まずは、たかちゃんが元気な姿で劇場に戻ってきてくれたことに、感謝を。
大きな羽根を背負って舞台に立ってくれたことに、感謝を。

で。
イケコ、時間切れかよ?

うーん、不満たらたらです。

行ってまいりました、宙『NEVER SAY GOODBYE』。
初日と翌日、計3公演観てきました。
今回は夜行バスでの旅。行きは緑野さん、ドリーさんとご一緒させていただきました。
え?なんで緑野さんが東京にいたのかって?
月『THE LAST PARTY』@芸劇を観に、わざわざ日帰りでいらっさったのですよ。
ええ、宙『THE LAST PARTY』@青年館のときは、私の必死の誘いをにっこり笑顔でお断りになられたのに。しくしく。
そして緑野さんもドリーさんも、ムラ行きの目的は花『スカウト』@バウ初日なの。しくしく。
いいのよ!宙初日には「み」さんが駆けつけてくださるわっ。え、えーと、タニぃ目当てぢゃなく、たかハナファンとして。しくしく。

劇場に入ると、ロビーにフランク・ワイルドホーン氏発見!
サインを貰おうと、早速プログラムを買い行列に並びましたよ。
そして、そのあと落ちあった「み」さんの手にも、しっかりワイルドホーン氏サイン入りプログラムは握られていたのでしたわ。ああ、なんてミーハー(死語)な私たち。

でね。
これねー。
1本立てで2幕使って演るよーな話ですか?
せいぜい1時間半で終わる程度の中身、バウで充分な感じ。
政治が絡んでよーが、メッセージ色が強かろーが、それはいーんだけど。どんな場であろうと、エンタメにすることは可能だと思うし。
ぢゃなくて書き込みが足りない、時間切れとしか思えないんですが。
よーは「男と女が出会いました」「別れました」以上。
1幕で出会って、2幕に入ってバタバタ終結させちゃって、はいおしまい。
えええええ。
何故、人がその行動に出るのか。それには「心」が必要なのに、それが曖昧だから退屈な話になっちゃってる。
ジョルジュ@たかちゃんぐらいしか、まともに書かれてないんぢゃないだろーか。
キャサリン@ハナちゃんですら、曖昧なんだもん。
それでも、「この愛だけは真実」と歌うハナちゃんは紛うことなくヒロイン。これはもう、ハナちゃんの力業。
だけど、それでいーのか?

とにかくねっ!!!
ヴィセント@タニぃ。
ひーどーいーよーーー!!(つまりそれが不満なんだよこの人)
私は、まず作品ありきだから。
どんなにタニぃがかっこよくても、作品や役に思い入れられないと、どーにも入り込めないの。
や、タニぃはかっこいーです、マタドール姿もばっちり決まってるし、民兵になってからもそれはそれは凛々しいです。
彼は人民軍センチュリア・オリンピアーダのリーダー的存在。
だけどね、このリーダーったらどーにも度量が狭い男で。
タニぃのせいぢゃない、脚本のせいです。
煮詰まってくると、全部人のせい。
スペインに残って共に戦う外国人戦士たちを「所詮、外国人」呼ばわりする。それ言うか、言ったらお終いでしょ。
ジョルジュに「お前の説教はもう聞き飽きた、お前は写真を撮ってるだけだろ」とがなりたてる。ジョルジュは写真を撮ることで自分たちと同じ物を見てきた仲間でしょ、何を言い出すんだ(ちなみにここのタニオカ歌唱は正に「がなる」でトホホです、そこが好きだけどっ)。
なのに、返すジョルジュの歌で、あっさり改心。「仲間!」、早っ。
と思えばそのあと、自白剤を飲まされて仲間を裏切らざるをえなかったタリック@ちぎに酷い言葉を吐く。最終的に助けるんだけど、それにしても最初の言葉で、いかに彼の人間が小さいかバレバレ。
最初からそーいう狡い人間として書かれてるなら、別にいーの。
どーやらこの男、リーダー定義らしーから。
そのくせ、器が小さい。生きかたに筋が通ってない。その場その場なんだもん。
仲間からの信頼も見えない。
いったい何を持ってリーダーなのか。
人民軍のなかでいちばん目立つ立ち位置で、いちばん歌と台詞が多いから。それだけ。
こんなん嫌だい。ぐずぐず。
センチュリア・オリンピアーダはすっしー、ともち、いりす、七帆、和、ちぎ。それのリーダーと言えば、ジプシー軍団のリーダーパリアさま@『炎にくちづけを』と被るんだけど。

人格、天と地の差だからっ!!!

頼む、一緒にしないでくれっ!!!

パリアさまは神だからっ。彼は、その生きざまが正しくリーダーだからっ。
ああ、パリアさま!うわあああああん。
ヴィセントは小物です。あんなんリーダーぢゃないやいっ!うわあああああん。

しかしですね。
何故、ヴィセントがリーダーとして成立しているか。
「いちばん目立つ立ち位置で、いちばん歌と台詞が多いから」と言っておいて、矛盾しますが。
いえ、脚本上はそうなんですよ、それだけの男なんですよ。

何故、ヴィセントがリーダーとして成立しているか。

大和悠河の光です。

タニぃがぐあんぐあん発光してるから、観客は「あの人がリーダー」と納得させられる。
よく考えるとたいしたことしてないもんよ、ヴィセント。
タニぃだから、リーダーとして成り立たせてしまう。
他の人にはできない、あの役。絶対に埋もれます。
その存在が他を引き離す大和悠河だからこそ、ヴィセントをリーダーに引き上げることが可能なわけです。

大和悠河ばんざいっ。

にしても、はっきり言っていなくてもいーよーな役なんだよ、ぶつぶつぶつぶつ。
そもそも闘牛士である必要まるでないし。スペインが舞台で、ひとりぐらい派手な格好した人がいたらいーか、てなもの。タニぃにマタドールの衣装着せてみたかったんだよね、イケコ。
主人公たちとの出会いの設定が「マタドールが映画に出る」って、それでハリウッドでって、なんてお手軽なんだい。
で、ただの「主人公の仲間その1」だもんよ、ぶつぶつぶつぶつ。
終演後、「み」さんにそう文句言ったら、「タニちゃんの役でそんなこと言ってたら、他の人はどーなるんですか!」って怒られましたけどね。
「カメラ返す人、いなくなるでしょ」とかね。だってえ、カメラなんか誰が返したっていーじゃんか、ぶつぶつぶつぶつ。
いちおージョルジュの親友ってことになってるけど、彼らの間にある信頼関係なんか何も書かれてませんって。
ジョルジュが自分の命でもあるカメラを託す器の男ぢゃないもん、ヴィセント。それだけの言動、ないもん。
だから、誰がカメラ返したっていーってこと。
それでもヴィセントに不満を言うのは贅沢ってぐらい、他にまともな役ないです。
周りが動く背景なところだけは、大作感あるわねー(嫌味)。
歌ソロなんかは各々振られてるけど、それだけ。心が見えない役ばっか。
よくできた小品なら、もっと周りの役も、愛を持って書き込んであるわよっ。
や、それは小品とか大作とか、別に関係ないけど。
でも、大味なところも、ある種の大作感なのかしら(嫌味)。

アギラール@あひちゃんは目立つ役です。ヴィセントいなくてもこの芝居は成立するけど、アギラールはいなくちゃダメ。
でもね、目立つ役ではあるんだけど、美味しいと言っていーのか。
これもあひちゃんのせいぢゃない、脚本のせいです。
彼の心が描かれてない。ただ、主人公にとって障害となる行動をする人。邪魔者がいないと話が転ばないから、そのためにだけいる悪役。
キャサリンのことを好きだったらしいけど、いつからよ?
その辺も中途半端なままで、最後の消されかたもどーにもお手軽。
このキャサリンへの思いとかね、アギラールの心がもっと書き込んであれば、これは2番手の役になるはずです。それぐらい美味しくなりえる役なのに、もったいない。

マンリーコに対するルーナ伯爵ぐらいの物になりえるよーな役なのですよっ!

(と、『炎』ヲタは思うわけ)(ジョルジュ+ヴィセント対アギラール=マンリーコ+パリアさま対ルーナなの、構図は)(それだけにヴィセントがパリアさまの足下にも及ばない器の小さい人間なのが許せないのさ)(結局そこかい)

それでもとにかく目立つ役で、歌も多いし、主人公に正面から対立するし。
宙組といえば、毎度お馴染み動く背景。組内3番手のあひちゃんだって、こんな場が与えられることは初めてですよね。

ええ。子犬のよーでした、初日のあひちゃん。
すっごい緊張してたんだろーな。頑張れあひっ!こっちが手に汗にぎってしまうガチガチっぷり。
台詞は上ずり、歌も本来上手い人なのに、高音ことごとく声ひっくり返しちゃってね。
デカい身体の骨太な外見、ハートは子犬な悪役。

かっわっいいい!んですけどっ(ハァハァ)

これは母性本能をくすぐる素晴らしい役づくりです!や、役として正しいかは別として。
あひファン急増ぢゃないですか?マジで。
愛しい、あひが愛しい(ハァハァ)。
そして、ここから緊張がとれて正しく悪役として生きてくれれば。書かれていないアギラールの心を、あひちゃんの芝居で埋めていけば。
組替の前に遼河はるひここにあり!を見せて欲しいし、見せてくれるだけの力がある人だと思うので、千秋楽までの変化を楽しみにしています。
えーと、今の子犬のよーなあひちゃんも堪らなくツボなんで、そのままでもいーんだけどね私テキには。

で、ヴィセントには文句たらたらの私でしたが、2日目。
大和悠河好き、好き好き好き、大好き!!!と叫んじゃったのですね。

はい。所詮、ファンなのです(ぽっ)。
はい。大和悠河を愛しているのです(ぽっ)。

あんなんリーダーぢゃないのにね。
正しくリーダーとして成立させてしまう大和悠河にめろめろですわ。

あーあ、2日のうち1回は花バウ観ようと思ってたのに。
結局、大和悠河に殺られてしまった。
ええいつものことですがはいそーですが。

えーと、まず作品ありき……とりあえず撤回。早っ。

ということで、2日目の壊れっぷりはまた後日(あ、別に誰も聞きたくないか)(笑)。

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