七つの海七つの空@『エル・アルコン―鷹―』東宝新人公演・その2
2008年1月23日 星組で、ティリアン@ともみん。
私、このティリアン好きです。
『エル・アルコン−鷹−』、おもしろいです、楽しいです。とにかく派手な舞台だし、かっこいいし。
ただ、王子さまがいない。
なんせ私はヲトメなジュリエット。
ストーリーを追った一回目、人海戦術の組子点呼に追われた二回目、そしてやっと落ち着いて三回目を観たとき叫んだんですって。「王子さまが出てこないわっ!」(今頃気づくな)
なんせ私はヲトメなジュリエット。
「アイツとっても悪い奴よ!私、見ちゃったの!」、そう言いたくなった(笑)。だいたいジュリエットよりもっとたくさんティリアンの悪事見ちゃうし。
ティリアン@瞳子ちゃんは当たり前だけど上手いんですよね、上手すぎる。ほんと黒いんだもん(笑)。
己の野望のためなら手段を選ばない、とっても悪い奴よ!私、見ちゃったの!ティリアンとして、それは正しい。正しいんだ。
この非宝塚テキとも言えるダーティーヒーローを、まだまだ経験の浅い新公学年で演るのは、誰だったとしても大変だと思う。王子さまのほうが簡単でしょ。
(や、簡単でもないんだけどね、ほんとうに真っ白になるなんて実は真っ黒より大変でね、と王子について語りだすと長いので以下自粛)
ともみんは、よく演っていたと思う。感情を抑えて、冷徹非道なティリアンに徹し……ほんとよく演っていたと思うけど、やはり徹しきれない。
抑えきれない感情が、そして彼自身の白い持ち味と若さが迸る瞬間が、たしかにある。
そこがたまらなく好き。
ティリアンが王子さまに成りうるの。
ティリアンに感情移入できるの。
純粋に七つの海七つの空を追い求めて、結果悪に手を染める、染めざるをえない彼の哀しみを思うの。
あなたに七つの海と七つの空を見せてあげたい。本気でそう願った。
つか、あたしもあなたと一緒に七つの海と七つの空を見たいわっ!
(お目目キラっキラ)(完璧にニコラス@お稚児さん状態なあたし)
ティリアンとギルダが白い船で旅立っていくラストシーン。
求め続けた、七つの海七つの空へと。
ごおごお泣きました。
最初から彼がギルダに惹かれていたのも分かった。
今まで、どこまでが手段でどこからが愛なのか、今ひとつ分からなかったんだけど。(だってティリアンとっても悪い奴なんだもん)(シツコイ)
そして、ジェラード@ドイちゃん。
冒頭誓い、回想のルーツ、若き日のジェラードがあまりにも若すぎで、もうどうしようかと。
元々、「ドイちゃん、大丈夫かっ」って心配してた(失礼な)んですって。あのお役はしいちゃんの大人の包容力とおおらかな太陽の持ち味あってのものだと思っていたから。
私、ジェラードが実は悪人かもって気づいたのは、四回目観たときだし(ほんと頭悪いから)。スパイって社会的にいいことじゃないやん!イザベラにもティリアンにも酷い事してるやん!
スパイ行為は自分のルーツに対しては正義だし、形として捨てることになったとはいえ、自身はイザベラもティリアンもずっと大切に思ってきた。ジェラードはジェラードとして己の正義に則って行動しているのだろうし、しいちゃんのおおらかさで演られるとこっちも騙されちゃうのだ。
あれはしいちゃんだからなんだよなあ。
そもそも老けたドイちゃんが想像できなかった。うーん。
ルーツの肘打ちプレイ、しいちゃんだと「まあまあ」みたいな大人の味なんだけど、ドイちゃんてば「エエエェェーーーイっ!」ってどこの中学生か?てなことになってるし(笑)。
再会で分かった。
ドイちゃんは(今の経験値では)老けるのには限度がある。
だからこそ最初は思いっきり若くしたのだと。そうすれば歳を重ねたときとの差が付くし、それは成功していたと思う。
ジェラード@ドイちゃんは、ピュアでキラキラだった。
再会した息子、愛するティリアンを見る目がキラキラで。
老いても、純粋な少年の眼差しで。
そのティリアンが、自分をも踏みつけようとしていることを理解した瞬間の目が。
ティリアンを見つめる目が。哀しい目が。
ほんとうに哀しい目が。
息子の手に因ってロープを掛けられるから哀しいんじゃない。
それでもなお、彼はティリアンを愛しているから。
そして案じているから。
だから哀しくて。
そんなジェラードの哀しい目が。
泣けちゃうのおおお。
あの純粋な目が、一瞬にして哀しい色に変わる。
せつないの。苦しいの。
ドイちゃあああん、好きだああああああ!大好きだあああああ!(号泣)
あたしのドイちゃんを哀しませる奴は許さないわっ!
誰なのっ、出てこいっ!きィィィィィっ!
(それはさっきあなたがたまらなく好きだと言ったともみんですがなにか)
オレンジもぎはそもそも本公でも泣きなんだけど、やっとつかんだ穏やかなしあわせ、現世ではつかめなかったしあわせな家族の図……ジェラード@ドイちゃん、イザベラ@しずくちゃん、子ティリアン@まいけるに、こっちがあの世にいきそーなほど(相変わらず大げさ)泣きました。
その三人が「家族でえす!」ってトコトコ出をしてくれるんだから、そりゃあ道端で血も吐くというものです(真顔)。
ジェラードというキャラとしてはもっとこうあるべきだとか、そういった課題はもしかしたら残ったのかもしれません。
でも、観客を惹きこむという点に於いて、ドイちゃんのジェラードはまぎれもなく正しかった。そして、ドイちゃんのジェラードとしてきちんと成立していた。
それってすばらしいと思うの。
この新公が『エル・アルコン−鷹−』として正しいのか、各々のキャラとして正しいのか、それは分からない。
でもみんな間違いなくすっごく魅力テキで、こんなにもドキドキさせてくれて、こんなにも泣かせてくれるんだから。
それはエンターテイメントとして、めちゃめちゃ正しいのだ。
女王エリザベス@コロちゃん、すげかったです。本役のエレナさんはエレナさんでおもしろいんだけど、それとは別方向におもしろく、かつ毅然とした美しい「女王」でした。
つか、サンタクルス@水輝くんとともにオープニング銀橋から既に登場してるし(笑)。
プリマスや愛人たちのはじけっぷりに(こんな濃い愛人ばっか揃えてるパーシモン卿って実はすげくね?)、やっぱ星組ステキ!思ったし(笑)。
あ、ニコラス@お稚児さんと書きましたがこれは本役の話で、れんたのニコラスはお稚児さんじゃなかった(笑)。有能な水夫長でした。
これはゆかりちゃんの持ち味、れんたの持ち味各々で、どちらもアリかと。
あああ~~~、楽しかったああっ!
そう、カマちゃんやはり新公観ていたそうです。そりゃ当然かもだけど、嬉しくなっちゃうなあ。タレコミありがとうございます!
私、このティリアン好きです。
『エル・アルコン−鷹−』、おもしろいです、楽しいです。とにかく派手な舞台だし、かっこいいし。
ただ、王子さまがいない。
なんせ私はヲトメなジュリエット。
ストーリーを追った一回目、人海戦術の組子点呼に追われた二回目、そしてやっと落ち着いて三回目を観たとき叫んだんですって。「王子さまが出てこないわっ!」(今頃気づくな)
なんせ私はヲトメなジュリエット。
「アイツとっても悪い奴よ!私、見ちゃったの!」、そう言いたくなった(笑)。だいたいジュリエットよりもっとたくさんティリアンの悪事見ちゃうし。
ティリアン@瞳子ちゃんは当たり前だけど上手いんですよね、上手すぎる。ほんと黒いんだもん(笑)。
己の野望のためなら手段を選ばない、とっても悪い奴よ!私、見ちゃったの!ティリアンとして、それは正しい。正しいんだ。
この非宝塚テキとも言えるダーティーヒーローを、まだまだ経験の浅い新公学年で演るのは、誰だったとしても大変だと思う。王子さまのほうが簡単でしょ。
(や、簡単でもないんだけどね、ほんとうに真っ白になるなんて実は真っ黒より大変でね、と王子について語りだすと長いので以下自粛)
ともみんは、よく演っていたと思う。感情を抑えて、冷徹非道なティリアンに徹し……ほんとよく演っていたと思うけど、やはり徹しきれない。
抑えきれない感情が、そして彼自身の白い持ち味と若さが迸る瞬間が、たしかにある。
そこがたまらなく好き。
ティリアンが王子さまに成りうるの。
ティリアンに感情移入できるの。
純粋に七つの海七つの空を追い求めて、結果悪に手を染める、染めざるをえない彼の哀しみを思うの。
あなたに七つの海と七つの空を見せてあげたい。本気でそう願った。
つか、あたしもあなたと一緒に七つの海と七つの空を見たいわっ!
(お目目キラっキラ)(完璧にニコラス@お稚児さん状態なあたし)
ティリアンとギルダが白い船で旅立っていくラストシーン。
求め続けた、七つの海七つの空へと。
ごおごお泣きました。
最初から彼がギルダに惹かれていたのも分かった。
今まで、どこまでが手段でどこからが愛なのか、今ひとつ分からなかったんだけど。(だってティリアンとっても悪い奴なんだもん)(シツコイ)
そして、ジェラード@ドイちゃん。
冒頭誓い、回想のルーツ、若き日のジェラードがあまりにも若すぎで、もうどうしようかと。
元々、「ドイちゃん、大丈夫かっ」って心配してた(失礼な)んですって。あのお役はしいちゃんの大人の包容力とおおらかな太陽の持ち味あってのものだと思っていたから。
私、ジェラードが実は悪人かもって気づいたのは、四回目観たときだし(ほんと頭悪いから)。スパイって社会的にいいことじゃないやん!イザベラにもティリアンにも酷い事してるやん!
スパイ行為は自分のルーツに対しては正義だし、形として捨てることになったとはいえ、自身はイザベラもティリアンもずっと大切に思ってきた。ジェラードはジェラードとして己の正義に則って行動しているのだろうし、しいちゃんのおおらかさで演られるとこっちも騙されちゃうのだ。
あれはしいちゃんだからなんだよなあ。
そもそも老けたドイちゃんが想像できなかった。うーん。
ルーツの肘打ちプレイ、しいちゃんだと「まあまあ」みたいな大人の味なんだけど、ドイちゃんてば「エエエェェーーーイっ!」ってどこの中学生か?てなことになってるし(笑)。
再会で分かった。
ドイちゃんは(今の経験値では)老けるのには限度がある。
だからこそ最初は思いっきり若くしたのだと。そうすれば歳を重ねたときとの差が付くし、それは成功していたと思う。
ジェラード@ドイちゃんは、ピュアでキラキラだった。
再会した息子、愛するティリアンを見る目がキラキラで。
老いても、純粋な少年の眼差しで。
そのティリアンが、自分をも踏みつけようとしていることを理解した瞬間の目が。
ティリアンを見つめる目が。哀しい目が。
ほんとうに哀しい目が。
息子の手に因ってロープを掛けられるから哀しいんじゃない。
それでもなお、彼はティリアンを愛しているから。
そして案じているから。
だから哀しくて。
そんなジェラードの哀しい目が。
泣けちゃうのおおお。
あの純粋な目が、一瞬にして哀しい色に変わる。
せつないの。苦しいの。
ドイちゃあああん、好きだああああああ!大好きだあああああ!(号泣)
あたしのドイちゃんを哀しませる奴は許さないわっ!
誰なのっ、出てこいっ!きィィィィィっ!
(それはさっきあなたがたまらなく好きだと言ったともみんですがなにか)
オレンジもぎはそもそも本公でも泣きなんだけど、やっとつかんだ穏やかなしあわせ、現世ではつかめなかったしあわせな家族の図……ジェラード@ドイちゃん、イザベラ@しずくちゃん、子ティリアン@まいけるに、こっちがあの世にいきそーなほど(相変わらず大げさ)泣きました。
その三人が「家族でえす!」ってトコトコ出をしてくれるんだから、そりゃあ道端で血も吐くというものです(真顔)。
ジェラードというキャラとしてはもっとこうあるべきだとか、そういった課題はもしかしたら残ったのかもしれません。
でも、観客を惹きこむという点に於いて、ドイちゃんのジェラードはまぎれもなく正しかった。そして、ドイちゃんのジェラードとしてきちんと成立していた。
それってすばらしいと思うの。
この新公が『エル・アルコン−鷹−』として正しいのか、各々のキャラとして正しいのか、それは分からない。
でもみんな間違いなくすっごく魅力テキで、こんなにもドキドキさせてくれて、こんなにも泣かせてくれるんだから。
それはエンターテイメントとして、めちゃめちゃ正しいのだ。
女王エリザベス@コロちゃん、すげかったです。本役のエレナさんはエレナさんでおもしろいんだけど、それとは別方向におもしろく、かつ毅然とした美しい「女王」でした。
つか、サンタクルス@水輝くんとともにオープニング銀橋から既に登場してるし(笑)。
プリマスや愛人たちのはじけっぷりに(こんな濃い愛人ばっか揃えてるパーシモン卿って実はすげくね?)、やっぱ星組ステキ!思ったし(笑)。
あ、ニコラス@お稚児さんと書きましたがこれは本役の話で、れんたのニコラスはお稚児さんじゃなかった(笑)。有能な水夫長でした。
これはゆかりちゃんの持ち味、れんたの持ち味各々で、どちらもアリかと。
あああ~~~、楽しかったああっ!
そう、カマちゃんやはり新公観ていたそうです。そりゃ当然かもだけど、嬉しくなっちゃうなあ。タレコミありがとうございます!
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