メトロ映画の宣伝課長、ジョージ・ウルマン@みーちゃん。映画界に生き、映画を心から愛する、熱い、だがちょっと天然入った(笑)男。

ジョージが“ルドルフ・ヴァレンチノ”という新しい名前を与え、心血注いでハリウッドに売り出した、貧しいイタリア移民の青年、それがルディー@ゆうひちゃんである。
ヴァレンチノのデビュー作は、空前の大ヒットとなった。やがて仕事を重ねるうちに、ジョージとルディーは仕事を越えた友となっていった。
お互いがお互いを理解し信頼した上で、お互いを必要とする、大切な友。親友。

だが、そう思っていたのはジョージのほうだけだった……のかもしれない。
二人の関係は、ジョージの元に入った一本の電話で、あっさりと断ち切られることになる。
「ルドルフ・ヴァレンチノは、メトロ映画からパラマウント映画へ移籍することになった。お前はクビだ」
失意のジョージは、そのまま暗転して……1幕出番終了(笑)。

この電話を受けたときに傍にいたのが、ジョージの秘書アリス@ありさちゃん。彼女は実はずっとジョージの傍で、彼を助けてくれていた、のだろう。多分。あまり描かれてないけど(え)。

初対面のルディーを「究極の失業者」と呼んだジョージだが、今度は自分が究極の失業者となってしまった。
なのに、そんなジョージに、どうやらアリスはそのまま付いてきてくれたようだ。
2幕、4年ぶりにニューヨークでルディーと再会したジョージは、アリスと結婚したことを告白する。

え。究極の失業者が、結婚してる場合だったの?
だいいち、女性に関して鈍そうなジョージだよ?脚本家のジューン@すみ花ちゃんには2年間も片思いで、男としては歯牙にも掛けられないままだったのに。
いつの間にこんなかわいい子を嫁に!(白目)
どうやって?


「えーと、なんで結婚することになったかって言うと。
わたしがクビになって、デスクを片付けて大荷物でしょぼんと帰ろうとしたら、その荷物をアリスがサっと両手に抱えて『さあっ!さっさと行くわよっ!』みたいに……付いてきてくれたんです」

ジョージの中の人、それ「付いてきてくれた」とは言わない。
「引っ張っていってくれた」じゃない?(笑)
とにかく、トランクひとつで放り出されたジョージの傍にも、ずっといてくれたというアリス。

「多分、アリスのほうが先にジョージのことを好きになってくれたんじゃないかな……。
ジョージは女性に惚れられた経験が無くて、だからもうすっごい嬉しくて、それで結婚しようって思いましたね」

恋愛面ではアリスにリードされている感が否めないジョージだが、男らしくきちんとプロポーズの言葉は言えたのだろうか。

「わたしが言い出せないでいたら、『なに?(ちゃんと言ってよ!)』って聞くと思う、ってアリスの瀬音リサちゃんが言ってました(笑)」

みーちゃんとありさちゃんは、役のことをいろいろ相談したのだそうだ。

「プロポーズは、言わせ……」

えっ。「言わせられた」?
今、絶対そう言いかけたでしょ?酷い(笑)。

「言わせ……あのっ!言うつもりではいたし、指輪も用意してたけど、ハワードさん@パラプリのように上手く言えなかったんですね」

肝心なところで言葉に詰まっちゃうジョージ。そこを攻めていく(笑)アリス。
「それで、『なにっ?で、次はっ?それからなにっ?!』みたいな感じにアリスに次々と聞かれて、やっと『結婚してください』って言えたんだと思う、、、んです……」

口下手で、プロポーズすらきちんと言えないジョージ。それでも、とことん惚れていてくれたらしいアリス。
アリスに聞いてみたい。
「ジョージのどこを、そこまで好きになったんですか?」

残念ながら、口下手なジョージの中の、やはり口下手な人からは、それを聞くことができなかったのだが。
そういった不器用なところも、またジョージの魅力なのかもしれない。

そして、その不器用さの中にある、ジョージの人に対する優しい心を、アリスは誰よりもよく知っていたのだろう。
だって、ジョージがルディーを見守る目の温かさを、いちばん近くでずっと見続けてきたのだから。

うん。惚れると思うのよ、あの目には。


そんなジョージがアリスと行った新婚旅行先は、意外なことにエジプトだそうだ。
これは、行けたどうかはまた別、らしい。ジョージの中の人の、ジョージとしての願望。

「何故かと言えば、占い師のメロソープさん(たまちゃん)に、ちゃんと未来を占って欲しかったから(笑)」
究極の失業者が妻をもらったら、それは真っ先に未来が心配になる。たしかに(笑)。


でも、アリスと一緒にニューヨークに渡って、苦労しながら舞台俳優たちのエージェントの仕事を見つけて、共働きであっても温かい家庭を築いているんだと思う、ジョージは。
それこそ、ルディーが「いつの日にか手に入れよう」と夢描いていたような、心安らげる温かい、しあわせな家庭を。

天然で口下手で不器用なジョージの根底には、誰にも負けない優しさと、そんな夢を成し遂げるだけの意思の強さが流れている。

うん。いい男。だと、思うのよ。


ちなみに2幕のジョージとアリスの間には、ちょっと大きくなった女の子が一人、あとはアリスのお腹の中に二人目の子どもがいるのだそうだ。みーありさ設定、では(微笑)。


『ヴァレンチノ』みーちゃん茶から、もうひとつ。
ジョージとアリスの、プロポーズ物語を。

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