カサブランカのカフェ、Rick’s Cafe Americainのカウンターでバーテンをしている、サッシャ@みーちゃん。
彼は陽気で女ズキなロシア人だ。カサブランカに流れ着き、1年前にこのCafe Americainで働きはじめた。

だが、彼にはもうひとつ、裏の顔がある。
ヨーロッパ中にナチスが世界に勢力を伸ばしている今、1941年。
そのファシズムに屈せず抵抗運動を続ける地下組織が、ここカサブランカにもあった。
サッシャもその一員である。昼間の明るい顔とは別人となり、反ナチスの活動家としてその身を投げ打って闘っている。

そこへ、ある情報が飛び込んできた。
反ナチス運動の世界的指導者、ヴィクター・ラズロ@蘭とむちゃんが、このカサブランカの地に降り立ったというのだ。
どうしてもカサブランカの地下組織集会に、ラズロにも参加してもらいたい。そこで我々を勇気づけて欲しい。
そう考えたのは、サッシャと同じカサブランカの若き活動家、バーガー@大ちゃん。彼は熱狂的なラズロ信者でもある。
バーガーの熱心な言葉に動かされたラズロは、その集会に参加し演説をすることになった。

バーガーからそれを聞いて、サッシャも内心舞い上がった。
サッシャにとっても、もちろんラズロは憧れの人だ。だが、彼はカウンターでの陽気な顔とは打って変わって、地下組織では冷静で落ち着いた、仕事ができる男の顔でいるのだ。
すぐに興奮しちゃうバーガーとは、そこが少し違うわけで。


ラズロを見たら、どんな顔をしたらいいんだろう。
はじめての出会い……俺はどんな男だと思われるのだろう、果たしてラズロに相手にされるのだろうか。
でも、俺はいつだってラズロに憧れていた。。
実はバーガーに負けないぐらい、ラズロに憧れていた。
だが、興奮してはいけない。沈着冷静である裏の顔の俺は、もっと自然に振舞わなくてはならない。
だいいち、絶対興奮しちゃうに決まってるんだ、俺の横にいつもいるバーガーは。俺までそうなっては駄目だ。


だから、さりげなく。

「やあ!」


はじめまして、会いたかった!と抱きつくわけでもなく、もちろん、どういうつもりでカサブランカに来たんだと警戒するようなことを言ってみたりするわけなどなく。
そう、初めてなんかじゃない。まるで積年の友のように。
一言、「やあ!」と。


って、さりげなく「やあ!」を言うために、初対面の前にサッシャはずっと「やあ!」の練習を繰り返していた、、、らしい?
サッシャの中の人は……あれ?いやそんなこと言ってないけど??

ひたすら、さりげなく。
鏡の前で(か知らんけど)。
「やあ!」「やあ!」「やあ!」と軽く右手をあげて。

「やあ!(さりげない笑顔)」


一心不乱に「やあ!」の自主練。(ジジュ…レン?!)(ジシュレンシューのことだよ!)

ええ、ポイントは、あくまでも「さりげなく」。
でも、その声色とは裏腹に、抑えきれなくてデレっデレな顔になっちゃってるんだけどね、実際にラズロを前にしたら(笑)。
ほんとうは嬉しくて嬉しくてたまらなかったんだねええ。


そんなサッシャが、とてつもなくかわいかったです(煮)。



で、みーちゃん。

このサッシャの「やあ!」と、ジョージの「やあ!」の言い方が、わたしにはどうも同じに聞こえるような気がしてならなかったのですが(素)。

いや。上記ぐらいの計算あっての、敢えての手法と……思ってるから(真顔)。
結局、同じ言い方しかできないんじゃね?なんてジュンタさん絶対思ってないもん!うん、ななっないもんっっ!



ってね、いいの。
だって仮に「やあ!」の言い方が同じだったとしても(あくまでも仮に、ということで!)、その言葉を出す内面は、まるで違うんだから。
サッシャはサッシャ。ジョージはジョージ。
まるで違う、でもどっちも飛び切りのいい男。


だから全然いいの。だけどちょっと盛っちゃったの。それだけ、のお話(え)。

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