この話が難しいのは、登場人物の行動が悉くしちめんどくさいからなんですよね。
なんでそんな行動をとるのか、いちいち不自然なの。もっとふつーの方法がいくらでもあるだろうに、わざわざしちめんどくさいことやって、話をややこしくしている。
だって、そうしなきゃ「物語」が進まないから。だけど、その不自然な行動からはじまる「物語」は、どうしても全体的にチープな印象が拭えない。

なぜ、スチュアート@大和さんは、モダンアート界での今の地位を捨てて、一からアニメーション作家になろうとするのだろう。そんなことしなくても、夢を実現させる方法はいくらでもあるだろうに。
それも、大切な家族にも、今まで面倒を見続けてくれたプロデューサーのアンソニー@蘭とむちゃんやその仲間にも黙って、勝手に家を飛び出してまで。
大騒ぎになることは分かりきっているはずです。ただでさえ心に病を抱えている母が倒れることさえ、予想の範疇だと思えるんですけどね。

それでも黙って、彼は家を飛び出した。

ここで当然困ったのは、アンソニーです。
スチュアート・メンフィールドを失うことはアメリカアート界の損失であり、また自分のアートプロデューサーとしての地位の失墜にも繋がる。
なんとしてでも、スチュアートを連れ戻さなければならない。

アンソニーは自分の部下たちを使い、スチュアートを追跡調査させます。
そこで掴んだのは、スチュアートがオレンジ・カウンティのアニメーション会社に就職したということ。
そして調査の中から、キャサリン@ウメちゃんというアーティストとしての将来を夢見る、スチュアートと恋に堕ちた女の子の存在が浮上してきます。

キャサリンに、スチュアートの夢を諦めるよう、説得させる。
アンソニーの取ったスチュアート奪回の手段が、これです。
私に協力しなければ、君のアーティストとしての未来は無いと。
分かんない。なんでこんなしちめんどくさいことしなきゃないのか、全然分かんない。

アンソニーの部下がどれだけ優秀なのか知りませんが、出会ったばかりのキャサリンがどこまでスチュアートの心に入り込んでいるかなんて、外からの調査でどうして分かったというのだろう。スチュアートの心を動かせる人物と、なぜ断定できるの?
キャサリンの純粋さや、スチュアートを思う気持ちの深さだって、外からでは判断つかないでしょう?
そんなキャサリンを説得工作に利用するって、すごおおく効率の悪い方法だと思うのですよ。

つまりね。

これは、嫉妬ですね。

アンソニーが取り戻したかったのは、スチュアートのアートではなく、スチュアートという男そのものだった。
いつも自分の手の中にあった、スチュアートそのものを取り戻したかった。

スチュアートは、アニメーション作家になる夢よりも、もっと大きな望みがあった。
彼は、ただ、アンソニーという男の下から逃げ出したかったのだ。
幼い、何も分からないうちから自分を支配し、いつの間にか自分の心をがんじがらめにしてしまった、アンソニーの下から。

だから黙って、姿を消した。逃げ出すしか、彼には方法がなかったのだ。
家族にも何も言わず、そして、今までの自分を隠して新しい生活をはじめた。
アンソニーのいない世界で。

スチュアートを庇護し、愛し育ててきたアンソニーにとって、それは許される行為ではなかった。
しかもアンソニーの目が届かないのをいいことに、スチュアートは新しい恋を育んでいるようではないか。ますますもって許されるはずのない、アンソニーにとって有り得ない現実。

このキャサリンという邪魔な存在を消し、二人の仲を裂き、かつスチュアートが自分の下に帰ってくるためにはどうしたらいいのか。

そう。だから敢えてキャサリンを、説得工作に利用した。
スチュアートはお前に釣り合うような男ではないと彼女に分からせ、身を引かせるために。
そして、新しい恋に夢中になっているスチュアートに、直接キャサリンの口から自分の、アンソニーの下に帰れと言わせるために。スチュアートの目を覚まさせるために。

こう考えると、スチュアートとアンソニーの意味不明な行動に、ちゃんと理由づけが成立するんですよね。

「悪魔に魂を売っても、私は君を離さない。私の大切なプリンス……」

ニューヨークに帰ってきたスチュアートに、ねちっこーくアンソニーはこう宣告します。ええ、ねちっこーーーく。

ナニコレ?据え膳ホモ?(首かしげ)

あまりにも据え膳すぎて、ちーとも萌えではありませんが、この話に整合性を持たせる為にはホモ解釈がいちばん正しいと思うのです。
そう解釈することによって、しちめんどくさい話が、あ~らスッキリ!みたいな。

じゃなきゃ、やっぱ登場人物たちの行動に、説明付けられないんですよねええ。
ああ、ややこしーったら(ぶつぶつ)。

ここはホモで丸くおさめときません?ベタすぎて笑えるけどっ。

コメント

緑野こあら
2008年11月11日12:28

どこの緑野こあらさんですか、その三段論法はw
アンソニー様があんなお笑いキャラでなく、男の愛人はべらしいてる人でなければ、萌えられたんですが……お笑いホモ男に執着愛やられてもときめきません。
景子せんせの作品はホモ萌えできなくて、いつも惜しいです(笑)。
あ、『Le Petit Jardin』は萌えられたけどっ。(聞いてない)

ジュンタ
2008年11月12日16:44

なんちゃって緑野こあらでええす!ww
ホモの説明をしようとしたら、緑野テンプレになってしまったの(アセアセ)(スミマセンスミマセン)

ホモであることが論理的に正しい……つか、ホモ以外に説明不能ですね。あの不可解な言動、異様な執着。
ホモって事実がそこにあるだけで、萌えはない。単にベタなホモだなあと遠い目。さらに言うと、私は「惜しい」とは思いませんなの。ヲトメですからw