光。

2009年3月15日 星組
「ずっと願っていた地元の横浜で公演したいという夢を、入団16年目の去年の全国ツアーで叶えることが出来て、“もう思い残すことはない!”という感じでしょうか(笑)」

GRAPH4月号の『立樹遥サヨナラ特集』、「宝塚でやり残したことはない?」という質問に対しての、しいちゃんの答えです。

光。

ああ、サトリちゃんはこのとき。
しいちゃんが“もう思い残すことはない!”っていうぐらいの最高なしあわせの中にいたとき。
あの「光」を見たんだな、って。

しいちゃんの退団発表があった翌週、サトリちゃんと私は東宝の2階テッペン、立ち見席に並んで宙組を観ていました。
幕間は体力保持のため赤絨毯の上にベタ座りです、ええ立ち見スキーの基本ですわよ(笑)。
サトリちゃんはベタ座りのまま「あははっ!」と笑って、ちょっと泣きました。
私もベタ座りのまま「あははっ!」と笑って、ちょっと貰い泣きしました。

このときは、大和さんもしいちゃんに続くとは、実は思ってなかったんだけど。私はその数日後、千秋楽の大和さんに「光」を見て、恐くなった。

でねー、私も横浜公演観たよう!地元凱旋のしいちゃんは、それはそれは嬉しそうだった。しあわせそうだった。
ここまでは見えた、だけど私には。
「光」が……見えなかった。
ゴールを見据えた人の背中から立ちのぼる、澄んだあの「光」までは見えなかった。
サトリちゃんは立樹右翼、それぐらい筋金入った人にしか、しいちゃんの「光」は見えなかったんだろうなあ。

この「光」って……不思議ですよね。おもしろい、つかね。
あらためて思った。

あ、タイトルはサトリちゃんち丸パクりです(堂々と)。


「正直な話、これまで苦しさや辛さから退めようかなという気持ちになったこともあったのですが、冷静になって考えた時、やはり、辛いからといって退めてしまっては、絶対に後悔すると思ったんです」

16年続けたしいちゃんのこの言葉は、ほんとうにほんとうに重みがある。
や、人それぞれ。いろんな事情で、いろんな思いで、それぞれが退めていくのだから、簡単に括ってしまうことなんてできない、もちろん。

でも、「続ける」って、すっごい大事なことだと思うの。


トップスターは、また別で。自分一人の思いだけでは、決められない部分があるんだろうけど。


今、この「とき」はしいちゃんが決断したもの。
そしてそれは、ご本人が“もう思い残すことはない!”と、スッパリ言いきれる「とき」。

かっこいいよなああ~~~、しいちゃん!!!



にしても、サヨナラ特集号は読んでるだけで消耗するわ、ふぅ……。

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