そう。
あれは『A/L』の配役が発表になったときのこと。
kineさんは、私にこう仰ったのですよ。

「みっちゃんがシャーロック・ホームズか。これは幕明き前に、またみっちゃんの漫才が見られるね(ニヤリ)」

え?漫才?ホームズが?
「絶対そうだって!」
ルパンとホームズで漫才やっちゃうわけ?
「違うよ、相手はワトソンくんに決まってるじゃない!」
ええ?ホームズとワトソンの漫才?

まさか、ほんとうにそうだとはねえ……。

DC初日。開演前にみっちゃんとみーちゃんが登場し、客席降りで漫才を始めたとき、私は思わずいつもの台詞をつぶやきましたわ。

「きねこ……恐ろしい子!」(白目)

そしてDC楽では、この漫才にはっちゃんも登場しました。そのときは不意を突かれてびっくり!
すっごい歓声と拍手!

だから青年館楽も、はっちゃん登場は期待していたんですけど。

まずはワトソンくん、そしてMr.ホームズ登場。
「ワトソンくん、パリだよパリ」
「ボンジュール!」
「ワトソンくん、僕たちせっかくここまで来たのに、またどこかに飛ばされちゃうみたいだよ」
「ええええええ!」
「涙も出るし、汗も出るわ」
Mr.ホームズ、妙な関西弁です(でもロンドンっ子)。
そして、ブルーのハンカチを取り出し汗を拭き拭き。

「ミスター、ハンカチ王子はちょっと古くないですか?」
(どーでもいーけど、私はハンカチ王子というと博多座の夏を思い出すの……とおい目)
そう言ってワトソンくんが取り出したのは、小さい万国旗が繋がった、なんか手品のネタグッズみたいなやつ。
懐から次々とずるずる引っ張りだす。

「僕だって負けないよっ」
なぜか同じものを用意しているMr.ホームズ(笑)。
「僕たちは世界を股に掛けるんだよ!」つーことで、万国旗らしい(笑)。

「観光でもしようか」と客席降り……なんだけど、彼らはそのまま上手の出入り口付近に下がってしまった。
ここで!

下手からガニマール警部、登場!!

はっちゃあああん!!

下手前方のお客さんを、「ねえちゃん、かわいいなあ」と、いきなり口説きだすガニマール氏。
「無視するのか?さては北翔海莉のファンか?それとも悠未ひろか?まあいいや」
まあいいのか?ちょっと待て、よくないだろ、なぜ大和悠河が出てこない?(笑)
「俺、ガニマール、はっはっは……職業は、ふっふっふ……デカ(キラリ!)」
「趣味はチョコレートを食べることですっ」
はっちゃんって、実際に甘いものズキなんじゃなかったっけ?
ま、「チョコレートを食べること」が「趣味」の定義に属するのかは、この際問わないことにしとこっ。

そのお客さんに「まずはお友達から!」と、なにかをプレゼント。
「かわいいよっ」とキザな目線で、最後まで口説きモード。
はっちゃんファン『煩悩の渦のまにまに』のyuppeさんによると、プレゼントされたのはガニマールのチェキ写真なんだそーです。
いいなあ。

ここでMr.ホームズが「ムッシュ〜!」とガニマールに呼びかけます。「エッフェル塔はどこですかあ?」
ガニマール「エッフェル塔?エッフェル塔はねえ……」

「こっち〜〜〜!!」
そう叫んだのは、エッフェル塔付近、2階のお客さんでした。
そちらを見れば、そこら一帯で手え振りまくりだわ、エッフェル塔ポーズの人まで出現するわ、えらい賑やかなことに(笑)。
その声でMr.ホームズは既に「あっちかあ」と2階を見上げてるのに、「おう、あっちだ!」と偉そうに、とってもガニマールなはっちゃん、もしくは、とってもはっちゃんなガニマール(笑)。
そして、「頑張れよ!チェック野郎!」と言い残し、退場。
ちぇ、チェック野郎ってなんじゃそりゃ?爆笑。

「すごいいい人でしたねえ」
「優しかったですねえ」
「まるで宙組の初嶺麿代さんみたいだったねえ」
みっちゃんはいつもいつも、こーゆーとき滑舌よく(殆ど劇団四季状態)「はつねまよさん」って、はっきり言葉を粒立てるんですよ。エライなあと感心しちゃいます。

「でも初嶺麿代さんって、この『A/L』で退団されちゃうみたいですよ」
「悲しいなあ」
「なんとも」
ふたりで「やりきれませんなあ」と、肩に手を置きあい、うなだれポーズ。

「ワトソンくん、初嶺さんは昨日、パリジェンヌのみなさんに薔薇を一輪ずつプレゼントしたらしいよ」
「ええ?!色男ですねえ」
「僕たちもそんな色男になりたいねえ」
ここで何か仕込んでいるらしく、Mr.ホームズが「……いいかい?」
しかし準備に手間取り、後ろ向きでゴソゴソやるワトソンくん、「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!(汗)」

Mr.ホームズ「それでは!」
ワトソンくん「ごゆっくり!」
声を合わせて「お楽しみください!」
ふたりが手を開くと、そこには「宙組の初嶺麿代さんが昨日プレゼントした」とかいうような、薔薇の花が。これで彼らも色男!
つか、こっちもモロ手品のネタグッズみたいなやつでしたけどね(笑)。

去り際のMr.ホームズときたら、「お呼びでない?こりゃまた失礼しましたあ〜〜」
いったいいつのギャグなんだよみっちゃんキミ年幾つなん?(白目)
そんなところが、とってもみっちゃん。
雷鳴とともに漫才終了。

はっちゃんの登場、嬉しかったですねえ。
ガニマール、大好きです。
かっこよくてかわいくて、だけどなんかアホで、なんかもうとってもはっちゃん。

どんなお役で退められるにしても、ファンのかたの悲しみに変わりはない。
だけど、最後の花道に相応しい、こんなとってもはっちゃんらしいステキな姿を見せていただけること。
私が、そんなガニマール警部に出会えたこと。

ほんとうにしあわせに思うんです。

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