はい。あたしのための新公。

ほほほほほほ。

昨年、ムラ公演のときの話。
「幕開きしいちぐ!」
私のしいちぐマニアを知る友人たちから続々とそんな連絡が入り、さすがに苦笑したものだった。
幕開きしいちぐ!なんつーオイシさ!しかも冒頭台詞はみきちぐ!
『エル・アルコン―鷹―』というこの壮大な(たぶん)物語は、ちーくんによって口火を切られるのだ。
そして、しいちぐ。ほほほほほほ。
新公で、そのしいちゃんのお役ジェラードを演るのはドイちゃん。
「ドイちゃんのフィギュア、どこかに売ってませんか?」でお馴染みの(世間には馴染みなど無い)(単なるあたしの口癖)、かのドイちゃんである。

新公の幕が上がった。

うおっ。

幕開きドイなおき!

のけぞりましたがな。
シュルベリー司教@直樹くん。いつも気になる下級生。
気になりはじめたのは、『長崎しぐれ坂』の精霊流しの男だ。当時研2でありながら、やたら哀愁漂うその背中。大きくて目立つガタイと共に、どうにも目が離せなくなった。
学年が上がってきて気づいたのだが、要は芝居が上手いのだ。どうりでいつも目に飛び込んでくるはずだ。
「オトコのシュミが似ている」kineさんといつも話題にしている直樹くんが、これまたいつも話題にしているドイちゃん(なんせドイちゃんのフィギュアが欲しい私だからな)と、二人して舞台の上に立っているという!

はい。あたしのための新公。

ほほほほほほ。

もお幕開きからテンション全開の私。

直樹くんの上手さに驚かされた。シュルベリー司教って難しいお役だと思うの。聖職者である外面の奥の奥に、どこか怪しさを臭わせなければならない。だが、あきらかに胡散臭いようではおかしい。
ちーくんはそれをさりげなく演っちゃえる人だけど、新公学年であのバランスを絶妙に出せている様はお見事。
そしてドイちゃんの異様な若さ(笑)にも驚かされた。だっ、大丈夫か後半?!こんなんで歳とれるのかっ?!
ドイちゃん、がががが頑張れっ!(涙目)

うふうふふふ。そんなの杞憂にすぎなかったけどねっ。

だからドイちゃん大好きよっ(はあと)。

ジェラード@ドイちゃんは、子ティリアン@まいけるの手によって逃亡する。
するとだ。子ティリアンの前に、やたら美形なティリアンパパが登場するではないか。
紅くんだっ。お髭のお顔の、なんつー美しさ。この無駄にキレイなパパってば!

「あああァくうぅぅうむあああむええェェええ!」(注・「悪魔め!」)

熱い、熱いよさゆみちゃん。これでもかと演りすぎで、たまらなくステキ。
セリ下がるその指先の、最後の一本に至るまで熱かった。
さゆみちゃんてばっ!

演りすぎのステキさと愛しさ。
演れない人は、どうあがいても演れないんだもの。演りすぎはいつでも削れる。今は演りすぎでちょうどいい。それがステキなの。私はそう思うの。

演りすぎと言えばお馴染みの(なのか?)しーらんは、とよこちゃんのお役エドウィン。
いつも演りすぎのしーらんが、几帳面に抑えた演技をしていることにも驚かされた。
お役に合わせて丁寧な芝居をしているんだろうなあ、上級生になったんだよなあと、そんなしーらんに感動してしまう。
エドウィンという脚本上損な、普通の人を普通にこなすことを要求される厄介なお役。ここまで持ってこれたのは、普段演りすぎができるしーらんだからこそのことだと思う。

るりかちゃんがかしちゃんにソクリーツな件について。
つか、キレイっ!めちゃめちゃキレイなんですけどっ!
素顔がキレイな人であるのは分かりきっていることだけど、だからと言って舞台の上でキレイに見えるかというと、これはまた別の問題で。
舞台で自分を美しく見せる方法がまだまだ分かっていない、その美貌を生かしきれていないようなもどかしさを、彼に感じたこともあった。下級生だし、経験が足りないだけなのだとは思うけど。
しかし、今回のマスターズ@るりかちゃんは、ほっんとおおおおおおにキレイだった。見せかたが分かってきたのか、天性の美貌が冴え渡って圧巻の美青年。
そして、あの目。くるくるお目目。だめだ、かしちゃんにしか見えなくなってきた。
ちょっとした仕草や帽子の被り方まで、かしちゃんに似てるような?ような?ような。

真風くんがしみこちゃんにソクリーツな件について。
見た目はミズくんなの。これもソクリーツなの。
初舞台当初から「オサちゃん」だの「ミズくん」だの言われていた彼の口上の日をたまたま観ているのだが、一歩前に出たとたん客席がざわついたのを覚えている。「ほら、あの子……」「オサ」「ミズ」みたいな(笑)。
今はミズくんそっくりに見えるけど、喋り出したらまんましみこブラックだった。
しみこちゃんが「荒くれ海賊風味」(なの?)に工夫していると思われるあの若干不思議な癖(笑)をつけた節回し、どう演ったらあそこまで同じに喋れるんだと(真顔)。
声質も似ているのかなんなのか、目え瞑ったらしみこにしか聞こえない。しみこ本人と途中で入れ替わってたとしても、お顔見なきゃ絶対気づかない自信があるわ(素)。
大きいお役だけど、真風くんまだ研2なんだとあらためて思わされる。しみこちゃんを必死に見て、見て、見て、台詞を必死に聞いて、聞いて、聞いて、それこそ必死に踏襲したんだろうなあ。その懸命さが愛しい。

今回の新公で、87期は卒業となる。
新公スキーとしてどの組の新公もできるだけ観るようにしているが、特に星組は87期あたりだとほぼ完全制覇に近い勢いなので(星組スキーでもあります)、コロちゃんのご挨拶にこっちまで勝手に感無量になってしまう。

7年間お疲れさまでした。

そして、無意識にカマちゃんを探している自分にもまた驚く。
カマちゃんがいないことに不思議な感覚に囚われ、でも、いくら探しても。

いくら探しても。

舞台の上にカマちゃんはいない。

寒風吹き荒ぶ中、出のギャラリーまでするモノズキな私(とkineさん)。
前回の新公では、終演後の第一声が二人して「カマちゃんキレイよね~~~っ」。
「かっこいわあ!」「しかもすげー上手いしっ!」(とにかくオトコのシュミが似ている私たち)(笑)、えんえんカマちゃん大絶賛!
「……だったよね」と、しみじみ言ってみたりする。
この新公がカマちゃんにとって大きな飛躍への足がかりになると、あの日私は確信した。
飛躍も飛躍、まさか外へと羽ばたいてしまうだなんて。

あのときは夢にも思わなかったけど。

今日は客席にいてくれたのかもしれない。
たとえ違う道であっても、その場所でカマちゃんがさらに大きく飛躍してくれますよう。
心から祈っています。

それでねえ。

あのねえ、あのねえ。

ジェラード@ドイちゃんてば、イザベラ@しずくちゃんと子ティリアン@まいける連れて、自分のガードの前にトコトコやってきたんですよおおお。
でね、ぴょんぴょん跳ねながらこう言ったの。

「一緒に来ましたあ!家族でえす!」

ごおおおおおおっ、ぐおふォげっぐふぐふぐごっっ!
(あまりのドイちゃんのかわいさに、道端で吐血)

あのあのあの。

ドイちゃんのフィギュア、どこかに売ってませんか?
(できればスイッチ入れると喋るやつね)(カゾクデエス!)

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