続・ある兄弟漫才の物語。
2008年9月28日 星組9月28日夜。
東宝では『スカピン』の貸切公演が行われた。アドリブが期待されると専ら言われている、あの農協貸切である。
しかし、これから書こうとしているのは、その話ではない。
これはそんな農協貸切の日にあるギャラリーが見た、ある兄弟漫才の出の物語である。
兄弟漫才。そう、この漫才には兄弟が登場する。
兄を仮にさゆみ、弟を仮にしーらんと呼ぶことにしよう。
って、これには元ネタがある。
http://73628.diarynote.jp/200802071000260000/
元ネタ……最初に書いた兄弟漫才は2月5日、8ヶ月近くも前のネタであり、いまさらそんなものを持ち出してきても誰も覚えちゃいないって話だが。
まあ、書いた私は覚えているのだ。良しとしようではないか。(え?)
で、9月28日。この日は小雨が降っていた。
そんなそぼ降る雨の東宝ガードの前を堂々と相合傘で通る、大胆な二人組がいた。
いやああん、どこの誰だか知らないけど仲良しさんなんだからあ、人目があるでしょ人目があ……って?
兄弟じゃんかっ!
そう。
兄さゆみと弟しーらんが、一本の傘で仲良く出てきたのである。
すみませんすみませんすげーテンション上がりました、はい。
兄さゆみはサングラス、青いシャツにブラウン系のパンツ。弟しーらんは綺麗にメイクされたサングラス無しの顔出しで、紺のボレロの下からブルーのパーカーを覗かせて。
にしても兄といい弟といい、ったく美形兄弟もいたものだ。(いや血は繋がってないから、多分)(多分て!)
この二人、楽屋口から兄さゆみが左、弟しーらんが右で並んで歩いてきた。
そのままガードの前に到着し正面を向いた二人を、想像して欲しい。
彼らのガードは劇場側、上級生である兄さゆみ会が弟しーらん会より楽屋口寄りで、隣同士となっている。つまり、彼らから見て右手が兄さゆみ会である。
もう一度言う。
兄さゆみが左、弟しーらんが右で並んで歩いてきた。
そのままガードの前に到着し正面を向いた二人を、想像して欲しい。
彼らから見て右手が兄さゆみ会である。
立ち位置、逆ですがな!
なのに素知らぬ顔のまま、満面の笑みで「お疲れさまでした!」とファンに言う二人。
それぞれが、自分の会じゃないガードの前で。
あくまでも素知らぬ顔で、そして。
「あう?!」
「んん?!」
「逆、ぎゃくだあ~~っ、逆っ!」(だから皆知ってるから)
(爆)
なんつー息の合った漫才コンビっぷり!!
はい、二人入れ替わった、定位置に付いた、ここから兄弟漫才さらにヒートアップ!!
と言いたいところだけど、ごめんなさい。
もんのすごい数のギャラリーがどあどあどあっと二人の元に集結、フラッシュがバシバシ焚かれ、あたりは騒然としてしまい、出遅れた私……じゃない、あるギャラリーの耳には二人の漫才なんてそれ以上届いてこないのだから。まぢで。
風だ。
風が来ている。兄さゆみに、弟しーらんに。
それを、実感した。
ビジュアルも美しく元々組ファンには人気の高い二人だが、なかなか大きい役が付かないというのも、これまでの現実にはあったと思う。
だが、二人はどんな場面でもどんな役でも決して手を抜かず、いつもやる気満々の舞台を見せてくれていた。
やりすぎなまでの小芝居、じぇんぬとしてNG顔にはならないかと心配になるぐらい(笑)表情激しく感情豊かに、その場面を、その役を、いつも真剣に生きていた。
役の大小ではない。
舞台人としての在り方の大小で、彼らは常にでっかい人で在り続けた。
自分らしく在るということを、その舞台姿は叫び続けていた。
だから、彼らに『アンナ・カレーニナ』が。カレーニンが、コスチャが来た。
だから、彼らにスカピン団が。ベンが、ハルが来た。
そして、兄さゆみに最後の新公で主演が。パーシーが来た。
今、彼らに風が来ている。
彼らを一目見ようと多くのギャラリーが雨の中を待ち続ける、これぐらいのことは、この風のひとつの形でしかない。
彼らに大きな風が来ている。
この風は、偶然ではない。
これは必然の、彼らの今日までの在り方があったからこその、風なのだ。
あれ?
兄弟漫才の話をするつもりだったのに、なんだか真顔で語ってしまっているではないか(恥)。
「兄弟ともども、よろしくお願いしまあす!」
この日の漫才の締めである二人の言葉はあたりに大きく響き渡り、それはあるギャラリーの耳にも聞こえてきた。
ヲイ、やっぱ兄弟なんかいっ(笑)。
新公主演で結果を出し、完璧に時の人となった兄さゆみ。
彼は弟しーらんをいつも気にかけ、「兄弟ともども、よろしくお願いしまあす!」という優しさを忘れない、ステキなお兄ちゃんなのだ。
そんな兄さゆみを慕い、付いていく弟しーらん。
このまま風を受け、二人とも高く、もっと高く上へと羽ばたいていってくれることだろう。
幻のユニット、紅5。
兄さゆみが紅1、弟しーらんが紅2だという(ただしこれは弟の主張、元ネタ参照)、かのユニットである。
そのデビューの日、それは本当に近いと言っても、もはや過言ではない。(いやそれは流石に過言だろ)
最後に兄の会にも弟の会にも二人してぶんぶんと大きく手を振り、そのすぺさるな笑顔で両会ガードとギャラリーを完全に溶解させて、兄さゆみと弟しーらんは一緒に雨のガードを後にした。
『スカピン』千秋楽まで、あとわずか。秋の東宝に足を向けたら、あなたもこの兄弟漫才の、新ネタの目撃者になれる。かも。かも、しれない。
ただし、『鷹/蘭』の時との、大きな違いを言っておこう。
ギャラリー分厚いから、出遅れたら漫才は聞こえない。まぢで。
東宝では『スカピン』の貸切公演が行われた。アドリブが期待されると専ら言われている、あの農協貸切である。
しかし、これから書こうとしているのは、その話ではない。
これはそんな農協貸切の日にあるギャラリーが見た、ある兄弟漫才の出の物語である。
兄弟漫才。そう、この漫才には兄弟が登場する。
兄を仮にさゆみ、弟を仮にしーらんと呼ぶことにしよう。
って、これには元ネタがある。
http://73628.diarynote.jp/200802071000260000/
元ネタ……最初に書いた兄弟漫才は2月5日、8ヶ月近くも前のネタであり、いまさらそんなものを持ち出してきても誰も覚えちゃいないって話だが。
まあ、書いた私は覚えているのだ。良しとしようではないか。(え?)
で、9月28日。この日は小雨が降っていた。
そんなそぼ降る雨の東宝ガードの前を堂々と相合傘で通る、大胆な二人組がいた。
いやああん、どこの誰だか知らないけど仲良しさんなんだからあ、人目があるでしょ人目があ……って?
兄弟じゃんかっ!
そう。
兄さゆみと弟しーらんが、一本の傘で仲良く出てきたのである。
すみませんすみませんすげーテンション上がりました、はい。
兄さゆみはサングラス、青いシャツにブラウン系のパンツ。弟しーらんは綺麗にメイクされたサングラス無しの顔出しで、紺のボレロの下からブルーのパーカーを覗かせて。
にしても兄といい弟といい、ったく美形兄弟もいたものだ。(いや血は繋がってないから、多分)(多分て!)
この二人、楽屋口から兄さゆみが左、弟しーらんが右で並んで歩いてきた。
そのままガードの前に到着し正面を向いた二人を、想像して欲しい。
彼らのガードは劇場側、上級生である兄さゆみ会が弟しーらん会より楽屋口寄りで、隣同士となっている。つまり、彼らから見て右手が兄さゆみ会である。
もう一度言う。
兄さゆみが左、弟しーらんが右で並んで歩いてきた。
そのままガードの前に到着し正面を向いた二人を、想像して欲しい。
彼らから見て右手が兄さゆみ会である。
立ち位置、逆ですがな!
なのに素知らぬ顔のまま、満面の笑みで「お疲れさまでした!」とファンに言う二人。
それぞれが、自分の会じゃないガードの前で。
あくまでも素知らぬ顔で、そして。
「あう?!」
「んん?!」
「逆、ぎゃくだあ~~っ、逆っ!」(だから皆知ってるから)
(爆)
なんつー息の合った漫才コンビっぷり!!
はい、二人入れ替わった、定位置に付いた、ここから兄弟漫才さらにヒートアップ!!
と言いたいところだけど、ごめんなさい。
もんのすごい数のギャラリーがどあどあどあっと二人の元に集結、フラッシュがバシバシ焚かれ、あたりは騒然としてしまい、出遅れた私……じゃない、あるギャラリーの耳には二人の漫才なんてそれ以上届いてこないのだから。まぢで。
風だ。
風が来ている。兄さゆみに、弟しーらんに。
それを、実感した。
ビジュアルも美しく元々組ファンには人気の高い二人だが、なかなか大きい役が付かないというのも、これまでの現実にはあったと思う。
だが、二人はどんな場面でもどんな役でも決して手を抜かず、いつもやる気満々の舞台を見せてくれていた。
やりすぎなまでの小芝居、じぇんぬとしてNG顔にはならないかと心配になるぐらい(笑)表情激しく感情豊かに、その場面を、その役を、いつも真剣に生きていた。
役の大小ではない。
舞台人としての在り方の大小で、彼らは常にでっかい人で在り続けた。
自分らしく在るということを、その舞台姿は叫び続けていた。
だから、彼らに『アンナ・カレーニナ』が。カレーニンが、コスチャが来た。
だから、彼らにスカピン団が。ベンが、ハルが来た。
そして、兄さゆみに最後の新公で主演が。パーシーが来た。
今、彼らに風が来ている。
彼らを一目見ようと多くのギャラリーが雨の中を待ち続ける、これぐらいのことは、この風のひとつの形でしかない。
彼らに大きな風が来ている。
この風は、偶然ではない。
これは必然の、彼らの今日までの在り方があったからこその、風なのだ。
あれ?
兄弟漫才の話をするつもりだったのに、なんだか真顔で語ってしまっているではないか(恥)。
「兄弟ともども、よろしくお願いしまあす!」
この日の漫才の締めである二人の言葉はあたりに大きく響き渡り、それはあるギャラリーの耳にも聞こえてきた。
ヲイ、やっぱ兄弟なんかいっ(笑)。
新公主演で結果を出し、完璧に時の人となった兄さゆみ。
彼は弟しーらんをいつも気にかけ、「兄弟ともども、よろしくお願いしまあす!」という優しさを忘れない、ステキなお兄ちゃんなのだ。
そんな兄さゆみを慕い、付いていく弟しーらん。
このまま風を受け、二人とも高く、もっと高く上へと羽ばたいていってくれることだろう。
幻のユニット、紅5。
兄さゆみが紅1、弟しーらんが紅2だという(ただしこれは弟の主張、元ネタ参照)、かのユニットである。
そのデビューの日、それは本当に近いと言っても、もはや過言ではない。(いやそれは流石に過言だろ)
最後に兄の会にも弟の会にも二人してぶんぶんと大きく手を振り、そのすぺさるな笑顔で両会ガードとギャラリーを完全に溶解させて、兄さゆみと弟しーらんは一緒に雨のガードを後にした。
『スカピン』千秋楽まで、あとわずか。秋の東宝に足を向けたら、あなたもこの兄弟漫才の、新ネタの目撃者になれる。かも。かも、しれない。
ただし、『鷹/蘭』の時との、大きな違いを言っておこう。
ギャラリー分厚いから、出遅れたら漫才は聞こえない。まぢで。
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