前に「初日とその翌週とでいちばん変わったのは、ジョサイア@あいちゃんだと思うの」と書いたのですが。
初日から3週間を経ていちばん変わったのは、リュシアン@みーちゃんだと思うの(笑)。

え、なんで (笑) かって?

だって黒いんだもん。

君、そんな人じゃなかったじゃん(笑)。

兄ナポレオンが欧州制覇を目論んでいるのに対して、弟リュシアンは世界制服(笑)ぐらいのことは軽ーく企んでるよね絶対。
隙あらば自分こそが権力を握ってやるという、内に秘めたるメラメラとした野心を、その黒い顔の下から覗かせています。

うわあ、この弟、悪いよ!

最初はそんな人じゃなかったもの。
あくまでも兄ナポレオンの優秀な参謀であり、知性的な「ボナパルト家の頭脳」だった。
そこまでの「企み」は、見せていなかったはずだ。

その前からだんだん黒くは、なってきていました。腹に一物ありそうな、ね。それを臭わせる方向ではあった。

新人公演の後に本役さんも芝居が変わることはよくありますが、そこで物語を客観的に観ることによって役づくりに変化があったのか、それとも元々黒い方向を打ち出してきていた芝居が、千秋楽前になって一挙に加速したのか。

とにかく、新公挟んで今日観たら、全然違う人なんだもん。
根性真っ黒、と言い切っても過言ではない(笑)。

弟の野心は、どこまで膨らんでいくのか。

常に含みを持った目で兄の心を計り、周りの動向を探る彼の、腕組された手の指先がその策略を示すかのように、ねっとりと動かされる。
口元に、うっすらと笑いをも浮かべながら。

わーるーいーーよっっ!!

みーちゃんの芝居はブレることが殆どないので、たまたま今日が、ではなく。
リュシアンはこーゆー人になったんだと思う。こーゆー方向に突き進んでるんだと思う。

ただでさえ、ふつーに立ってて「白い」とか「さわやか」って人じゃないでしょ、みーちゃん。白くさわやかに見えるときもあるけど、そっちのほうこそ技術で「見せてる」んだもんね(笑)。
ふつーに立ってるだけでも下手すりゃ腹に一物ありそうなのに(笑)、その人が力一杯悪だくみしてるんだもん。あ、言い方を変えれば「野望を抱く」か(笑)。

すげー黒いよ!悪いよ!


リュシアンのそんな変化は、なかなかおもしろいです。ボナパルト一家テキにも、物語テキにも。
兄と、その(腹黒い?笑)参謀である弟と。

彼らの壮大な野心は、やがてネルソンとの直接対決に繋がってゆく。


うーん、最初のリュシアンは「薔薇の香りがする気品高き王子さま」だったんだけどなああ。あれは幻だったんだろうか?(首かしげ)

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