「ジェイク、危ない!」
ジェイク@みっちゃんを庇ったルシア@たっちんの胸を、一発の銃弾が貫く。
「ルシア……ルシア!」

「ジェイク……誰かいる……」
「ルシア、頼む僕を見るんだ!」
「迎えにきたのね……」
「僕だけを見るんだ!ルシア!ルシアーーーっ!」

やがてルシアは、静かに息絶える。
ジェイクの腕の中で、微笑みながら。

やっと分かりあえたのに。
やっと強く抱きあえたのに。
運命は、ふたたびジェイクとルシアを引き裂く。

生まれ変われたら もう一度愛しあいたい
生まれ変われたら もう二度ときみを離さない

そう誓ったのに。
固く誓ったのに。
運命が、ジェイクの腕の中からルシアの魂をさらってゆく。

「ルシア……」

ジェイクの瞳に、みるみる涙が溢れだして。
いく筋もの涙が頬を伝い、とめどもなくこぼれ落ちる。

あのね。言っておくけど。

宝石だからっ。

この涙、 間 違 い な く 宝 石 だからっ!(お目目キラっキラ)

キレイでした。
みっちゃん、ほんとうにキレイでした。

そうよ! 王 子 さ ま なんだわっ!(お目目キラっキラ)

みっちゃんは白馬に乗った王子さまなのよっ!

あのあのあの。
いつ私を迎えにきてくださいますか?(真顔)

みっちゃんがコメディを演ると、なんだか三枚目テイストになってしまう。
なんて言うのか、かっこいい二枚目が崩れて、おもしろいけどトホホみたいな。以前はそんな傾向ありませんでした?
だけどジェイクは、最初から最後までめちゃめちゃかっこよかった。キャラ崩しても顔は崩れないんだもん。かっこいいままおもしろい。
男役としての型というか、所作がキマってるせいもあると思う。
スーツにソフト帽のマフィア。今回は下級生が多かったせいもあるが、みっちゃんの所作の美しさは、とにかく際立っていた。
基本のカタチがキマってるから、なに演ってもかっこいい。そしてヘンなこと演っても顔が崩れない。おもしろくてかわいいけど、あくまでも二枚目のまま。
美しい、かっこいい、おもしろい、かわいい。

なにそれ?

最 強 じゃんか!(素)

だが、しかし。
カーテンコールで驚いた。
みっちゃんの顔の筋肉が、弛緩しているではないか!
かっこいい白馬の王子さまが、一瞬にしてほんわかふにゃらんと親しみやすいみちこちゃんのお顔になっているのだ。
Oh,No!(ジェイク風に)
顔、崩れちゃったよ?(そこまで言うな)

みっちゃんのそーいうとこが、ファンにとってまたたまらなくかわいいんだろーな。

11月19日、『THE SECOND LIFE』千秋楽。
北翔海莉ご挨拶。

「本日はお忙しい中、千秋楽に足をお運びくださいましてありがとうございます。
九日間という短い間ではございましたが、連日たくさんのお客さまにお越しいただきまして、本当に心の底から感謝しております。
ありがとうございました」

みっちゃんが、全員が、深々と頭を下げた。
客席から、大きな拍手。鳴り止まない、大きな大きな拍手。

と、だね。ここで突然、フィナーレの曲が流されたのだ。
みっちゃんの話、絶対まだ終わってないじゃん!ここからじゃん!
みっちゃんも「え?え?」って顔してるし、客席もざわざわ。いくら拍手が大きかったからって、それはないでそ?

「終わっちゃう?音響さあん?」
みっちゃんが声を張り上げる。

「もっと喋りたいなああ〜!」

なんて天真爛漫な人なんだろう。
かわいい、みっちゃんほんとにかわいいわあ。

「ごめんなさい、音響さん!
ん?……なに喋ろうとしたか、忘れちゃった!」

なんて天真爛漫な人なんだろう。
かわいい、みっちゃんほっんとにほっんとにかわいいわあ。

「それぞれが役を演じるのではなく、それぞれの役で舞台上で生きることを考え、舞台を務めてまいりました。
九日間で、少しづつでも階段を上れたのではないかと思っております」

私は公演最後の三日間しか観ていないのだが、みっちゃんが、みんなが、それぞれの役で舞台上で生きている。そのことは、すごく感じられた。
だから毎回思いっきり笑わされちゃうし、毎回思いっきり泣かされちゃう。
下級生にいたるまで、みんなのキモチが痛いほど伝わってきたの。

「今回、下級生を束ねなければならない上級生の立場としまして、いつも心においてある言葉がありました。
愛情の三フリカケです」

は?

「目をかけ、気にかけ、声をかけ、というフリカケでございます」

へ?

結婚式のスピーチ本にでも載っていそうな、とんでもないことを言い出すみちこってば。
これは金八先生が言っていた言葉で、永谷園では売ってないフリカケですってどこのオヤジなんだよみちこってば。

「ところがどっこい!(という言葉にもビクリーツ)
目をかけられて、気にかけていただいて、北翔さん頑張って!と、みんなに声をかけられていたのは、私のほうでございました。
私は無力でございます」

やっぱりなんだかオヤジテイストなみっちゃんであったのだが(笑)、この言葉に「みちこさん、全っ然そんなことないですから!」みたいに下級生たちがブンブン首振っていたのが印象的だった。
共演者に、スタッフに、観客に感謝の言葉を述べ、今度こそ(笑)フィナーレの曲が流れて緞帳は下りた。

カーテンコールで、もう一度みっちゃんのピアノ弾き語り。
ここでまた泣く私(笑)。

このあとも、何回も緞帳は上がった。
鳴り止まない拍手、オールスタンディング。幕が上がるたび、みちこは格言だか哲学だかなんだかを滔々と語る(笑)。

「お客さまは神様です!汝鳥さんも神様です!ありがとうございました」

「ありがとうという言葉は、漢字ですと『有ることが難しい』と書きます。
当たり前であることが難しい……今日こうして舞台に立てることも当たり前ではなく、めったにない難しいことをさせていただいているんだと思います」

「もう哲学はありません!」(なのに、まだ言う)「金八先生の言葉ですが、人という字は人と人が支えあってできているのだと、ケリーも言ってました!」(人のせいにする)(いきなり振られてビクリーツなケリー@ちぎたカワユス)

最後のカーテンコール。
緞帳が上がると、舞台の上にはみっちゃんが一人でスっと立っていた。

あれ?弛緩していた顔の筋肉が、キリリと元に戻っているではないか!!

美しい人だと、しみじみ思った。

真ん中が似合う人だと、つくづく思った。

「みんな!」

そう呼ぶ声と、みっちゃんの笑顔がかわいくて。
駆け寄ってきた下級生たちも、みんな嬉しそうな笑顔でキラキラしていて。
劇場があったかくて。この場所には愛が溢れていて。

私はまた泣いた。

「ぜひ、東京でも演りたいな、と……」

東上させるほどの脚本かどうか、正直分かんない。(ここまでハマっておいて、まだ脚本にケチをつける嫌な奴)
でも、会いたいよ。ジェイクに、ルシアに、みんなに。

また会いたいよ。

青年館で待ってまあす!(にっこり)

三日間。私はたったの三日だけだったのだが。
この幸福な三日間は、私の胸にしっかりと刻み込んだから。

みっちゃんに。みんなに。
ありがとう。

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