9月14日、『バレンシアの熱い花』蘭とむロドリーゴ、みちこラモン最終日。

みっちゃんてば、黒い三角巾で左腕を吊って楽屋から出てきたそうですわ。

「いやあ、この怪我も今日で治ったんで、ラモンとはお別れです!」

さすがだよみちこ……。

みっちゃんの少し前に出てお手紙取ってたルーカス大佐@まさこちゃんを発見し、指さしてひと言。

「あいつだっ、あいつにやられたんですよっ」

さすがだよみちこ……。

楽しそうだなあ。
って、私見てないんですけど、この光景。

みちこ出に備えて日々チェックを怠らない「今日は何の日?カレンダー」には、「ラモン最終日」とかそんなん書いてなかったもん。

公式行事、公演行事、その他諸々の情報を網羅せねばならぬのか、みちこよ……。
みちこコスギャラリー完全制覇の道は険しいなり。

ということで終わってしまいましたが、みちこラモン。
私、ほんとうに大好きでした。
『バレンシア』すべての登場人物の中でいちばん好きなのは誰かと問われれば、みちこラモンと答えます。

蘭とむちゃんの熱く激しいラモンも、とてもステキだと思う。
よーは好みの問題。私はみっちゃんのラモンが好みなの。

「下町でごろごろしているケチな野郎さ!」なあんていきがってるくせに、イサベラの前では恋するピュアな少年になってしまう、そんなみちこラモンが愛しいです。
自分の熱い思いを、彼女にぶつける術さえ知らない。
イサベラに向ける一途な視線に、きゅんきゅんきます。

「ラモンの哀しみ」ってありますよね。
フェルナンドが斬られたと聞いて駆けつけたイサベラが、彼の婚約者であるマルガリータの姿を見てしまって、「あたし、つらいわ」とラモンにすがって泣く場面です。

哀しいの。せつないの。みっちゃんのラモンは。

蘭とむちゃんのラモンは、すがってきたイサベラをグっと胸に抱きしめる。
イサベラは、それで自分がしていることにハっと気づいて「……ごめんなさい」って離れていく。

みっちゃんのラモンは、イサベラを抱きしめることもできないの。
自分にすがって泣く彼女に対して、なんにもできないの。

イサベラの身体に恐る恐る手を回してはみるけれど、どうしても抱きしめることができないの。

空を抱くラモンの腕をすり抜け、イサベラは去ってしまう。
「……ごめんなさい」って。

そのときのラモンの目がすっごい哀しいの。すっごいせつないの。

あとに残されたのは、彼女が落としていった1枚のショール。
その彼女の抜け殻を今度こそ固く抱きしめ、そして振り絞るような声で歌う。

手をさしのべても お前に届きはしない

愛している 愛している 愛している 愛している

何度も何度も。愛していると。ただ、愛していると。
ただ、お前を愛していると。

この主題歌は、フェルナンド、ラモン、ロドリーゴが繰り返し歌いますよね。
フェルナンドが2回、ラモン、ロドリーゴが各1回で、役替わりも含めて6パターンあるわけですが、私がいちばんもっていかれるのはみちこラモンの「愛している」です。
あの絶唱が、はあと直撃なのです。
大和さん、蘭とむちゃんと比較して、みっちゃんの歌のレベルは飛び抜けて高いですが、それとは別問題。
技術ではない心の部分で、みっちゃんのラモンが叫ぶ「愛している」に惹かれます。

黒い天使の白ブラウスの襟が、黒塗りのドーランで激しく汚れちゃって。
そんな汗みどろで歌うみちこラモンが愛しいの。
ドーランとられて白くなっちゃったみちこラモンの首筋すら愛しいの。

「贔屓が愛しくて、抱きしめてあげたくなる」って言いかたあるでしょ。
私は基本的にすっごいオンナノコ目線の馬鹿ファンなので、男役さんに「私を抱きしめてもらいたい」とは思っても、絶対に「私が抱きしめてあげたい」なんて思わないわけ。ふつーは。

今回、はじめて真顔で思ったもん。

みちこ!

私が抱きしめてあげるから!

私がいるから!

みちこっっ!

ええ。ちょー真顔ですのことよ。

(対象がラモンじゃなく、いつのまにか「みちこ」そのものにすり替わっている件について)

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