新年1月2日。大和悠河主演『不滅の恋人たちへ』、初日の幕が開ける。

1週間以上にわたるこの公演をすべて観るのは、遠征組の私には難しい。初日をとるか、千秋楽をとるか。
迷いに迷って、最終的に千秋楽をとった。後半の全公演、千秋楽までのチケットを揃え、初日はおとなしく家にいようと思っていた。いたのだが。

タニぃに逢いたいっ!

1月2日の朝。
目覚めた私が思ったのは、ただそれだけだった。
タニぃに逢いたい。初日を見届けたい。観なければダメだ。
ただそれだけだった。

今から新幹線に乗れば、開演には間に合う。しかし、チケットは無い。完売している。
だが、どうにかなるかもしれない。ギリギリで手に入る可能性は残っている。
いや、手に入らなかったとしても。
「行っておけばよかった、観られたかもしれないのに」という後悔に比べたら、「せっかく行ったのに観られなかった」という後悔などは、痛みのうちに入らない。

そして私は、新幹線に飛び乗った。

劇場についたのは、開演1時間半前だった。
……お話にならないほど、サバキ待ちの人がいた。バウ待ちと、大劇場のコムカル待ちと。
そうか、全国的に今日は正月休みなんだ。なんてこった。
とりあえず、地元民の緑野さんとnanakoさんにメールした。

>新幹線乗っちまいました(笑)。や、笑いごとぢゃない、チケ出てない。

nanakoさんは、今すぐムラに向かうって言ってくれた。ありがとう、でも来てくれてもチケ無いし。私はとにかく開演まで頑張ってみる。

粘りに粘って1時間半。玉砕。
でもね。nanakoさん、ほんとにムラまで来てくれたんだよ。あーりーがーとおお!(涙)
コーヒーを飲みながら、2人でえんえんと喋りたおし。ゆみこちゃんのこと、タニぃのこと、宝塚のこと。
夜になって梅田に移動、緑野さんも合流してくれた。
中華を食べながら、3人でえんえんと喋りたおし。まっつのこと、ゆみこちゃんのこと、タニぃのこと、宝塚のこと。
「恐れ入ります、閉店のお時間となっておりますが」
気がつけば、客は私たち以外誰もいなかった。私たちのテーブルを残し、アルバイトのおねいさんは店内清掃中。なんてこった。
「ジュンタさん、今晩ウチ泊まっていきなよ。明日ならチケ出るかもしれないし」
こんなありがたいお言葉をいただき、私はnanakoさんの家にずーずーしく上がりこんだ。
スカステを見ながら、2人でえんえんと喋りたおし。ゆみこちゃんのこと、タニぃのこと、宝塚のこと。
よし!明日は頑張るぞ!

翌3日。ムラに着いた私は泣きそうになった。
……昨日よりチケットを待つ人数が増えているではないか。なんてこった。
私のサバキ待ちに付き合ってくれる心優しいnanakoさんと、二手に分かれて粘った。が、チケット出ない、1枚も出ないんだよこれが。
開演15分前頃かな。花の道をkineさんが歩いてきた。kineさんと緑野さんは、今日は『ベルばら』観劇なのだ。
「いやー、あけましておめでとう!」花の道で抱き合う私たち。てか、kineさん。関東人の私がここにいることに、もっと驚いてください。そーね、仲間にはどーせ来るって見抜かれていたから、誰も驚いてくれないのね(自嘲)。
そして、緑野さんも到着。「えー、今日も厳しいの?タニちゃん、人気だねえ」
そう、そうなんでつよ、(●▽●)は人気者でつからね!えっへん!
て、いばってる場合ではない。開演を過ぎてもしばらく粘ったが、諦めてnanakoさんとフルールへ。
たこ焼きを食べながら、2人でえんえんと喋りたおし。ゆみこちゃんのこと、タニぃのこと、宝塚のこと。

nanakoさんが立ち上がった。
「ジュンタさん、行こう。夜の部、探そう」

バウ昼の部を観終わった人たちが、階段を降りてきた。
しばらくして。
私と離れて立っていてくれたnanakoさんが、叫びながらこちらに飛んでくる。
「ジュンタさんっっ!!」

気が狂うほどに思い焦がれていた、『不滅の恋人たちへ』。
1月3日夜の部のチケットが、その手にあった。

大劇場から出てきたkineさんも、緑野さんも、自分のことのように喜んでくれている。
「よかったね、よかったね!しっかりタニちゃん観てくるんだよ!」

幸せだった。
友だちがいてくれて。一緒にご飯を食べてくれて。えんえんと喋りたおしに付き合ってくれて。サバキ待ちにまでも付き合ってくれて。チケットが手に入ったことをこんなにも喜んでくれて。

幸せだった。ほんとうに幸せだった。
これだけの幸せを、友だちからもらえて。
たとえ公演を観られなかったとしても、新幹線に飛び乗ったことを、私は心の奥底から正しかったと叫ぶことができる。

私は幸せだ。

そのうえ、チケットは。
手に入った。

あ、nanakoさんはね、とっても優しい顔をした可愛い人なの。こーゆー人はサバキの声をかけられる確立が高いんだろーな。
私なんかもともと人相悪いし、しかも「チケチケチケチケ」ってぎらぎらした目つきして立ってちゃいけませんて。
可愛いnanakoさんに感謝いたします。ありがとう、ほんとうにありがとうございます。

では、これからタニぃに逢いにいってきますっ!

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