一瞬にして張りつめた、劇場の空気。
花道に白装束の武市半平太@ともちが現れる。一礼し、刑場に向かう武市。
「半平太、魂となってわしを見守ってくれ!」
竜馬@かしちゃんの絶叫が、悲痛に響く。
ここの武市、台詞は録音で、ただ現れて消えるだけ……ちょっとひどい。
それでも、裸足の足先まで真っ白に塗り、立ち姿のみで見せる、ともち迫真の芝居には平伏。

大楽の武市切腹、そしてそれに続く薩長同盟は、ほんとうに力があった。
かしちゃんが常々「いちばん大切にしている場面」と話されている、薩長同盟締結。
竜馬も、中岡@タニつんも、桂@みっちゃんも、西郷@すっしーも、みんなみんなすごかった。
もちろん、みんな毎日熱演しているはずだし、ここはいつも力のある場面になっている。
だけど、その公演最後の1日。
役者の体温がぐんぐん上がり、彼ら個々の熱がひとつになり、それが大きなうねりとなって客席を巻き込んでゆく。
その力を、強く、より強く、感じた。
そして、それに巻き込まれてゆく、たまゆらの恍惚。

それは、大政奉還もだ。
竜馬と慶喜@蘭とむちゃん。向かいあうふたりの体温が上がってゆくのが分かる。
真剣勝負でぶつかりあうふたりの熱、そして、その力が、劇場の空気をも動かす。
あ、蘭とむの「男の負けっぷり」、初日にすばらしい負けっぷり……顔面蒼白、瞳孔全開、身体硬直、声色顫動、音程壊滅を見せてくれた銀橋ソング、最後の頃は余裕でこなしていました。えーと、お顔は(笑)。
音程だけは、最後までちと怪しかったけど(大和煮えがそれ言うな)。

だから私、石田先生は苦手なの。でも、物語が壊れているわけじゃない。
ただ、余計なことを演らせるから、そこに腹が立つわけで。
こうやって役者が見せるところをきっちり見せてくれるから、この作品楽しめる。

かしちゃんの、ちから。
みんなの、ちから。

千秋楽アドリブの残り。
・竜馬を追い、薩摩藩邸に新撰組がやってくる。
・応対するのは西郷。「新撰組副長、どかたとしぞう?」
・「どかた」を聞いて、新撰組の土方@美佳ちゃん、沖田@ちぎ、隊士@ちーと、かちゃ全員揃ってコントのごとくズルっとコケた……らすぃ。
・らすぃと言うのは、このあと「ひぃじぃかあたあ〜、ですっ」と唇を歪め、肩を入れ、腰まで入れて言い返す美佳ちゃんの芝居っぷりが私のツボで、いつも最初から美佳ちゃんピン撮り。美佳ちゃんがコケたのしか見られなかったんだってば。
・ちなみに緑野さんはこの場面を
>西郷に「ひじかた」を「どかた」と読ませて笑いを取る、くだらないギャグをやりたいがためだけに存在したのかもしれない、と思えてしまうあたり絶望的。
と書いていらっしゃる(12月10日)。
・私は「かもしれない」ではなく、「どかた」ギャグをやりたいがためだけに存在したと「確信している」。
・しょーもない場面、くだらないギャグだと思いつつ、無駄に濃い美佳ちゃんは、やはりツボ。おもしろすぎ。
・薩摩藩が出してきた錦の御旗に、「こんな物、偽物ですよっ!偽物ですよっ!土方さんっっ!(じたばた)」、沖田は小学生か?
・ちぎちゃんは悪くない。悪いのは石田。
・大政奉還。「友としてくれるかのう」と言う慶喜の手をとり、いきなり「シェークハンド」する竜馬。
・いつもは慶喜の手をぶんぶん上下に振るだけだが、今日はその手を取ったままクルリと1回転。かわええ。
・どーしてかしちゃんは何をやってもこんなにかわええのだろーか?(素)
・それにしても、この場面で竜馬に着せているTOCの裃は、絶対に絶対に許せない。石田ぁっ!出てこいっ!(怒)
アドリブはこれぐらいかなあ。

あとはね、かしちゃんが台詞噛んだ!私のだあい好きなプロポーズの場面で!
もおかあわああいいのさそれがもうかあわいくてかあわいくてえ!(でれでれ)(盲目)
そして、ショーもあるのよね。
ということで、噛んだ竜馬とショーの千秋楽アドリブは、次回に続く。まぢ年内に終わるのか?つかニーズあるのか?(ねえよ)(今さらねえよ)(誰からもねえよ)(だからあたしが読むんだってば)

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