夏の思ひ出。

2008年8月1日 宝塚
公演カクテルの画像をわざわざクリックしてくださった方もそういらっしゃらないと思うので、自分からバラすこともないのだが、私はものっそ写真が下手だ。
だいありーに出る小さい画像レベルではさして気にならないが(たぶん)、拡大してみると、ことごとくピントがズレているのが分かる。
後ろの壁。テーブル。コースター。

一枚としてカクテルにピントが合っているものがないっていったい?

もちろん、何枚も撮ったさ。一生懸命撮ったさ。
蘭寿とむさん(違)がドロドロになるまで撮ったさ。

UPしたやつが、いちばんマシなレベルだったわけで(凹)。

だから私は写真がものっそ下手だ。
デジカメ片手に入り出をギャラってみたりするけど、皆がその写真を見て絶句する。

一枚としてじぇんぬさんにピントが合っているものがないっていったい?

そのときの言い訳は決まっていた。
「だって、じぇんぬさん動くんだもん」

じぇんぬさんは止まらない。
ガードの前でも、正確には静止することがない。
選挙のときの投票所の政治家みたいに、一時停止してポーズのひとつでもとってくれたら、私だってせめてじぇんぬさんの顔が判別できる程度の写真ぐらい撮れるはずだ。

それ以前に、よく東宝前のブロックやら道やらのスチール写真を撮って帰ってくるのは、どうしたものかと。

だって、じぇんぬさん動くんだもん。

そういう問題ではなかったようだ。
静止したカクテルすら、まともに撮れない私だったなんて。
せつない。

そう。
去年、博多座に行った。
単星の私は、カマちゃんつー人が好きだった。
カマちゃんはまさかまさかの博多座退団で、その千秋楽を見送るために博多まで飛んだのだ。
出も見たくて、暑い中を待った。本当に暑い日だった。溶けそうに暑い日だった。

やがて白いスーツを身に纏ったカマちゃんが出てきた。
カマちゃん最後の出。
私は泣きながら、一枚だけシャッターを切った。それ以上は無理だった。

カマちゃん、ありがとう。ありがとう。しあわせな舞台を今までほんとうにありがとう。

後で画像を確認してみて、心底驚いた。
そこには、見知らぬ博多のおばちゃんが一人、ドアップで写っていたからだ。

アンタ誰……。

ガードの方たちでも、ギャラリーでもない。
あきらかに通りすがりの、博多のおばちゃん。
いきなりフラッシュを浴びたせいか幾分驚いた顔の、博多のおばちゃん。
こういうときだけよりによって鮮明なドアップの、博多のおばちゃん。
しかもおばちゃん、メガネっ子(どーでもいーから)。

カマちゃんは何処……。

でも、私は覚えている。
あの日のカマちゃんが、どんなに美しかったか。
あの日の船長さんが、どんなにかっこよかったか。

涙を溜めながらのパーカッションを。
端正なキャリオカを。

そして、あの輝くゴスペルの顔を。

全部、私の心のネガに、くっきりと焼き付けてあるから。

それで、いい。

えーと。キレイにキメてみたつもりだが、かなーりベタだったかしら?(焦)

でも、ほんとにね。あの日の全身でゴスペルを歌い踊るカマちゃんの顔思い出すと、今でも泣けちゃう。

一年前の、夏。

月組さん、博多座初日おめでとうございます。
今年の博多座も、輝ける日々でありますよう!

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