舞台の上には帆船。マストに竜馬のシルエットが写る。
マストが上がり、貴城けいの竜馬の姿が現れる。
私は大抵、ここから泣き出す。涙が流れ、歌が始まると殆ど嗚咽になる。

庭に咲く その美しい花より
風に散る 一輪の花になりたい
群れなし歌う その美しい小鳥より 
誇りある 孤独な鷲でいたい

俺は信じる 自分の夢を
俺は感じる 時代の流れを

泣くでそ、かっこいーんだもん。ほっんと、かっこいーんだもんよ。
孤高の人。それを最初に見せてくれる、この銀橋が好き。大好き。
私も大概だと思うが、上には上がいる。
「私はシルエットから泣いてますがなにか?」、早っ。
そう言うクンちゃんも、実は大和煮え。そしてほんとにシルエットから泣いている(笑)。
本舞台に戻って踊る竜馬。このあと風雲の男A@大和さん、蘭とむちゃんがセリ上がってくる。
や、ここはいくらなんでも大和さんにオペラいきますよ。真顔でセリ上がってくる大和さんだってかっこいーんだから。
このとき竜馬は下手に下がるんですね。それからセンターに戻って、大和、蘭とむを両脇に従えて踊るんだけど。
「それがね、下手に下がってるときの踊る竜馬がかっこいーのよ」、これもクンちゃん。
大和煮えのくせに、なんでそこ見てるんだよ(笑)。
「タニちゃん見てると、それが分からないでしょ。ぜひお教えせねばと思って」
ええ、お教えいただいたおかげで、その日から大和さんのセリ上がりが見られなくなりましたわ、おほほほ。
あ、大和煮え仲間で、この下手の竜馬を見ていない人は多いと思います。あそこは基本、見られないから。
ほほほ、あなたにもお薦めしますわ、赤い山茶花を扇にしてに踊る下手の竜馬を、一度でいいから見てみてね!(いい笑顔)

「わしが土佐ん坂本じゃ、よろしゅう頼むぜよ!」
ピストルを一発、そして大きな口でクイっと笑う。
この顔が好き。大好き
この笑顔だけで、彼がなぜ人を惹きつけるのか、それが見える。

ところで、私は石田先生が苦手です。
なんでああ余計なことをさせたがるんだろう。不快なんですけど。
だけどね、それを超えて、かしちゃんの創る坂本竜馬に人を惹きつける魅力がある。
そして、その魅力に組子たちが引っぱられて、「この人のために自分ができることを!」って動いている。だから、舞台の空気にすごい力がみなぎっている。
かしちゃんの竜馬が持つ魅力と、それに惹かれる組子たちの支えで、この作品は石田先生の脚本を超えてどんどん面白くなっていったんだと思う。
千秋楽は、それが爆発していました。
アドリブもいろいろありましたが、思い出せるものを挙げてみます。

・「宙組の貴城けいです」という開演アナウンスで大拍手。シルエットどころか、うっかりここで泣きそうになる。
・江戸の花街。女中が運んできたお膳を見て、竜馬「おお!鰹のタタキは?」、かわええ。だからここは江戸です。
・京都御所内、一橋(徳川)慶喜@蘭とむと勝海舟@ともみさんが、世間知らずの公卿と対峙。
・公卿@あゆみさん、ゆっちの暴れっぷりがすごかった。公卿の馬鹿殿メイクが嫌で、ふだんそっちは見ないよーにしているのだが(すみませんおふたりに含むところはないです)、「ど〜〜〜〜〜思うておじゃるっっっ!」というあゆみさんの尋常ではない絶叫に、久しぶりに(失礼)そっちを見てしまった。
・飛び跳ねかたも尋常ではない。びよ〜んびよ〜んと、そして、わざと蘭とむちゃんたちの視界に入るよーに大暴れ。
・ここでは絶対に笑えない蘭とむの顔がすごかった。鬼みたいに真っ赤になりながら耐えていた。それでも噛まずに吹かずに台詞を言い通した蘭とむはエライ。真っ赤っ赤だったけどな(笑)。
・神戸海軍操練所。「勝を斬っちゃる!」と息巻く中岡慎太郎@大和さんに、勝が話を聞かせる横で、コーヒーをすする竜馬。
・ふだんはずるずるすするだけだが、前楽では「ずるずるずる、ブっ!!」と吹く竜馬。かわええ。
・大楽のコーヒはどーやらかなり熱かったらしい。「熱っ!!」と叫んで、カップをすごい勢いで口から離す竜馬。たぶん火傷。かわええ。
・ここの竜馬と中岡の退場は日替わり芝居。いつもふたりは楽しそう。大楽ではついに仲良くスキップにて退場。
・最初に「もっと話を聞かせちくれ!」とスキップはじめたのは中岡。「おう、聞かせちゃる!」と一緒にぴょんぴょん飛ぶ竜馬は、ハケながら不思議そうに中岡を見て「なんじゃ、それ?!」、半分素で笑ってます。
・竜馬と沖田総司@ちぎの出会い。万次郎@まりえったの「ビジュアル系剣士!」のポーズに、今日は竜馬も加わり決めポーズ。よく明星とかの表紙でジャニーズがやってるよーなやつ。かわええ。ほんとジャニーズみたいでかわええ。大拍手がわく。
・ちなみにここで最初に登場する新撰組隊士@ちーと、かちゃ、初日から比べて酔っ払いぶりが板についてきた。特にちーとは演りすぎ感もあるぐらいヨタヨタとアピっていて(日本語変だけど)よろしいのではないでしょーか。
・竜馬とお竜@るいちゃん出会いの銀橋。「坂本さま……」「なんじゃ?」「あの……臭います」のところ。「なんじゃ?なんじゃなんじゃ?」ほれほれ、ほれっ!とばかりに、いつもより派手にお竜に迫る竜馬。かわええ。もう、何やってもかわええ。
・ここで「行こう!」って言って、お竜に手を差し出す竜馬が好き。大好き。ピンと張られた、その掌が大好き。
・竜馬の手を握り締めるお竜が好き。しっかり手をつないでハケていく、その結ばれたふたりの手が大好き。

だらだら書いてきましたが、長くなったのでいったん切ります。ここからみっちゃんが出てくるから、さらに長くなるんだもん(笑)。
みっちゃんすげー。今、かなりマイブーム(笑)。

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