「その方らに亡き太閤殿下への忠義あるのなら、徳川家康様の味方になれ」
おね@美穂さんは、豊臣秀吉@未沙さんの家臣だった彼らに、こう告げる。
寝返り。
彼ら…この場にいるのは、七本槍の一員である福島正則@みっちゃん、加藤清正@ともちん、加藤嘉明@まさこちゃん、脇坂安治@みーちゃん。

いざ、関ヶ原。出陣。
家康軍についた、七本槍……ん?六本槍?
福島であるみっちゃんを大将とする、ともちん、まさこちゃん、みーちゃん、大ちゃん、カチャの一隊。

なんで六人しか出てこないの?って、誰だって思う。
これ、福島以外の皆が東軍武将Aだっていうね。本役である武将ではない、別人の武将Aなんです。
出陣の場にいないちーちゃんは糟屋武則ではなく、西軍武将A。なんだそれ。

関ヶ原の戦いが終わると、福島、嘉明、脇坂、平野長泰@大ちゃん、片桐且元@カチャは、それぞれの役として出てくる。勝利の酒に酔っているところを、家康に「こやつらは、すぐ裏切るからのう」と揶揄される。
他の面々も三成から寝返り、福島隊ではないところで家康側として戦っていた……らしいです。
あくまでも「そうらしい」ね。描かれてないもの。

一貫して自分の役であるのは、みっちゃんだけです。

これありえないだろ。

ともちんは関ヶ原では、清正役のときの髭をつけていません。別人だから。
史実で関ヶ原の戦いに清正が加わっていたかどうかは、この際どうでもいいです。いやよくないのかもしれないけど、わたしはどっちでもいいです。

役として、ともちんの演じる武将がどう寝返りを持ちかけられ、それにどう対処したのか。どう戦ったのか。そして勝利(または敗戦)の中でなにをどう考えたのか。
その流れを、なぜ全く描いてくれていないのか、ということです。
七本槍の一人一人に、そういう心の流れがあるはずでしょう?
結局、史実に忠実になの?関ヶ原のあとも出てこないのですね、ともちんの演じている清正は。消滅してるんだわ……。史実とかいいから!描いてよ!
まさこちゃん、みーちゃんは、寝返りから戦い、そのあとまで一応姿勢としては一貫した流れの中にいます。寝返りを持ちかけられる→三成から寝返って関ヶ原に参戦→勝利するも家康の揶揄を受ける、という。中の人たち的には、通し役で処理している可能性もあるのですが。
でも、肝心な関ヶ原では東軍武将Aという名前にさせれられてるわけ。本役扱いされてない。もっとも、寝返り持ちかけられたからどう、という部分も描かれてないんだけどね。
大ちゃんとカチャは、寝返りを持ちかけられる現場にいないし。いきなり参戦、というかどっちにしても本役じゃないからね。
ちーちゃんの役は、史実でも寝返ってないらしいです。でも、それはいいの。だから西軍武将Aだと言われても、なんだそれとしか言いようがないわ。
ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ……。
それぞれの役が格のある武将で、戦いの現場でひとつの隊に一緒にいちゃおかしいとかがあるのかもしれません。
何度も言いますが、だからそれはどうでもいいんです、この際。

役、描いてよ。それぞれが本役として戦うぐらいの史実無視、むしろしてよ。

極論を言えば、七本槍では福島しか、この脚本は必要としていないということです。

この脚本が、です。

周りの使いかたが、あまりにも酷すぎる。いや、下手すぎる。
七本一絡げも大概にせーよ。

座付きでも酷い例はいくらでもあります(二回目)。
それより酷いというか、本質的にタカラヅカのシステムや本公演の規模を理解していないかたが書いたから、こんなことが起こるんじゃないんですか。

演出も大概です。
寝返りを持ちかけられるところ。
福島以外の三人は「ええええええーーーーっっ!(ドテっ)」って、コントのようにコケるのよ。

三回もっ!!

まともに芝居させてもらってない。

福島さんを立てるため、というのは分かります。突然のおねの言葉に、逡巡する福島を。
それは分かりますが……。

なぜ三回もっ!!

すごく重大な局面だと思うんです。大阪城でロック歌ってるのとは話が違うでしょう。
これは、ただの自己中心的な裏切り、ではない。自身の「秀吉」への忠義と、「豊臣家」への忠義を量りにかけざるをえない、この四人の岐路となる、福島以外の皆にとっても重大な局面であるはずの場面です。

なぜコントっ!!


いやそんな中できっちり芝居を見せてくれる七本槍をいまや絶賛モードなので、相当省いて話してますが(笑)。
初日の怒りはすごいものがありました、正直。
ここまでキレたのいつ以来かというぐらいキレまくって、真顔でそれを考えたわ。(結論・中日外伝アンドレ編以来?苦笑)


タカラヅカのスターとしてそれなりの立場であるはずの七本槍でこのレベルですから、さらに下級生なんかなーんもないの。ほんと酷い。


個人の役付きの問題じゃないから言ってるんだよ。

タカラヅカを無理解な人間に、ホンを書かせるなと。

それだけです。

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