんぶん盛大に振り回しながら、あおいちゃん熱唱。あいらぶ竜馬。つか、あいらぶかしげさん。
・旗はもう2本。グラバーさんの手には英国旗、陽之助の手には日の丸。
・そして、タスキ。本日、グラバー邸のポイントはタスキ(笑)。
・まず、グラバーさん。「いーこそ」
・タスキに、ただ「いーこそ」。爆笑。これはもちろん、グラバーさんの名台詞「いーこそ、よらっしゃいました」の「いーこそ」です。
・そして後ろに並ぶメイドの女の子ちゃんも3名ほど「いーこそ」タスキ。「いーこそ」が並ぶ、その絵は壮観。
・名台詞「いーこそ」を言いながら、こちらの期待にたがわず、1字1字「い・ー・こ・そ」とご丁寧にタスキの文字を指さすグラバーさん。
・ちなみにじんじん、私たちは前公演中「市長」と呼んでいた。今は秘かに「ガイジンさん」と呼んでいる。
・ただし、今公演では瓦版も売っているので、お忘れなく。
・そしてタスキ、ああ、陽之助のタスキは。
・……「坂本先生命 陽之助」
・さらにこの「命」は、「○命」と、ご丁寧に○囲み。
・手作り感溢れる、や、むしろ絶対手作り。
・頭の鉢巻には「竜馬」、もちろんハートマークが飛び散ってるし。
・胸の海援隊マークは、かしちゃん写真になってるし。
・自分のお顔になっている陽之助の海援隊マークを「ん?」と覗き込んで反応してました、竜馬さん。
・や、ここまでは笑ってたんだってえ!!
・陽之助が前に出てきた。客席に背中を向けた。
・客席、そのタスキの裏の文字を凝視。唖然。ざわわざわわと、ざわめきおさまらず。
・「大好き」
・ただ朴訥に、「大好き」と。ただ、「大好き」と。

大好きなんだ……陽之助、坂本先生が大好きなんだ……つか、違うやん。

七帆くん、かしちゃんが大好きなんだ……。

「大好き」ってえ!んな馬鹿な!アドリブの域、超えてるやん。
それ、コクりだからっ。
七帆ひかるが貴城けいに、公衆の面前でコクってることだからっ。

なんかね、泣けた。七帆くんの馬鹿あ。

そう、緑野さんも書いておられましたが、私もそのタレコミを一緒に聞きました。
あのタスキは、七帆くんご本人の字。なんだそうです。

「大好き」

「大好き」

「大好き」

太字サインペンを握り締め、タスキに1字1字「大好き」と書き込む七帆ひかる……。
「大好き」だから。かしげさんが「大好き」だから。

もう、七帆くん……。泣かせないでえ……。

・そして、キス。本日、もうひとつのグラバー邸のポイントはキス。
・刺客を追い払った竜馬に、真っ先に抱きついたのはグラバーさん、その目はドまぢ。あいらぶ竜馬。つか、あいらぶかしげさん。
・竜馬、一瞬引く(笑)。
・だけど、予定通り西洋の女@杏ちゃんにキスしてもらい、「こっちのほーがええぞ!」と叫ぶ竜馬。そりゃあ、じんじんより杏ちゃんのほうが以下自粛。
・そして、今日は竜馬からもキスのサービス。
・「名誉ある海援隊副官が、三助の真似事までするのですかっ」、言いよる陽之助に「お国のためじゃあ!ん〜、ぶちゅっ!」
・擬音つきで、陽之助の頬にド派手にぶちゅっとやる竜馬。
・愛のキスを受けて、陽之助完全にヲトメモード。
・とろけるようなお顔で、モジモジ、モジモジと内股でハケてゆく。
・「担保と言うより、これじゃ人質じゃないですかっ」と言う台詞も、キスの衝撃で飛んだのか、もはや今の陽之助にはもどーでもいーのか、今日は無し。
・人質でも担保でもなんでもいーのだ、坂本先生のご命令とあらば(はあと)。
・ひたすらキスされた頬に手をやる陽之助、そこから熱いハートマークがリアルに飛び出す。まるで劇画のよう。
・ちらりちらりと上目づかいで竜馬を見る陽之助。あいらぶ竜馬。つか、あいらぶかしげさん(笑)。

このヲトメは七帆くんだったのか、陽之助だったのか?
七帆ひかるとしては、まぢでメロメロだったかと。でも、陽之助としての芝居もやりーの、そっちもちゃんと見せてくれた。
ほんと、七帆くん変わったと思います。すごいアピってくる。目が離せない。

さて。あまりにもヲトメな七帆くんがウケすぎて、客席の笑いがおさまらないあの空気のなか、武市半平太@ともち切腹の知らせに駆け込む中島@いちくんは、ほんとうに大変だったと思う。頑張ってた。すげー頑張ってた。

「何っ?!」

知らせを聞いて、顔色を変える竜馬。このひと言で、ひと言だけで、客席の空気がガラっと変わった。一瞬にして、ピンと張りつめる。

貴城けい、ばんざい。

最初はね、宙組の小芝居っておとなしいって印象が拭えなかったんですね。
もっと演ればいいのにって、いつも思ってました。星組とかクドイのよーく観てるから(笑)、よけいに。
でも、変わった。かしちゃんがみんなを信頼しのびのび演らせて、みんながかしちゃんを信頼しのびのび演っている。
グラバー邸は、今の宙組に流れる自由な明るい空気がすごーく見えて、大好きな場面です。

貴城けいの宙組、ばんざい。

ころもがえ。

2006年12月20日 貴城けい
この日記を始めてから、すぐに背景色を「バナナ色」にしました。大和さんが大好きだと聞くバナナに敬意を込めて、バナナ色に。
それから初めてのころもがえです。

かしちゃんのご卒業に敬意を込めて、背景色を白に。
かしちゃんが大好きだと言ってくださる宙組に敬意を込めて、文字色をパープルに。

貴城けいの宙組を、力の限り、心から、応援します。

緑野さんちが、今「バナナ色」だし(笑)。
や、ご本人は「プリン色」と主張していらっしゃいますが(5月22日こあらった日記参照)、ぢつは隠れ大和ファンらすぃ(嘘)。

1年以上バナナ色を通してきたんで、なんか自分ちなのに見慣れないつーか、落ち着かないつーか。
とりあえずこれでやってみますね。
I wish you a Happy New Year

かしちゃんはそう書いていました。

I wish you

かしちゃんらしい、優しい言葉です。

トップさんだけの「New Year Special Port」。
かしちゃんは、黒のジャケットに黒の毛皮のマフラー(お衣装みたいでステキぃ)、ネックレスも黒。それに白いパンツを合わせています。
ちょっとだけ前髪垂らして、でもほぼ全開のおデコがぴかぴか。ほんとおデコかわええ。かわええかわええ。
で、全身を見ると、すっごい美し〜〜〜い!

しばらく見つめ合っちゃったわよ。え?だから、かしちゃんと私。
なんせ相手はカメラ目線だからね、常に「私だけを」見つめてくれるからね、うふうふ。
で、可愛い嫁のるいちゃんは?っと。

最後まで心を込めて頑張ります!

最後まで。

最後。

まで。

泣いた。もう、泣いた。
るいちゃんも、かしちゃんも、最初で最後なんだ。
初めてのトップとしての新春ポート。そこに最後と書かせるようなことをする劇団が、やっぱり許せない。

かしちゃんとるいちゃんのことに対して、もう文句は言うまいと思っていた。彼らが決断した道。私たちにできるのは、それを応援することだけなんだから。
そして、ムラを卒業していく彼らが、しあわせそうだったから。
男役でもなく、娘役でもなく、一生徒として袴姿でゲートをくぐった彼らが、澄みきった笑顔だったから。
それを見て、ほんとうにもう文句は言うまいと、あらためて思った。
かしちゃんとるいちゃんは今、しあわせなんだ。すっごいしあわせなんだ。それが分かったから。

でも、そう思っても、こんなちょっとしたことで、せつなさがこみ上げてくる。
なんで?どうして?!って、悲しいし、口惜しい。
もっと、もっと、彼らを見ていたかった。

今、めちゃめちゃあいらぶかしちゃんだしね(笑)。
サヨナラショーで、息の根止められました。私は、かしちゃんの鎖に縛られたい(素)。
大和煮えが何を言い出す?うん、大和さんは、私の大前提ですから。
それを踏まえて、あいらぶかしちゃんなわけです。(踏まえてるのか?)(踏まえてるんだって!)

そして、新コーナー「おとめに歴史あり」、12枚のかしちゃんおとめ写真を飽きることなく見つめる私であった。たぶんニヤつきながら。かなり怖い。
彼の姿が美しいのは、心が美しいからなのよ(はあと)。と、ヲトメなことを言ってみたりする(笑)。

「Dear」は大和さん。景子先生からの「Dearタニ」のお言葉が嬉しいです。
つか、いちばん反応したのは「サイン」なんですけどお。

「サインは漢字をアレンジしたものにしました。たまに、簡略化して書くこともありますが(笑)」

たまに?た・ま・に・?

あのう、私その簡略化したものしか見たことない気が(笑)。
そこに載っているサインは「大和悠河」って1字1字読み取れるんですけど、最近ぜってーこんなの書いてないだろっ?(笑)

すえちんにいただいたというぬいぐるみはぷりちーですが、水筒のイラストはそれってどうなの?(古っ)

黒のD&G、細いストライプのスーツ。って、パンツは写ってないから、実は上下違ったりして。
珍しく、珍しく!先生!珍しく、大和さんの胸元があまり開いていませんっ。

以下、ちいさなツボ。

「心の名作語り隊」
・『うたかたの恋』を語る涼たんはたぶんドまぢ。台本なし、ご本人が編集のおねいさんに熱弁をふるったに違いない。
・そんなヅカスキーな涼たん好きィ。

「87の期マメ事典」
・新年になり、同期紹介は87期。ぜってーマメが第1回ゲストだと勘違いしちゃうって!アナタ、頁を飾る写真で、インタビュアーがゲストより目立ってどーするよ?!
・「コマの要望をもとに」戦隊ものコスに決めたそーですが……マメ、やる気みなぎりすぎ(笑)。

「Word is Power」
・新年からも引き続きある、このコーナー。ほら、みんな先輩じぇんぬとか、演出家の先生とか、著名人、中には家族の言葉とかね。そーゆーの挙げるわけで。
・「人生を変える言葉がある。心で生きる言葉がある」、そんなキャッチに基づき、オヅキくん。
・「この言葉はガムの入ったケースにつけられていた包み紙に書いてあったものです」
・ガムの包み紙で人生が変わった男、オヅキトーマ……。
このあとの西郷@すっしーに薩長同盟を切り出す竜馬@かしちゃんがかっこええとか、長州藩高杉晋作@いりすちゃんを説得にいく中岡@タニつんもかっこええとか、高杉がどーにも身体丈夫そーでとてもじゃないけど胸を病んでるよーには見えんとか、彼が咳をするたびに「いりすちゃん何の冗談かいな」と思わずつぶやいてしまうとか、その結核持ちより青っ白い中岡のお顔の地色はなんとかならんのかいなとか、まあいろいろあるんだけど、とにかく千秋楽アドリブ。

・寺田屋の居間。長崎に向かった竜馬を追えと、お竜@るいちゃんをけしかけるお登勢@邦さん。「あてかて、もう1つか2つか3つか4つ若かったら、坂本はんに惚れてます」、いつもは「3つか4つ」なのに、此の期の及んでさらにサバを読もうとする邦さん。
・ここはお登勢ではなく、あえて邦さんと書く(笑)。
・竜馬を追い、神戸港近くの旅籠に着くお竜。そこには男装した千葉佐那子@たっちんが。お竜が口にする「桔梗紋」に、思わず「桔梗紋ですって〜!」と、女の子になって反応する佐那子。
・しかし懐から取り出したのは、桔梗紋の片袖ではなく、「あいらぶ竜馬」と書かれたハートマーク付きハンカチ。前楽で陽之助@七帆くんが握り締めていたやつかと思われます。
・「あ、間違えた!」と言いつつ、その間違えたはずの「あいらぶ竜馬」ハンカチを引っ込めるどころか、大きく広げアピる佐那子。
・だから、その間違えたはずの「あいらぶ竜馬」ハンカチを、これ見よがしに広げたままお竜に迫る佐那子。
・睨み合ったふたりが「坂本竜馬のバカヤロー!」、これに「バカヤロー!」と加わる旅籠の女@すみかちゃん。お竜「なんで、あんたはんが加わるんどす?」、佐那子「関係ないでしょ!」
・今日だけは反論させてよと、「最後ぐらいいいでしょ!」と叫ぶ旅籠の女。すみかちゃん、下級生ながら老婆役、お疲れさま。

さて。続くグラバー邸では、ついに「あいらぶ竜馬」大集会が繰り広げられたのだった……ということで、長くなりそーだからまた切ります。これ、いつ終わるんだ?えーと、ねっ、年内には……。
千秋楽アドリブ続き。みっちゃんの女装も麗しい、薩摩対長州から。

・長州藩士を探す薩摩軍西郷隆盛@すっしー。「あっあー、マイクテスト、マイクテスト、本日も晴天なり」、ここを予想の範疇とはいえ、「本日は千秋楽なり」。
・とにかく、桂小五郎@みっちゃんの女装はおもしろい。初日から爆笑をとっていたが、その男っぷりは日々グレードアップしていったのだった。
・嫌らしいほどに完璧な男役の型を見せつけるのさ、だから女装で(笑)。
・楽近くなると、殆ど歌舞伎の世界。
・当初は男のままカッカッと引っ込んでいたが、「はっ!」と気づいて女の子に戻って引っ込む芝居に、途中から変えてきた。
・楽近くは野太い声で「あらっ?!」、いやん、あたし女の子だったわ、みたいな。しなしなしな、みたいな。
・その絶妙な言い回しと間、動作!もう言葉にはできない、劇場でどぞ。
・みちこ、あなたって……恐ろしい子!
・みっちゃんは化粧も進化している。初日は「なにゆえあなたって……」と客席を悲嘆にくれさせていたそのお顔も、どんどん綺麗になってきた、まぢで。
・が、千秋楽に本公演初見だった「み」さんは、「なにゆえみっちゃんって……」と化粧の汚さを嘆いていたから、私が見慣れただけなのか?うーん、そうなのか?
・違う、綺麗になったんだってば!なんせマイナスからのスタート以下自粛。
・対してちーとも綺麗にならない幾松姉さん@いづみちゃん(失礼)。美人芸者のはずが、むしろ恐い。そして、その恐さは日々グレードアップしていったのだった。
・楽近くなると、なんか知らんがお顔が真っ赤っ赤。赤入れすぎだってば。なにゆえあなたって……。
・京劇には詳しくないが、こーゆー顔の人を見たことがある気がする。いや、絶対いる。
・だが、このふたりの「おにぎり愛」は、ヅカ史上に残る名ラヴシーンとして語り継がれることであろう。
・坂本先生命の陸奥陽之助……いや、正確には、かしげさん命の七帆くん(笑)。
・長州に戻る桂、泣き崩れる幾松。一緒にヨヨと泣く陽之助のハンカチは、毎回客席注目の的。
・前楽は「あいらぶ竜馬」と書かれたハンカチ。竜馬のお顔プリントにハートマーク付き。
・「まぢ、あいらぶ竜馬だからっ」と言わんばかりに、ハンカチをピンと張って客席に「あいらぶ竜馬」をアピる陽之助。
・その姿はどー見ても「まぢ、あいらぶかしげさんだからっ」by七帆ひかる。愛いやつ。
・大楽は何か仕込んできたと一目で分かる、ハンカチでくるんだ異様な膨らみ。客席の期待も異様に膨らむ。
・出てきたものは、ハンカチではなく拍子木。「おにぎり愛」クライマックス?桂の「三角がっ、梅干じゃな」、そしてキメキメ台詞「しかと〜!」で、パン!
・桂「あっ、こころえ〜たあああ〜」に合わせ、パン!パン!パパパパパパ……パン!平然とした顔で拍子木を刻む陽之助。キミ、おもしろすぎだから。

今回、初日からいちばん変わったのは七帆くんだと、私は思っている。
陽之助も最初はいっぱいいっぱいで、どーなることやらという感じだった。が、あるときから開き直ったのかガンガン押しまくりだして、俄然おもしろくなった。
ショーの爺さんも、なんで若手路線にこれを演らせる必要が……と思っていたが、七帆くんにはいい機会だったのかもしれない。
こんなに余裕で芝居できる人だったんだなあ。すごいなあ。
かしちゃんから学ぶところも、たくさんあったんだろう。だから、「あいらぶかしげさん!」と、いつも臆面もなく、全身で叫んでいるんだよね。
七帆くんが、もちろん七帆くんだけじゃないけれど、どれだけかしちゃんのこと好きか、すっごい分かるもん。

かしちゃんは宙組生のなかに生きている。今も、これからも、確実に宙組生のなかに残っていくだろう。
かしちゃんの宙組。かしちゃんが創った宙組。
それが嬉しい。みんな大好き。

で、この調子でだらだら書いていって、いったいいつ書き終わるんだろーか千秋楽?
はは……はははっ。とおい目。
舞台の上には帆船。マストに竜馬のシルエットが写る。
マストが上がり、貴城けいの竜馬の姿が現れる。
私は大抵、ここから泣き出す。涙が流れ、歌が始まると殆ど嗚咽になる。

庭に咲く その美しい花より
風に散る 一輪の花になりたい
群れなし歌う その美しい小鳥より 
誇りある 孤独な鷲でいたい

俺は信じる 自分の夢を
俺は感じる 時代の流れを

泣くでそ、かっこいーんだもん。ほっんと、かっこいーんだもんよ。
孤高の人。それを最初に見せてくれる、この銀橋が好き。大好き。
私も大概だと思うが、上には上がいる。
「私はシルエットから泣いてますがなにか?」、早っ。
そう言うクンちゃんも、実は大和煮え。そしてほんとにシルエットから泣いている(笑)。
本舞台に戻って踊る竜馬。このあと風雲の男A@大和さん、蘭とむちゃんがセリ上がってくる。
や、ここはいくらなんでも大和さんにオペラいきますよ。真顔でセリ上がってくる大和さんだってかっこいーんだから。
このとき竜馬は下手に下がるんですね。それからセンターに戻って、大和、蘭とむを両脇に従えて踊るんだけど。
「それがね、下手に下がってるときの踊る竜馬がかっこいーのよ」、これもクンちゃん。
大和煮えのくせに、なんでそこ見てるんだよ(笑)。
「タニちゃん見てると、それが分からないでしょ。ぜひお教えせねばと思って」
ええ、お教えいただいたおかげで、その日から大和さんのセリ上がりが見られなくなりましたわ、おほほほ。
あ、大和煮え仲間で、この下手の竜馬を見ていない人は多いと思います。あそこは基本、見られないから。
ほほほ、あなたにもお薦めしますわ、赤い山茶花を扇にしてに踊る下手の竜馬を、一度でいいから見てみてね!(いい笑顔)

「わしが土佐ん坂本じゃ、よろしゅう頼むぜよ!」
ピストルを一発、そして大きな口でクイっと笑う。
この顔が好き。大好き
この笑顔だけで、彼がなぜ人を惹きつけるのか、それが見える。

ところで、私は石田先生が苦手です。
なんでああ余計なことをさせたがるんだろう。不快なんですけど。
だけどね、それを超えて、かしちゃんの創る坂本竜馬に人を惹きつける魅力がある。
そして、その魅力に組子たちが引っぱられて、「この人のために自分ができることを!」って動いている。だから、舞台の空気にすごい力がみなぎっている。
かしちゃんの竜馬が持つ魅力と、それに惹かれる組子たちの支えで、この作品は石田先生の脚本を超えてどんどん面白くなっていったんだと思う。
千秋楽は、それが爆発していました。
アドリブもいろいろありましたが、思い出せるものを挙げてみます。

・「宙組の貴城けいです」という開演アナウンスで大拍手。シルエットどころか、うっかりここで泣きそうになる。
・江戸の花街。女中が運んできたお膳を見て、竜馬「おお!鰹のタタキは?」、かわええ。だからここは江戸です。
・京都御所内、一橋(徳川)慶喜@蘭とむと勝海舟@ともみさんが、世間知らずの公卿と対峙。
・公卿@あゆみさん、ゆっちの暴れっぷりがすごかった。公卿の馬鹿殿メイクが嫌で、ふだんそっちは見ないよーにしているのだが(すみませんおふたりに含むところはないです)、「ど〜〜〜〜〜思うておじゃるっっっ!」というあゆみさんの尋常ではない絶叫に、久しぶりに(失礼)そっちを見てしまった。
・飛び跳ねかたも尋常ではない。びよ〜んびよ〜んと、そして、わざと蘭とむちゃんたちの視界に入るよーに大暴れ。
・ここでは絶対に笑えない蘭とむの顔がすごかった。鬼みたいに真っ赤になりながら耐えていた。それでも噛まずに吹かずに台詞を言い通した蘭とむはエライ。真っ赤っ赤だったけどな(笑)。
・神戸海軍操練所。「勝を斬っちゃる!」と息巻く中岡慎太郎@大和さんに、勝が話を聞かせる横で、コーヒーをすする竜馬。
・ふだんはずるずるすするだけだが、前楽では「ずるずるずる、ブっ!!」と吹く竜馬。かわええ。
・大楽のコーヒはどーやらかなり熱かったらしい。「熱っ!!」と叫んで、カップをすごい勢いで口から離す竜馬。たぶん火傷。かわええ。
・ここの竜馬と中岡の退場は日替わり芝居。いつもふたりは楽しそう。大楽ではついに仲良くスキップにて退場。
・最初に「もっと話を聞かせちくれ!」とスキップはじめたのは中岡。「おう、聞かせちゃる!」と一緒にぴょんぴょん飛ぶ竜馬は、ハケながら不思議そうに中岡を見て「なんじゃ、それ?!」、半分素で笑ってます。
・竜馬と沖田総司@ちぎの出会い。万次郎@まりえったの「ビジュアル系剣士!」のポーズに、今日は竜馬も加わり決めポーズ。よく明星とかの表紙でジャニーズがやってるよーなやつ。かわええ。ほんとジャニーズみたいでかわええ。大拍手がわく。
・ちなみにここで最初に登場する新撰組隊士@ちーと、かちゃ、初日から比べて酔っ払いぶりが板についてきた。特にちーとは演りすぎ感もあるぐらいヨタヨタとアピっていて(日本語変だけど)よろしいのではないでしょーか。
・竜馬とお竜@るいちゃん出会いの銀橋。「坂本さま……」「なんじゃ?」「あの……臭います」のところ。「なんじゃ?なんじゃなんじゃ?」ほれほれ、ほれっ!とばかりに、いつもより派手にお竜に迫る竜馬。かわええ。もう、何やってもかわええ。
・ここで「行こう!」って言って、お竜に手を差し出す竜馬が好き。大好き。ピンと張られた、その掌が大好き。
・竜馬の手を握り締めるお竜が好き。しっかり手をつないでハケていく、その結ばれたふたりの手が大好き。

だらだら書いてきましたが、長くなったのでいったん切ります。ここからみっちゃんが出てくるから、さらに長くなるんだもん(笑)。
みっちゃんすげー。今、かなりマイブーム(笑)。
12月2日。
この日宝塚ホテルでは、貴城けいと大和悠河、ふたつのお茶会が開かれた。

私は大和茶に出席した。
大和さんはいつもの如くサービスたっぷりに自ら場を仕切り、お茶会はおおいに盛り上がったさ。

お茶会の日が被ったことも、その日大和さんはサヨナラショーのお稽古がなかったことも、貴城さんはお稽古があったことも、ましてや、貴城さんから大和さんがこういう形で次期を引き継ぐことになったのも。
大和さんの責任ではない。

私たちは楽しかった。しあわせだった。

それとは全く別問題として。

『ロバみみ』さんで貴城茶のご報告を読ませていただいて、私は泣いた。
http://robawan.blog42.fc2.com/blog-entry-1815.html

お茶会ではっきりと口にされた、大和さん自身の言葉。
「今は、かしげさんやるいちゃんをきちんとお見送りすることを考えています。
先のことは、そのとき考えればいいことであって」

まず、「かしげさんを尊敬しています」、と。

そして、そう仰った。

大和さんのファンとして、その言葉の重みを受け止めたい。

私のお茶会報告は先になります。
今回の大和茶に参加してくださった緑野さんが、報告をUPされていますので、そちらをどぞ。
http://diarynote.jp/d/22804/20061202

や、私は緑野さんとは見えかた違うけど。所詮、大和煮えだから(笑)。
そう、大和煮えだからこそ……。ね。


今、かしちゃんがいてくれるこの時間を、大切にしたいのだ。
坂本竜馬は、自由な心で誰の懐にも飛び込んでいった。
その言葉と人懐っこい笑顔に、誰もが心を開いた。
そして、人が動いた。
そして、国が動いた。

自由な心と、人懐っこい笑顔。
誰もが愛さずにはいられなくなる人。
それはまさしく、貴城けいだ。
坂本竜馬は、貴城けいだ。

かしちゃん、初日おめでとうございます。
2006年11月3日、貴城宙組の幕が上がった。
新生宙組の夜明け。

とにかく、美しい。
鮮やかな宙色の着物、これも鮮やかな赤い一輪の山茶花をくわえ、息を呑むほどに美しいあなたの姿。

俺は信じる 自分の夢を
今 嵐の雄叫びを聞け

私は確かに、あなたの雄叫びを聞いた。

ショーが始まる。
真ん中にいることが当然である人。
当たり前に真ん中にいて、当たり前に大劇場の空間を自分のモノにしている。
あなたは「真ん中にいるべき人」だ。
真ん中にいてこそ、真の魅力が存分に生きる人なのだ。

今、そこに立つあなたの姿を目の当たりにできる私たちは、本当に本当にしあわせだ。

だから、驚いた。

サヨナラ 口にしてみる
サヨナラ そっと言ってみる

ありがとう 心からありがとう
ありがとう いつもいてくれたね

今 私は虹色の空に立つ
全てみな輝いて 愛に包まれている
心をここに残して

なぜ、あなたはサヨナラの言葉を口にするのか。
なぜ、あなたはそんな優しい顔でありがとうと言うのか。

これは、サヨナラ公演なんだ。
まぎれもなく。
貴城けいの、お披露目でサヨナラ公演なんだ。
あらためて思い知った。
だからサヨナラと、あなたは言うのか。
そんなに美しい姿で、そこまで真ん中の魅力を見せつけて。

そして、なお。
サヨナラと、あなたは言うのか。

痛哭の思いが、胸を刺す。

だけど、あなたはやっぱり優しい顔で笑っているから。
私も笑顔でいよう。

あなたと、あなたの素敵な相手役さんと、あなたの素敵な宙組の仲間たちに、私が言おう。

ありがとう 心からありがとう
ありがとう いつもいてくれたね

貴城けいの宙組と、私は共に歩く。

ありがとう 心からありがとう
ありがとう いつもいてくれるね


でね〜。
「いてくれた」と書いてみたけど、実は「いててくれた」。
や、確かにそう聞こえるけどお。「いつもいててくれたね」ってえ?!
絶対テキに受け入れられないわあ。
実は「言ってて」なんだろうか。や、「いつも言っててくれたね」も変ですけどね。
「いててくれた」?「いてて」?単純にキモチワルイんですが。
関西弁なのだろーか。なんで突然、関西弁?
それとも、なにか深い意味があるの?私が無知なの?え、古語か?
「居てて」?「射てて」?「凍てて」?

なぞです。
9月16日、貴城けいコンサート『I have a dream』サンシャイン劇場初日、いってまいりました。

……なんのブラックジョークかと思った。
一幕。次々に現れては散っていく、志半ばにして生涯を終えた歴史上の人物たち。
それでも彼らは夢を持って生きた、生きようとした。
言いたいことは解らなくもないけど、や、それにしても(ぽか〜ん)。
とほほな構成、とほほなセット、中村暁出てこいっ!(怒)
だけどね。

かしちゃんがキラキラ輝いているから、るいちゃんの笑顔がしあわせそうだから。
それがすべてだ。

二幕。一幕に散った人たちの志を受け継いだかしちゃんが、その夢と愛を歌い上げていく。
その演出意図が成功しているかどうかは別として。
別としてね。

かしちゃんがキラキラ輝いているから、るいちゃんの笑顔がしあわせそうだから。
それがすべてだ。

「まだまだ終わりはこないのだ!」
これ、言わずと知れた『Across』千秋楽、場所も同じくサンシャインでの、わたるさんの名言だけど。
かしちゃんは走り続けている。そう、まだまだ終わりはこないのだ。今は道の途中だ。

かしちゃんの夢は志半ばでは終わらない。かしちゃんが終わらせないに決まっている。ゴールの日まで。私は泣かない。

走り続けるかしちゃんと、一緒に走るかしちゃんファンの、さらにその後ろからだけど。
私も走ろう。私は泣かない。
まだまだ終わりはこないのだから。

「伝えたいことは」

何回も続いたカーテンコールの、最後にかしちゃんは言った。

「私も人間ですので(笑)、弱いときもあります。
皆さんが思っているような……そんなに私、強くないです」

「でも、みんながいてくれてっ!みんながいてくれてっ!!」
かしちゃんはすっごい大きな声で、「みんなが!」って2回叫んだ。

「今、前に向かって、夢に向かって進んでいける」

「勇気をみんなからいただきました!」

違うよ、前に進む勇気を私たちにくれたのは、かしちゃんあなただよ。

私も進もう。私は泣かない。
かしちゃんの夢に、まだまだ終わりはこないのだから。


あ、緑野さん。私、みっちゃんのドリアン・グレイで観てみたかったですけど。だってえ、どんな力業になるのかと(笑)。
わんさんに続け!!
http://robawan.blog42.fc2.com/blog-entry-1437.html


博多は不思議な空間だった。
私にとって、そこは見知らぬ街。
仕事や、周囲の人間や。とにかくすべての日常から切り離された場所。
ひたすら劇場にだけ通い続けた時間。

私の場合、東宝でそれは不可能だ。
あの場所に行っても、終演とともに現実に戻らなければならない。
シンデレラと一緒。ウチに帰れば、夢から醒める。
だけど、私のところに王子さまは迎えにこない。
夢は、いつも醒めてしまう。

生きてゆくことは大変だ。
どんなに夢に浸っていても、そのあとには現実が待っている。
瑣末なことの積み重ねでしかない、日常が。

それを否定しているわけでは、決してないのだけれど。
瑣末なことを積み重ねて、私は生きているのだから。
そして、たまゆらの夢を見るために、私は劇場に行くのだから。

ムラでも、夢はなかなか続かない。
電車乗って遠くのホテルまで戻るあいだに、なんとなく現実に足を踏み入れちゃう、そんな感じ。
(あ、宝ホとか近場に泊まればいーのか!)(高いんだよ!)(お金ないんだよ!)

劇場と、劇場の目の前のホテルと。
博多座の日々は、それだけだった。
博多にそれしかないって言ってるんじゃない。
博多座の日々は、それしかなかったんだ。

夢から醒めないうちに、また次の夢を見る。
目覚めてから眠りにつくまで、ふわふわと夢のなかを漂い続けているような。
そんな感覚。
そんな日々。

しあわせだった。
しあわせで、しあわせで……恐かった。

博多から、どりーずのみんなに報告した。

最初は
>しあわせです。ほんとうにしーあーわーせー!
>脳がとろけそうなぐらいしーあーわーせー!
って。

次に
>でも、現実感がないというか。
って。

こんなに夢ばっか続くわけないじゃん。
しあわせで、しあわせで……恐かった。

私は基本大和煮えなんで、この夢は、やっぱり基本大和悠河を通して見ていたのだと思う。正直言って。

でも、そこにはいつもかしちゃんがいて。
そして、そこにはいつもるいちゃんがいて。
ふたりはすげーお似合いで。
きらきらきらきら輝いていて。
新しい宙組は、愛と希望に満ち満ちていて。
言葉にすると安っぽいけど、ほんとうに愛と希望に満ち満ちていて。
だから宝塚で、だからあの夢の空間があった。

かしちゃんとるいちゃんという、すげーステキなトップコンビがいてくれて。
だからこそ、あの夢の空間があった。

あの空間を創ってくれた2人が愛おしい。

こんなに夢ばっか続くわけないじゃん。
しあわせで、しあわせで……恐かった。恐かったけど。

まさか、こんな想像もしない方向からブチ壊されるとは、思ってもみなかった。

それでも私は、きっとかしちゃんやるいちゃんピュアファンの人たちのほんとうの気持ちは、所詮理解できないのだと思う(→「最後の文句。に、したいと思う」9月8日)。
オマエに言われたくないと思っているピュアファンのかたも、きっといらっしゃるだろう。

グチグチ言うのはやめよう。
とにかく、貴城宙組応援宣言!!
かしちゃんとるいちゃんが見せてくれる新しい夢を、応援するっ!!

えーと。日記も通常営業に戻さねば。

・『TCAスペシャル2006ワンダフル・ドリーマーズ〜人は夢見る〜』大劇場・その1 →そのまま放置中
・大和悠河博多座お茶会・その1→そのまま放置中

だから、えーとえーと……その2……。
書きますわっ。

や、待て自分。まずは。
・『NEVER SAY GOODBYE-ある愛の軌跡-』大劇場千秋楽→いまだ手もつけず

はは、は……ははは……とほほ……。
(それでもまだ書く気でいる)(ニーズが無いものを書いてナンボのジュンタなんだい)(開き直り)

これからはもう少し更新はさくさくと。たっ、たぶん。


だからとにかく、貴城宙組応援宣言!!

『竜馬伝/ザ・クラシック』も、絶対絶対絶対、かっこよくて美しくて、明るくて、ぶっちぎりに楽しい公演になりますように。

『強いぞ!』は、貴城けい率いる宙組を全面的に応援します(・∀・)ノ
(また『ロバみみ』さんをまるっとパクって去る)(2回目)(でも本気!)(ささささ〜〜退場〜〜)

(……そして帰ってくる)(思い出した、1回目のパクり)
わんさん、このネタけっこー好きだったんだけど。
http://diarynote.jp/d/73628/20060429
谷歌は結局、どーなったんでつか?(●▽●)<ぐーげー
新譜(DVD・CD)のご案内 2006年10月20日発売分(2006/09/08)

宝塚クリエイティブアーツでは、2006年発売10月20日分に次の商品の発売を予定しております。

○宙組博多座公演『コパカバーナ』(DVD)
コパカバーナにのせて繰り広げられる、バリー・マニロウのミュージカル・コメディ、話題の続演!宙組新主演コンビ、貴城・紫城のお披露目公演!!
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そーいうことらしーんですけどね……。

どの面下げて
>宙組新主演コンビ、貴城・紫城のお披露目公演!!
ってコピー入れられるんだか。

そして、さらに。

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特典映像
(1)稽古風景
(2)千秋楽ダイジェスト(アドリブ・挨拶・アンコール風景)
(3)スペシャル映像として「HAKATA’S Ad lib(8月16日12:00公演より)」を収録
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スカステニュースの千秋楽映像では、スティーヴンがサマンサに指輪を贈る場面は流れなかったんです。ついでに言うと、日々ご当地アドリブを繰り広げていた、現代のリコとコンチータの場面も流れなかったし。
千秋楽アドリブで「おいしい」と思われる場面は、全然流してないの。
つまり、「おいしいところはDVDでどうぞ」っていうことなんですね。

最初から、それは解っていました。
だけどね。本当に見て欲しいの。
スティーヴンがサマンサに、かしちゃんがるいちゃんに、指輪を贈ったあの場面。
DVDを買う人だけではなく、もっともっと多くの人に……。

DVD用の映像撮りが入ったのは、8月16日16:30公演のはずです。
この先スカステで作品が放映されるとして、その映像化されるものが、ですよね?
千秋楽のあの場面は、DVDを買った人だけしか見られないのでしょーか?

商魂逞しいわ……やりきれない。

そして、もうひとつ私がやりきれない思いになったこと。
モバタカの新着情報です。

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宙組主演男役 貴城けい 退団記者会見(2006/09/07)
サンケイリビング新聞社主催「宙組トップスター トーク・ライヴ」(2006/09/07)
貴城けいコンサート『I have a dream』について(追)(2006/09/07)
宙組主演娘役 紫城るい 退団のお知らせ(2006/09/06)
宙組主演男役 貴城けい 退団のお知らせ(2006/09/05)
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これに並べて、書いてあったのさ。

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植田紳爾演出家50周年記念スペシャル『夢のメモランダム』−植田紳爾・魂(こころ)の軌跡−について(2006/09/04)
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はあ?

「魂」と書いて、「こころ」ですか(ぽか〜ん)。

や、別に植爺がかしちゃんを退団に追い込んだとか、そう思っているわけではないです。
ただ、これらを平然と並べる劇団の無神経さに、こんなイベントで観客を釣ろうという劇団の商魂逞しさに、心の奥底からやりきれなさを覚えたんですよ。

携帯をね、その辺に投げつけてやりたい衝動にかられたけど、かろうじて押さえました。
『甘い生活。』のパクさんは、枕に投げつけたらしーけど。
http://pakkun.seesaa.net/article/23466866.html
でも、パクさんは「携帯をへし折りたい衝動にかられ」たのを、「枕に投げつけるだけにとどめた」んだから、大人……かもしれない。

魂だかこころだか知らないけどね、植爺を讃えるんだかなんだか馬鹿げた話なんだけどね、こんなもん観るもんかと思ったとしても。

>私たちが何をしようが、劇団は痛くもかゆくもないんだ。
>どうやったって、責任を帰すところは生徒たちなんだ。

パクさんの仰る通りです。
本当にやりきれない。くやしい。

そして、その記事につけられていたかしちゃんファンさんのコメントを読んだとき。
殴られたような衝撃を受けたのです。
今度こそ泣きじゃくりました。

>渦中の?かしげファンなんですが、植田センセのイベントに出るのは嫌ではないんです。
>どっちかと言うと嬉しいのかも。
>単に「トップとしてのお仕事が1つ増えた」と言う嬉しさです。

退団発表があって、怒り、悲しみ、くやしさ、やりきれなさ。
いろんな思いが渦巻いて、ジュンタ・クオリティ(更新はグダグダに!をモットー?としております)を無視し、すげータイムリーに日記をアップしたわけです。

でも。

自分はこの、かしちゃんファンさんの思いにはいたらなかったのです。それに気づくことができなかったのです。
所詮、ピュアかしファンではない。だから劇団がどーのこーのとわめいているけれど。

ただ、かしちゃんを見つめていたい、トップとしての仕事をひとつでも多くして欲しい、残された時間を一緒に走っていきたいという、純粋な視点。まったく欠けていました。

パクさんの記事「とめどもなく」にも、かしちゃんファンさんのコメントにも。
多くのことを教えていただきました。ありがとうございます。

って、ここでお礼言って伝わるのか?!

私もね、かしちゃんとるいちゃんの宙組を、思いっきり目に、心に、焼きつける。
これに専念しよう、と。

気持ちを切り替えていきたいです。

そして私は、オクに手を出してでも『植田紳爾・魂(こころ)の軌跡』とやらを必ずや観るであろう……に、100万シンディ。ちっ。 
スティーヴンはそう言って、ポケットから小箱を取り出した。
愛おしそうに妻を見つめる、優しい瞳。
サマンサの頬が、みるみるうちに上気していく。
そしてスティーヴンは小箱を開け、指輪をサマンサの薬指にそっとはめた。


さっさと書いちゃえばよかった。
『コパカバーナ』博多座千秋楽。
いろんなアドリブが飛び出して、すっごい楽しい千秋楽だったんだけど。
いつものよーに更新グダグダしてるうちに、あちこちで報告上がってしまったから。まあ、ジュンタ・クオリティでゆっくり書こうかと。
ほんとにさっさと書いちゃえばよかった。今書くと、あの場面違っちゃうって。

千秋楽の何に感動したって、そりゃあ最後の指輪です。
いつもの台詞は「結婚5周年おめでとう」。そのあとに続けられた、この日誕生日だったるいちゃんへの、かしちゃんのアドリブ。
それを言うかしちゃんの顔が、それはそれは優しくって、かっこよくってねえ。
正しく王子さま!
それを聞くるいちゃんの顔が、「ああ、女の子ってしあわせなときにこんな顔をするんだ!」って見本みたいでねえ。
ぽわ〜っとのぼせて、涙目になっちゃって。
そりゃそうだよね、自分がトップ娘役になって、そのお披露目公演の千秋楽が誕生日で、ダーリンにサプライズで指輪を贈られてみ。しあわせでしあわせで泣いちゃうよお。
客席の私たちも、しあわせでしあわせでうるうるしちゃって。
あの場面、一生忘れられないね。みんなでそう言っていたの。

『コパカバーナ』のキモは、ローラを捜す、ローラと呼び合うスティーヴンにあると、私は思っている。
スティーヴンのシンセサイザーがローラを生み、トニーを生む。そして彼らは愛し合う。
窮地に陥ったローラは愛するトニーを思い、彼の名を呼ぶ。ローラを捜すトニー、そこにスティーヴンが重なってくる。
トニーとローラ、スティーヴンとサマンサ。それは名前を超え、時空を超えて。
存在するのは、お互いを愛し求め、呼び合う男と女。
その愛でトニーはローラを救い、その愛でふたたびスティーヴンがサマンサに辿りつく。
あの千秋楽に、トニーとローラ、スティーヴンとサマンサ、さらには貴城けいと紫城るい。すべてを超え、呼び合う男と女をそこに見た。
辿りつくべき相手を見つけ出した、美しい2人の幸福な未来に、私たちは酔った。

美しい夢だと思っていたの。真っ白な夢だと思っていたの。
新しい宙組を、何も知らない私たちは夢見たんだって。

あのとき、2人の中でカウントダウンはとっくに始まっていたんだ……。

そして、来年の今日の誕生日には、もうお互いこの場所にいないということ……。

指輪にこめられた、もっと重い意味が解ってしまった今。
あの場面を思い出すだけで、泣けてくる。

昨日のかしちゃん退団発表の時点で、恐らくるいちゃんも同時だろうと予想はついた。
でも、現実に発表になってみると、本当に辛く悲しい。

最初から、すべて台本は出来ていたのだ。

かしちゃんもるいちゃんも、特にるいちゃんは公演中にすごく痩せてしまった。
それはトップお披露目のプレッシャーでかと思っていたけれど、彼らはもっともっと多くの思いを抱えて、あの公演を務めていたのだ。
何故、そんな思いをさせる?
誰が何のために、彼らにそんな思いをさせるんだ?

どんなに最低でも2作。
1作トップなんて、絶対にダメだ。

千秋楽最後のご挨拶で、流れ落ちそうになる涙をグっとこらえて下を向き、次に顔を上げたときはパーンと弾けた笑顔を見せてくれたかしちゃん。
終始うるうるしていたけれど、でも笑顔だったるいちゃん。

新生宙組の未来に酔う観客の前で、何も言わず、何も言えず。

むしろ、ボロ泣きなんかできなかったのかもしれない。意地でも。

月組東宝千秋楽の翌日には、大勢の月組子が博多座に来てくれた。
あさこちゃんやゆーひちゃんは、このことを知っていたのだろうか。
前楽は雪組組長のナガさんが来てくれた。かしちゃん、すっごく嬉しそうだった。
ナガさんは知っていたのだろうか。
知っていたとすればそれはそれで、知らなかったなら今。
どんなに苦しい気持ちだろうか。
退団した元雪組子のキブナオちゃんたち、私、真後ろの席で観たんだ。
「きゃあ、かしげさあん!かっこいい〜!楽しい〜!」って大騒ぎしていたよ。

多くの弊害を生むことが明らかなのに、また1作トップという悪道を作る劇団の本意がまったく理解できない。怒りだけがこみあげる。

私たちにできることは、2人のお披露目サヨナラ公演を心から応援すること。

そう解っていても、切り替えるには私はまだ時間がかかりそうだ。
博多座でのかしちゃんを思い出して、泣いた。

「これからも宙組をよろしくお願いしまあす!!」
ニコニコと、何度も何度も「宙組」って叫んでいたかしちゃんを思い出して、泣いた。
「はるか〜!はるか〜!イエーィ!!」
千秋楽で退める子を真ん中に引っ張り出して、何度も何度も彼女の名前を叫んでいたかしちゃんを思い出して、泣いた。

あのとき、かしちゃんは次の公演で自分が退めるって分かっていた……わけだよね。
そんなことって。

今日は花組『ファントム』新人公演の日だった。
仕事を終え、東宝に向かう電車の中でメールチェックすると、友人からその一報が入っていた。
……嘘だ。
慌てて公式を見にいった。

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2006/09/05
宙組主演男役 貴城けい 退団のお知らせ

宙組主演男役 貴城けいが2007年2月12日の東京宝塚劇場公演NTT東日本・NTT西日本フレッツシアター『維新回天・竜馬伝!』『ザ・クラシック』の千秋楽をもって退団することになりましたのでお知らせいたします。
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携帯を持つ手がガクガクと震えた。
電車の中で、私はただ泣き続けていた。

新公終演後にドリーさんと食事をしながら、そこでも涙を流してしまった。
「かしちゃんトップの初日を絶対に観たい!」、そう言って博多に遠征した、かしちゃん大好き緑野さんの顔が浮かんできた。
「かしちゃん違和感ない、いいですねっ!」、博多座のロビーで嬉しそうに話していた、熱烈宙組ファンデイジーちゃんの顔が浮かんできた。
「新生宙組の並び、凄い綺麗!これから楽しみ!」、博多で、TCAで語り合った、kineさんの顔が浮かんできた。
そして。かしちゃんファンの人たちの思いは。

「スターだ!かしげさんは私たちの最新の、もっとも輝かしいスターだ!」

博多座千秋楽の日、そう誇らしく声を掛けていた、かしちゃんファンの人たち。
自分の愛する人がトップに立って、キラキラとしたしあわせに満ちていた、たくさんのたくさんのあの顔。

笑顔でそれに答えていた、最新の輝かしいトップスター、貴城けい。

みんなが傷つくことでしかない、今回の発表。
何故、劇団はこんなことをするのか。

許せないし、許さない。

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