退団者たちの緑の袴でのご挨拶に先立ち、組長すっしーのご挨拶です。
大劇場公演を無事終えられた今の感謝の言葉、特出してくださった専科さんへの感謝の言葉、今後の宙組のスケジュール。
そして、ご卒業の6人の経歴と各自の言葉。最後にひと言ずつ、すっしーの目線での彼らが語られます。
すっしーは努めて冷静に、感情を抑えた風に、言葉を口にするんですよね。
管理職になる前の、誰の退団のときも「をい自分が退めるのかっ?!」というぐらい大泣きしていたすっしーを覚えているせいもありますが、その冷静さの奥にあるであろう深い惜別の情に、どれだけ鍵を掛けてこの場に臨んでいるのかと思わずにはいられません。
以下、あくまでも私のフィルターがかかったメッセージです。記憶違いの部分もあるかと思いますが、ご容赦くださいませ。

きゃおちゃん。初舞台は2005年『マラケシュ/エンター・ザ・レビュー』。
好きだった公演と役は、『竜馬伝』新人公演の瓦版売りの男、『ハロー!ダンシング』。これらは私にとっても、歌の上手い楽しみな人だなと、きゃおちゃんを認識させられた公演でもあります。『雨唄』でお芝居することの難しさと楽しさに気づかされたこと、『Passion』で憧れのWトリオに選ばれ、夢をかなえていただいたと思ったこと。
「普段はかわいい声で話すきやお。大人っぽい歌、難しいコーラスなどを歌いこなし、いろいろな場面で活躍してくれ、これからが楽しみでした」

かっしぃ。初舞台は2002年『プラハの春/ラッキースター』。
好きだった役と公演は、『A/L』のバジル、『殉情』の千吉。どちらもかっしぃらしい、いい味を見せてくれていましたよね。特に千吉は、真ん中の芝居を壊さずに自分の個性を出すことに悩みに悩んで役を創ったそうです。コンサート『Wing』。
「お芝居好きなかっしーの創る役は、彼女ならではのものでした。いろいろな経験を積んだ今だからこそできるお芝居で、楽しませてくれていました」

きみちゃん。初舞台は2001年『ベルサイユのばら2001』。
好きだった役と公演は、コンサート『Wing』『I have a dream』、『竜馬伝』の土方歳三では実在の人物を演じる難しさに苦しみ、『セカンドライフ』のルイジでは念願の悪役に挑戦できてしあわせだったそうです。そして『殉情』の石橋教授。「早霧、蓮水主演のこの作品に出演できたことが、私の一生の宝物です」
「宙組一、声の大きなきみちゃん。なにごとにも熱く、一生懸命でした。その情熱は、歌、ダンス、お芝居と、客席に届いていたのではないかと思います」

たっちん。初舞台は2001年『ベルサイユのばら2001』。
好きだった役と公演は、『里見八犬伝』の犬坂毛野、『炎にくちづけを』新人公演のアズチューナ、『ファントム』の子エリック、『ネバセイ』のラ・パッショナリア、『竜馬伝』新人公演のお竜、『セカンドライフ』のすべて、今までさせていただいたエトワールのすべて。
「下級生の頃からしっかり者だったたっちんは、とても頼りになる存在でした。数々の公演で聞かせてくれたすばらしい歌声は、たくさんの感動を与えてくれました」

あゆちゃん。初舞台は2000年『あさきゆめみし/ザ・ビューティーズ』。
好きだった役は、初めての通し役だった『白昼の稲妻』新人公演のミリー、『ラストパーティー』『プチジャルダン』のすべて、『竜馬伝』新人公演のお登勢では「最後の新人公演で、長の期が一人。いろいろな方に助けていただいて公演を終えたときの感動は、忘れることができません」。あのときのあゆちゃんの涙は、私も忘れることはないと思います。そして今回のショー、スペインの女。緊張の連続だけど、しあわせな毎日だということ。
「いつも元気で笑顔の絶えないあゆ。最近では大人の女性へと役の幅を広げ、存在感を見せてくれました」

夏くん。初舞台は1997年『仮面のロマネスク/ゴールデン・デイズ』。
好きだった役と公演は、入団前から憧れていた『ベルばら』に出演できたこと、その新人公演のルイ16世、『カスミラ』の幻想の場面、そして『ラストパーティー』『プチジャルダン』のすべて。あゆちゃんも同じ言葉をあげていましたが、少人数の公演で、全員で作品を創りあげた充実感があったといいます。
「いつも周りの皆を気遣っていた、優しいちえ。なにごとにも真面目に、真っ直ぐ取り組んでいました」

「それでは、準備が整ったようです。退団者6名が、皆さまにご挨拶申し上げます」

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