世間さまがベルばら外伝なるもので大騒ぎなときに何をズレた話をしてるんだかってカンジですが、私の2007年総括の脚本大賞は『コンフィダント・絆』です。
え、そもそもヅカと外部を比べることに問題ありですか?つか年間1本しか非ヅカを観なかった人間に、いきなりそんなこと言われても(笑)。

恐らくヅカファン、OGファンしか来てくださっていない(こんな偏ったブログをどなたが読んでくださっているのかと、いつも感謝しております。ありがとうございます)うちでこんな話してもなんですが、以下独り言をブツブツ。

私ね、三谷幸喜氏はそれでもファンと言えるぐらい長年舞台観続けていた過去があるのです。いまや真のチケ難公演となり相当の情熱(か、お金)がないとチケ取りが叶わず、その情熱(と、持てるわずかなお金)をヅカに注いでしまっているゆえ、なかなか観劇の機会がないのですが。『コンフィダント・絆』も、自分は棚ボタで観られたようなもので。(kineさんすぺさるさんくすです)

三谷氏の舞台を観ていつも何にビクリーツするかって、「伏線をすべて回収している!」という(笑)。
こんなん演劇の基本かもしれないけど、ヅカはそれすらマトモに行われていないことが少なからずあるからね。ただヅカに求められているのは脚本以外のものが大きいので、それでも成立するんだと思うけど。
でもヅカ観る比率のほうが圧倒的に大きくなった今では、三谷氏観るとそんな当たり前のことにさえ感動してしまう。

そして『コンフィダント・絆』は、過去に観た三谷作品の中でも最上級と呼べると、私は思うのです。
泣くとかそういう問題じゃない、身体がガクガクと震えて止まらないほどの衝撃と感動。
観劇後の無責任で楽しい感想語りのお茶は欠かせないものですが、渋谷でコーヒー飲みながら言葉なんて出てこなかったもん。
無言で向かい合う、kineさんと私。

なのに後日、せっせとヅカ版妄想配役に勤しむ私たち(笑)。キャストが男四人(+女一人)で各々キャラ立ってるから、このやり取りは楽しかったですねえ。
元を観ているヅカファンが殆どいないって!書いても誰も分かんねーよっ!だけど、さらに独り言ね。

私はシュフネッケル@大和説を主張したのですね。
登場人物で唯一の超お気楽凡人。芸術家の中にいて一人空気読めない彼に苦笑しつつ、最後は彼の悲劇が凡人である己に重なり戦慄するしかないという恐ろしい構造劇の、その凡人シュフネッケルさんです。
本来、大和さんは天才だと思う。「青が見える」ゴッホであるとも言える。
しかもゴッホ@大和さんは自分に「青が見える」ことの重要性すら認識できず、「青~!あお~!(ニコニコ)」とキャンパスに青を塗りたくり、周囲を無邪気に傷つけ、なおそれにも気づかずニコニコ笑っていそうな最強の天才(もしくは馬鹿)。
女転がすのはお手のものなゴーギャン@大和さんもあり。天才ゴッホに振り回され、かつ彼こそが実はゴッホに依存しているという哀しい人。
テンテンの人、スーラは無いだろうけど(笑)。

でも、敢えてシュフネッケル@大和さんで。

大和さんのすごいところは、まったく空気が読めないところだと思うんです。
真面目で一生懸命で誠実なんだけど、ただ、まったく空気が読めない。周りが見えていない。
唯一無二である彼の「大和悠河」という魅力は、そこに端を発しているのです。

ゴッホにしてもゴーギャンにしても、もちろんスーラも、自分や相手(の才能や立ち位置)を分かっていて、それを踏まえて甘えや計算の上に行動している。
その時点で、それは私に言わせるとタニじゃないです。いくら青が見えても、女転がせても、タニじゃない。

現実の彼は天賦の才である非凡な輝きを持っているので、空気なんか読めずにきらきらしていればいいというか、それがむしろ武器というか。
だからゴッホなのかもしれないけれど、計算して行動しちゃうなんてタニじゃないの。

じゃあシュフネッケル@大和さんがみんなのコンフィダントに成りうるのかというと、無理かも。ラストシーンもブチ壊しそう。それってもう『コンフィダント・絆』じゃないって(笑)。

それでも大和悠河は空気が読めないことが最大の長所(を生み出す大元)なわけで。
だから、シュフネッケルさん。これしか私には考えられない。

kineさんに「ジュンタンってやっぱりタニ好きなんだね」と(ため息混じりに?)言われましたが、たしかに屈折した、でも愛があるのかもしれません。

だから相当、屈折してますが(笑)。

かしちゃんはスーラかなあ。イタい、これはイタい。観たら辛くて死ぬ、そしてだからこそまた観たい。そんなスーラ。
や、今はオンナノコですからね、かし子ちゃん。スーラ演る必要は無いって(笑)。

って、誰が分かるんだこの話?!大阪公演を観たこあらったさんとnanaたん、いかがですか?

余談ですが、相島一之氏は善良な凡人を演らせるとピカイチそうでいて、三谷氏がよく振っていることでも明白なように「黒」も壮絶に似合う人なんですね。
なんで観ながら最後まで「もしや実は黒シュフネッケルさん?」との考えも捨てきれなかった(笑)。それこそ『コンフィダント・絆』じゃなくなっちゃうけど。

少しは外の舞台も観なきゃなあということも含め、いろいろ考えさせられた『コンフィダント・絆』でした。

さらに余談。私が三谷作品で五本の指に数えるものの中に、『彦馬がゆく』があります。この作品に出てくる神田小豆が三谷作品の女子キャラでいちばん好きと、私は長年言い続けてきました。

小豆ちゃんは、一途に坂本竜馬を愛するオンナノコなんです。
かしちゃんの竜馬に惚れこんだそのとき、自分がえんえん小豆ちゃんを愛してやまなかったのは、この竜馬に会う日が来るからだったのだ……と、真剣に思いました。すげー無理やりなこじ付け(笑)。だけど、そう信じてる。
『彦馬がゆく』のときの坂本竜馬が松重豊氏で、そりゃあもう冷徹で恐かったんだわ。
ちなみに小豆ちゃんは酒井美紀ちゃん。彼女は実生活でも竜馬フリークだったはずです。

そんなこんなで、2007年総括今度こそ終了。
無駄に長いうえに意味不明の「おまけ」をここまで読んでくださったかたがいらっしゃいましたら、ありがとうございます。

コメント