たぶん、それは私のためのサービスだったんだろう(違)。
湖月わたる、貴城けい。
私がトップスターの在りかたとして果てしなくリスペクトしているこのふたりが、並んでがっちり抱き合った。

そう、私のためのサービスだったんだ。そのはずだ。
なのに、私はそれを見ていない。ダメじゃん(哀)。

ドリーさんに、「ジュンタン!どこ見てるの、ほらっ!」と言われたとき、舞い上がりまくった私は、とおい目で虚空を見つめていた。ダメじゃん(哀)。

2007年4月16日、『モダン・ミリー』初日。
セレモニーでレッド・カーペットの上をかしちゃんが歩かれるとの情報をいただき、劇場の前で私はそれを待った。

てっきり劇場入口までの長いレッド・カーペットが敷き詰められているのだとばかり思っていたら、そうではなかった。
ロビー内に記者会見用のパネル……映画の試写会とかでよく見るアレが用意されており、その前にレッド・カーペットが敷いてある。
やがて、開場の時間となった。到着したタレントさんたちが、パネルの前で撮影タイム。森泉ちゃんは、おそらく私と同じ生きものではない。あまりの小顔っぷりと足の長さに、おおいにビビる。

「きゃあ〜!」ロビーの向こうから、歓声が上がった。
かしちゃんだ、かしちゃんが来た!

溶解。

18時10分すぎだろうか。
パネルの前に、かしちゃんが立った。
ホルター・ネックのワンピース、上半身が白、ハイ・ウエストの切り替えになっていて、スカート部分が黒。
当然、背中と肩から腕は全開。しかも膝丸出しのミニ・スカート。
伸びた髪をサイドで分け、ちょっぴりオデコを覗かせている。

かああわああああああいいい〜〜〜!

まるでオンナノコみたいいい〜〜〜!(オンナノコです)

ミュールはバック・ストラップで黒。かなりのハイ・ヒール。
手には小さいポーチのようなものと、プログラムを持っている。

プログラム持って、パネルの前でフラッシュ浴びてるって!

まるで芸能人みたいいい〜〜〜!ステキっ!(芸能人です)

報道陣の注文に応え、あちこち向いてポージングしてるのっ!

まるで芸能人みたいいい〜〜〜!ステキっ!(だから芸能人です)

きりっとした表情は男役風でかっこよくもあり、でも全身から醸しだされる空気はすっかりオンナノコでかわいくもあり、なんつーかとにかく美しい。

だからね、かしちゃんはかっこよくてかわいくて美しいのだ。

ありえねーな……完璧すぎるだろーが、ええっっ?!(大暴れ)

撮影の間、静かな笑みを浮かべていたかしちゃん。
やがて撮影を終え、向こうに去ってゆくかしちゃん。
そして、その最後に立ち止まり振り返って。

クチャっとした顔で笑い、手を振った。

溶解。

あの笑顔だ。こどもみたいな、あの笑顔だ。

しかも、なんかカツカツってゆーかササってゆーか、あの歩きかただった。

私が見ていた、あのかしちゃんだ。

溶解。

いや、溶けている場合ではない。私は遅れてくるドリーさんを迎えにいかなければならないのだ。

そして開演5分前。ロビーに戻った私の目に映ったものは。
パネルの前に立つ、カリンチョさんとわたるさん。

えええええ?なんでカリさんとわたるさんがいるのおおお?!
はああ、これは予想外の展開で、「ひーーー!」と声を上げそうになったぜよ。

カリさんは、さすが貫禄の大女優さんといった雰囲気。
そして、わたるさん。
オトコ。断言。

『竜馬伝/クラシック』のとき、客席でわたるさんを見かけたことがあった。
そのときは「現役時代と違って、ずいぶん女らしい柔らかい表情になられたなあ」と思った、思ったはずなんだけど。

もうね、間違いなく現役男役さんでそ?(もしくは現役オトコか?)
フェルゼンの如き白いフリっフリのフリル・ブラウスに、燕尾服としか呼びようのない尻尾のついた黒のロング・ジャケット。
そして黒のパンツに黒のロング・ブーツ。
さすがにスター・ブーツとまではいかなかったが(笑)、絶対そのまま舞台上がれるって!フィナーレとか出られるって!

なんなんだよっ、その辺のオトコよりオトコらしい、そのかっこよさはっ!!(大暴れ)

溶解。

わたるさんは客席に向かい、かしちゃんからひとつ間を置いた並びの席の前に立った。
わたるさんを見て、かしちゃんはぴょこんと立ち上がった。

絶対、これも私のためのサービスだ、それしかない(だから違)。

なんか今、すげーもん見てるんですけどっ!!

わたるさんとかしちゃんが、ふたり並んで立ってるよおおおっ!!

溶解。

客席でのかしちゃんは、黒のジャケットを着ていた。袖口からは赤が覗く。
さっきのワンピースの上に、それを羽織っているように見えた。

で、私が溶けてとおい国へいってしまった一瞬の間に、再会したわたるさんとかしちゃんはがっちり抱き合っていた、らしい。
ドリーさんから聞いた。
それを見た観客の拍手の音とドリーさんの声で私がハっと我に返ったとき、わたるさんは「あーーー!」ってカンジで、かしちゃんのスカートを指さした。
と、かしちゃんは「やっだああああああ!」ってカンジで、わたるさんの背中をバシバシ叩いた。

溶解(半時間足らずにして溶けすぎ)。

だから、そうなんだ。
全部、私のためのサービスだったんだよ。

たぶん……たっ、たぶんね(絶対違)。

で、ひとつ空いている席に誰が座るのかと思ったら、矢口真里ちゃんだった。
わたるさんとかしちゃんに挟まれた矢口、小っちぇェええ!
つか、やっぱわたるさんデカいわ(素)。かしちゃんがさらに華奢に見える。

突っ込み担当ドリーさんがつぶやいた。
「おとうさんとおかあさん、そのひとり娘まりちゃん(小学3年生)、家族団欒かよ?」
いや、あの。だから。

この夫婦、どう考えてもカタギには見えないぞ……っと。

開演とともに客電が落ちると、段上がりの席にいたふたりは闇に消え、私は公演を観ることに集中できた。
今回は観劇中のかしちゃんが顎に手をあてていたのか?
そんなの真っ暗で分かんないから(笑)。

『モダン・ミリー』は、すっごい楽しかったです。
宝塚版の翻訳ミュージカルって、演出センスを疑うよーなものが多かったりするじゃないですか。今回の演出・振付であるジョーイ・マクニーリー、その辺りの洒脱さは、さすがでした。
コメディなんだけど、ほんとセンスいーです。もうね、めちゃめちゃ笑ったし、どうってことないところでもクスってさせられちゃうし。
振付も上手くできてるの、これが。
ミリー@リカさん、キュート!かあわあいいっ。
そして、やっぱオカジュリでそ(笑)。
グレイドン@岡さん、上手いわあ。
ピンクのドレスに縦ロール、令嬢ドロシー@樹里ちゃんは、出てきただけで爆笑をさらっておりました。それってどうなの?(笑)
ま、私が連想したものは、女装のワトソンくん@みーちゃんなんですけどね(素)。
このふたりのバカップル(死語?)ぶりには、腹イタくなりました。
えーと、ミリーの、そしてこのバカップルの恋の行方は……これがまたベタかもしれないけど、ちょっとしたひねりが効いたラストのコジャレ具合に感服。
あ、個人テキに、青山さんいい味出してるぞ!って特筆させて。
宝塚ばっか観てちゃダメだなあと反省。

そっか。
リカさん、樹里ちゃん、それにカリさん。
そして、わたるさんとかしちゃんの舞台ね!いっぱいいっぱい観ようっと!(話をそこに戻して、去る)

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