えと、パラプリに戻ります。その4から続いて、ラルフ・ブラウンの話をもう少し。
引き続きネタバレ注意。


そんなこんなでDream Factory Inc.の一員となった、ラルフ・ブラウン@みっちゃん。
アニメヲタクの趣味が高じてアニメ会社に押しかけてきたのだというラルフは、常にわあわあと叫びまくる、ハイテンションで不思議な男。
スチュアート@大和さんにはやたらと親切だが、それが何故かは分からない。ラルフの言葉どおり、「ステキな先輩~!」と思っただけなのかもしれない。

場面は変わって、キャサリン@ウメちゃんの住むアパートメント。外にはスチュアートの自転車が停めてある。恋に堕ちた二人は、どうやらここでしあわせな時間を過ごしているらしい。
しかし、ここには既に、スチュアート奪回に執念を燃やすアンソニー@蘭とむちゃんの手が回ったようである。黒サングラスの部下たちが、付近を嗅ぎまわる姿が見られるのだ。

その一角に、黒サングラスを掛けたもう一人の男が登場する。
クールで男らしく、しかもやや怪しい雰囲気を醸しだすその男は、いつものハイテンションヲタクとは別人のようなラルフではないか。

「そう、彼はスチュアート・メンフィールド。間違いない。彼女はキャサリン・ホワイト。大丈夫、私のことはバレてない」
誰かと意味ありげな電話をするラルフ。

そして彼は電話を切り、サングラスを外して不敵な笑みを見せる。

初日。

……ここで、ドっと笑いが起こったんですよ。

だあめっ!みんな笑っちゃだあめ!ここ、笑うとこじゃないからっ!
ラルフは何者?え?もしかしたら悪役チームなの?って思わせるのが恐らく作者の意図であって、みっちゃんはクールにキメてる(つもりな)んだからっ!
笑っちゃだあめ!

でもねえ。
笑いますって、あれ。
ボタンを開けて胸元を緩めたシャツは、登場のときの(漫才師もビクリーツな)派手なチェックの作者曰く「カントリー風のファッション」のままで、(漫才師もビクリーツな)派手なチェックの蝶ネクタイを外しただけ。
片足裾まくりで膝出ししていたズボンは、いかにもなカンジできちんと下ろして。
でも髪型は、登場のときの(漫才師もビクリーツな)ブっ飛んだまま。
そこに、とってつけたような黒サングラス。
さっきまでハイテンションに叫びまくってたのに、中途半端に男らしい格好で、サングラス外して思わせぶりにニヤリとするんだもん。
ほんと、とってつけてるの。みっちゃんがじゃなくて、シチュエーションが全て。

みっちゃんが悪いんじゃない。みっちゃんは悪くない。
あの格好で「もしかして彼もブラック?」みたいな思わせぶりの顔されたら、そりゃあ客席は笑いますって。

しかも、みっちゃんにサングラス。ですよ。

宙担ならお分かりかと思いますが、みっちゃんはサングラスをしないことで有名な人です。
お化粧されているお稽古期間中はもちろんなのでしょうが、なんせ公演はじまって素っぴんで入り出されるときに、いつも堂々とサングラスなしだもん!ついでに眉毛もないもん!(笑)
ノーメイク隠しにサングラスをされることが殆ど当たり前の生徒さんの中で、それもスタークラスでの、みっちゃんのサングラスなし素っぴんは異色です。
眉毛のないお顔を気にもせず、へーきで?お手紙取られている姿はほわほわで、それはそれはかわいいのさ。

それが今回の集合日に、みっちゃんは黒サングラスで楽屋に入られたそうなんです。この話は、東にいる私の元にさえ即日情報が入ったぐらいの、宙担テキ大ニュースでしたから。

蓋を開けてみたら、舞台で黒サングラス。
宙担が多いであろう初日の客席に笑いを巻き起こすには、充分すぎるほどのネタです。

にしてもね。
ここでラルフに黒サングラス掛けさせる作者の手法って、どーにも安いよね。
ラルフが意味ありげな電話をするとして、サングラスで登場する必要性が分からん。いや、必要性なんかないわけで。
サングラスは、「もしかして彼もブラック?」という記号でしかない。
蝶ネクタイを外したり、ズボンをきちんと下ろしたりも、そう。必要性なんかないんです。ただ電話してるだけなんだから。

正体を隠して電話をしているつもりなら、その前にまず、一目でラルフと分かる(漫才師もビクリーツな)派手なチェックのシャツを脱げっ。

さらに記号のひとつとして、黒サングラスのアンソニーの部下たちと、黒サングラスのラルフをシンクロさせる、これも必要性なんかない。
ラルフの正体が明かされてみれば、アンソニーとは何の関係もなかったんだから。このとき周りに部下たちがいたのは、偶然だったってわけですよね。
最初にキャサリンのアパートの付近を部下たちにウロつかせることによって、スチュアートにアンソニーの手が回っていると客席に気づかせる。そこにラルフを登場させ、スチュアート奪回計画に何か関係があるように思わせておいて、最後に「いえ偶然でした」と。安っ。

そもそも、この電話するって行為そのものが安いんです(断言)。
これ自体が、単に「もしかして彼もブラック?」って記号でしかない。
ハイテンションなただのアニメヲタクとして登場したラルフに、実は裏があると客席に思わせるための記号なんだけど、ここで笑われてしまうみっちゃんの立場はどうよっ?!
かわいそうだ。いくらなんでもかわいそうだ。
みっちゃんはクールにキメてる(つもりな)んだからっ。

初日の客席があまりに笑うものだから、ラルフってば口元に湛えた不敵な笑みが崩れた。

「てへ☆」

そして暗転(爆)。
や、みっちゃんだって困っちゃっうよねええ。もお「てへ☆」って顔になっちゃう、むしろなるしかなかった?みたいな。

で、2回目に観たとき。
見事なぐらい、この場面で笑いは起こらなかった。
みっちゃんはクールにキメてきた。恐ろしいほどクールに。ビシっと。
(漫才師もビクリーツな)派手なチェックのシャツだろうと、(漫才師もビクリーツな)ブっとんだ髪型だろうと、そんなことどうでもよくなっちゃうぐらいクールに。
すっごい力づくで、キメまくりですよ。あの気合いでは、こっちは笑う隙なんか与えられません。

さすがみっちゃん!!!!!!

やはりあなたは恐ろしい子、転んでもただでは起きませんことよね!(ラルフ役=転倒かよっ)

そんな謎の男ラルフくん。その正体は……彼は、実は……。
って。
別にブラックでもなんでもなかったわけなんだけどお。

ブラックでもにゃんでも、にゃ、い!(だからリナたんから帰ってこいと)

で、続く(長っ)。

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