しあわせのペンライト@湖月わたる大劇場千秋楽・その2
2006年9月19日 星組これから書こうとしていることが果たして文字で、そして私の文章で伝わるのか、かなり不安である。
ではあるが、一応書いてみる。
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ご観劇の皆さまへ
ご観劇いただきありがとうございます。
このペンライトはサヨナラショーの『王家に捧ぐ歌』が始まりましたら点灯していただき
曲に合わせてお振りくださいますようお願いいたします。
湖月わたる
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最初に「湖月わたる大劇場千秋楽・その1」をあげてしまったので「千秋楽・その2」なんだけど、これは9月17日前楽の話(すみません)。
開演前に配られたペンライトについているその紙を見ただけで、すでに私は泣きそうになっていた。
やるよね。サヨナラショーで恐らく、いや必ず『王家』はやるだろう。
分かっていたのに、文字で見るとダメ。
「ふえええん、『王家』だ……」
わたるさんの星組が大好きだ。
わたるさんのこの組を、熱いこの組を見続けてきたつもりだ。そして今、ひとつの時代が終わろうとしている。
その時代の幕開きは『王家に捧ぐ歌』だったわけで。
ほんとうに好きな作品だ。私を星組にハメた舞台だ。
通ったんだよう。
サヨナラショーは、最初から涙腺ブっちぎれ。人一倍涙腺が脆弱にできている私、泣くなと言われても無理。
オトコマエなわたるさんと、オトコマエな星男たちと、なぜかオトコマエな星娘たちと。
今、いちばんソーランが似合うであろう星組子たちの熱き魂に、ボロっボロ泣けた。
宙組時代の曲は、この1曲。あとはすべてわたる星組トップ時代の曲で構成。
全部、ソラで歌える。当たり前だ、これでも星担(もしくは「単に星組が好きな人」)ですから。
べーべー泣くうちに、サヨナラショーも中盤。
あのイントロが流れる。
あ、『王家』だ。
「エジプトは領地を広げている」だ。
しかも、登場したわたるさんはラダメスの衣装!鬘までつけているではないか!
(さらに号泣)(スイッチオン)(てか入りっぱなし)
♪予言は〜間もなく〜 告げられる〜
ゆったりとしたメロディ。
そのとき。ゴソゴソっという音が、客席でしはじめた。そう、ペンライトだ。あちこちでペンライトが点灯される。
や、これはたしかに『王家に捧ぐ歌』だ、でもこの曲か?そうなのか?
だ、だって、この曲は……このあと……。
たぶん、この日客席に座っていたのは、この曲の先を分かりすぎるぐらい分かっているかたばかりのはずだ。私なんかより、ずっと。
でも、『王家』だし……ここで……いいんだよね?だ、だ……よ、ね?ち、違う??
でもでも、『王家』だし……にしても、まだ中盤……ペンライトには早すぎるし……??
でもでもでも、『王家』だし……この部分はバラードだし……!!
なんかペンライトっぽいよね?だよねだよね?ここだよね?!だよねっ!!
とまどいながらも、ゆらゆら揺れはじめるペンライト……。
♪なんと〜幸せなことか〜 選ばれし〜将軍は〜
ああ。だが、しかし。
スローテンポは、ここで終わりさ。
♪(ガッガッガッガッ)エジープトはーーーーーっ
♪(ガッガッガッガッ)領地を広げてるーーーーーっ
ここからすげーアップテンポになるんだもん。
……てえ、書きながらやっぱ絶対これ伝わらない気がしてきた、ほんとすみません。
曲が分かる人は思い浮かべてみてください。てか、あのテンポで今その場で手えだけ振ってください(振りません)。
あんなアップテンポでペンライトはなかなか振れないですって!!そりゃあ、死ぬ気になれば振れなくもない、ないけどっ。
そして、死ぬ気で振っているかたもいらっさったし。もう、メトロノームが最高速度で動いてるよーな、すごいことになっていたし。
左右に振るのを早々と諦め、ひたすらペンライトをブン回しているかたも出現しだすし。
まあ、大方の空気は「違うよね?やっぱここ違うんじゃね?」っカンジに、だんだんと流れてはいったものの。
しかし既に点けちゃった人はとまどいとまどい、まだ点けてない人はどーしたものやら、グダグダに揺れるペンライト。点けたり消したり、消えたり点いたり、ちと微妙。
私は一階後方席だったので、その微妙なペンライトの光が見渡せた。そして、泣き笑いしながら叫んだのだ。や、心のなかでだけど。
違うからっ!この曲絶対違うからっ!ここペンライト振らないからっ!
絶対……たっ、たぶん。
『王家』に泣きながら、でも、なんだか和んでほっとして。
だいたいね、その前の退団者の「アリヴェデルチ・ローマ」と「1914」で、酸欠になるぐらい泣いていたわけで。
そして、そのあと瞳子アイーダまで登場し、瀕死なまでに泣くことになったわけで。
素晴らしいサヨナラショーだった。
終演後、みんなで「あれは英真エージェンシー演出じゃないか?」って言い合った、それぐらい退団者に、そのファンに、そして星組を愛するすべての人に優しく、またショーとしても完成されていたと思う。
ファンにとって、あんなにしあわせなサヨナラショーって、そうないんじゃないだろうか。
それだけに、初見である前楽はキツかった。あれを見せられて、しあわせだけど私は苦しかった。しあわせであればあるほど、失うものの大きさに怯えだしていた。
もしかしたら、湖月会さんは「やばっ」と思ったかもしれない。
サヨナラショー最後の曲、『王家に捧ぐ歌』の「世界に求む」でペンライトを振ってください、って書いたほうがよかったと。
正解はそっちだった。てか、『王家』から3曲も歌ったんですね。
たしかに間違えるかも、あの紙。
でも、私は本気で思った。
あのペンライトで和んだ少しの時間がなければ、前楽の日、私は客電が点いても立ち上がれなかったかもしれない。
わたるさんは、いつでもしあわせの使者だから。
あんまり私たちが泣いているから、つか絶対大泣きするのが分かっていたから、わざとペンライトにあの紙をつけたんだ。そうに違いない。
みんな途中で酸素吸おうよって、わたるさんがそう思ったんだ。それしかない。
あれは、わたるさんの愛なんだ。きっとそうだ。
湖月会さん云々って先に書いておいて、矛盾します?
だって、ペンライトについていた紙は、「湖月わたる」の名義になってたもん(真顔)。
しあわせのペンライト。
もちろんその光の色は、美しいブルーでした。
ではあるが、一応書いてみる。
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ご観劇の皆さまへ
ご観劇いただきありがとうございます。
このペンライトはサヨナラショーの『王家に捧ぐ歌』が始まりましたら点灯していただき
曲に合わせてお振りくださいますようお願いいたします。
湖月わたる
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最初に「湖月わたる大劇場千秋楽・その1」をあげてしまったので「千秋楽・その2」なんだけど、これは9月17日前楽の話(すみません)。
開演前に配られたペンライトについているその紙を見ただけで、すでに私は泣きそうになっていた。
やるよね。サヨナラショーで恐らく、いや必ず『王家』はやるだろう。
分かっていたのに、文字で見るとダメ。
「ふえええん、『王家』だ……」
わたるさんの星組が大好きだ。
わたるさんのこの組を、熱いこの組を見続けてきたつもりだ。そして今、ひとつの時代が終わろうとしている。
その時代の幕開きは『王家に捧ぐ歌』だったわけで。
ほんとうに好きな作品だ。私を星組にハメた舞台だ。
通ったんだよう。
サヨナラショーは、最初から涙腺ブっちぎれ。人一倍涙腺が脆弱にできている私、泣くなと言われても無理。
オトコマエなわたるさんと、オトコマエな星男たちと、なぜかオトコマエな星娘たちと。
今、いちばんソーランが似合うであろう星組子たちの熱き魂に、ボロっボロ泣けた。
宙組時代の曲は、この1曲。あとはすべてわたる星組トップ時代の曲で構成。
全部、ソラで歌える。当たり前だ、これでも星担(もしくは「単に星組が好きな人」)ですから。
べーべー泣くうちに、サヨナラショーも中盤。
あのイントロが流れる。
あ、『王家』だ。
「エジプトは領地を広げている」だ。
しかも、登場したわたるさんはラダメスの衣装!鬘までつけているではないか!
(さらに号泣)(スイッチオン)(てか入りっぱなし)
♪予言は〜間もなく〜 告げられる〜
ゆったりとしたメロディ。
そのとき。ゴソゴソっという音が、客席でしはじめた。そう、ペンライトだ。あちこちでペンライトが点灯される。
や、これはたしかに『王家に捧ぐ歌』だ、でもこの曲か?そうなのか?
だ、だって、この曲は……このあと……。
たぶん、この日客席に座っていたのは、この曲の先を分かりすぎるぐらい分かっているかたばかりのはずだ。私なんかより、ずっと。
でも、『王家』だし……ここで……いいんだよね?だ、だ……よ、ね?ち、違う??
でもでも、『王家』だし……にしても、まだ中盤……ペンライトには早すぎるし……??
でもでもでも、『王家』だし……この部分はバラードだし……!!
なんかペンライトっぽいよね?だよねだよね?ここだよね?!だよねっ!!
とまどいながらも、ゆらゆら揺れはじめるペンライト……。
♪なんと〜幸せなことか〜 選ばれし〜将軍は〜
ああ。だが、しかし。
スローテンポは、ここで終わりさ。
♪(ガッガッガッガッ)エジープトはーーーーーっ
♪(ガッガッガッガッ)領地を広げてるーーーーーっ
ここからすげーアップテンポになるんだもん。
……てえ、書きながらやっぱ絶対これ伝わらない気がしてきた、ほんとすみません。
曲が分かる人は思い浮かべてみてください。てか、あのテンポで今その場で手えだけ振ってください(振りません)。
あんなアップテンポでペンライトはなかなか振れないですって!!そりゃあ、死ぬ気になれば振れなくもない、ないけどっ。
そして、死ぬ気で振っているかたもいらっさったし。もう、メトロノームが最高速度で動いてるよーな、すごいことになっていたし。
左右に振るのを早々と諦め、ひたすらペンライトをブン回しているかたも出現しだすし。
まあ、大方の空気は「違うよね?やっぱここ違うんじゃね?」っカンジに、だんだんと流れてはいったものの。
しかし既に点けちゃった人はとまどいとまどい、まだ点けてない人はどーしたものやら、グダグダに揺れるペンライト。点けたり消したり、消えたり点いたり、ちと微妙。
私は一階後方席だったので、その微妙なペンライトの光が見渡せた。そして、泣き笑いしながら叫んだのだ。や、心のなかでだけど。
違うからっ!この曲絶対違うからっ!ここペンライト振らないからっ!
絶対……たっ、たぶん。
『王家』に泣きながら、でも、なんだか和んでほっとして。
だいたいね、その前の退団者の「アリヴェデルチ・ローマ」と「1914」で、酸欠になるぐらい泣いていたわけで。
そして、そのあと瞳子アイーダまで登場し、瀕死なまでに泣くことになったわけで。
素晴らしいサヨナラショーだった。
終演後、みんなで「あれは英真エージェンシー演出じゃないか?」って言い合った、それぐらい退団者に、そのファンに、そして星組を愛するすべての人に優しく、またショーとしても完成されていたと思う。
ファンにとって、あんなにしあわせなサヨナラショーって、そうないんじゃないだろうか。
それだけに、初見である前楽はキツかった。あれを見せられて、しあわせだけど私は苦しかった。しあわせであればあるほど、失うものの大きさに怯えだしていた。
もしかしたら、湖月会さんは「やばっ」と思ったかもしれない。
サヨナラショー最後の曲、『王家に捧ぐ歌』の「世界に求む」でペンライトを振ってください、って書いたほうがよかったと。
正解はそっちだった。てか、『王家』から3曲も歌ったんですね。
たしかに間違えるかも、あの紙。
でも、私は本気で思った。
あのペンライトで和んだ少しの時間がなければ、前楽の日、私は客電が点いても立ち上がれなかったかもしれない。
わたるさんは、いつでもしあわせの使者だから。
あんまり私たちが泣いているから、つか絶対大泣きするのが分かっていたから、わざとペンライトにあの紙をつけたんだ。そうに違いない。
みんな途中で酸素吸おうよって、わたるさんがそう思ったんだ。それしかない。
あれは、わたるさんの愛なんだ。きっとそうだ。
湖月会さん云々って先に書いておいて、矛盾します?
だって、ペンライトについていた紙は、「湖月わたる」の名義になってたもん(真顔)。
しあわせのペンライト。
もちろんその光の色は、美しいブルーでした。
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