ねっとりとかじっとりとか、かなーり失礼な言い方しましたけど(すすすみません)、基本的にみーちゃんという人は「陰」が魅力の人だと思っています。「陰陽」で言ったら、あきらかな「陰」。

ゲオルグというのは、それを出すのに、すごく適した役だったのでしょう。
分かりやすく明るい主人公シャルル@カチャと、ヒロインジジ@アリスちゃんの間にある、敵役。といっても、カチャと対峙するのは最後だけだし、ジジ(リーズ)との恋愛部分も無いし、随分な描かれ方だとは思うんですが。

それでも、誰が演ってもかっこよく見える、まあ儲け役ではあると思います。ただ、誰が演ってもあそこまでかっこよくなるかは分かんない(笑)。描かれてる部分がほんとうに少なく、「柄」で見せなきゃないところも大きいし、そのためにはある程度の経験や元々の男役度は関係してくるだろうし。

初日のみーちゃんが「足りない」と感じたのは、彼ならもっとできるという頭があったからです。もっと大人で、押し殺した感情の中から男の色香が零れ落ちてくるような……それを「できる」と思ったのは、そんなみーちゃんをいつも見ているように思い込んでいたからです。

そんな役、演ったこと無いって!
初日のあと、愕然としました。
新人公演では、ありますよね。エロ爺ィ(笑)。いや新公主演も観てるし、他の役も演ってるけど、でも爺ィの印象が(笑)。それらがあまりにも達者だったとはいえ、新公はお手本がいるからね。

あとはショーです。ダンスです。
芝居の「役」じゃないんだ、いつも見ていた(と思い込んでいた)みーちゃんは。
下級生の頃から、「明るい」「可愛い」イメージではなく、「大人びた」「ねっとり」「じっとり」(しつこい)した人でした。
踊るみーちゃんは、大人でエロだからね。ネチネチしてるもんね(笑)。ゲオルグ以上の陰湿さだよね(酷)。
そのイメージがあるから、ゲオルグのような役はお手の物のような気がしてたわ。

え``?この人、若いんだ(笑)。
いやあ大変だっただろうな、ゲオルグ。しみじみと、それを思います。
あそこまで持っていくのは、ほんとうに大変だったのではないかと。

簡単に「敵役」と言いますが、あの時代のあの立場の人間として、ゲオルグは「正義」なわけです。
時代に対しても自分に対しても真っ直ぐで、愛情も本来なら真っ直ぐで、ただそれを「権力」というものを使った不器用な形でしかリーズに伝えられない。
その真っ直ぐさと不器用さが痛いほど伝わってくるのは、それこそ「演技」ではなく、みーちゃんの持つ色なんだろうな。
観客がゲオルグの人間に魅せられ、時代に於ける彼の悲劇に泣けるのは、みーちゃんが生真面目に役と向き合ったからこその結果なのではないかと思っています。

「陰陽」では「陰」だけど、「冷熱」なら「熱」の人ですよね。
ねっとりじっとり、かつ熱くクドいのよ(笑)(つか酷)
そのみーちゃんの持ち味もゲオルグには上手く嵌っていたし、もちろんそれを「役」としてきちんと成立させるに至ったみーちゃんの努力の過程も思いつつ、見せてくれたすばらしい舞台に心からの感謝を。

でも、最近のみーちゃん、どんどん若く可愛くなってきたよね(笑)。ディック、サッシャと若い明るい役が続いたこともあるし。
いや、実際に学年で言えばまだ「若手」の範疇で、新公卒業して役らしい役を貰うとすれば、いわゆる若手らしい明るい役が来るのがふつーなんでしょうけど。なんせ爺ィの印象が(しつこい)。で、基本、ジメジメじゃん?(まだ言う)
「可愛い」と思える(思われる)ようになったのは、最近なのでは(笑)。その辺、下級生の頃は苦手分野だったんじゃないかなあ。誰もが可愛く見えるような学年の頃に、むしろ全っ然可愛くなかったもの(酷すぎる)。
逆に言うとそれは、下級生の頃から男役が出来ていた、ということなのかもしれません。そこに可愛い、明るい顔もプラスされれば、強いと思うんですよね。身につける順番が、間違っているような気もしますが(笑)。

ゲオルグという大きな役がついたのは、若手バウだったからです。そこで掴んだものと、最近身につけた「可愛い」という技(笑)を使って、次の本公演は春風弥里をどう魅せてくれるのか。

とりあえず蘭寿さんの弟みたいなので、熱いむんむんな兄弟愛を期待していまあす(うふふふ)(え?虎ってそんな話?)

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