ほんとうの千秋楽@『ヴァレンチノ』青年館
2011年9月10日 宙組バウ・DC・青年館8月19日。『ヴァレンチノ』が青年館で千秋楽を迎えました。
3月8日にDCで初日が開けたこの公演は、あの3月11日があって、3月20日のDC千秋楽で一度、打ち切られました。
あれからいろいろなことがあって、8月13日にやっと東京公演の幕を上げることができました。
その間に本公演が1回。スケジュールとしては厳しいものになりましたが、中止になってからのさまざまな葛藤、そして東京公演決定の喜び、実際に公演してみての反応の大きさ……この公演を通して多くのものを『ヴァレンチノ』組の皆が得たと、それを信じています。
もちろん、同じ時期に東京で公演していて直接の災は逃れたものの、ムラに帰って厳しい状況の中で公演を続けた宙バウ組も、直接その時期や直後に公演を続けた各東宝組の大変さ、また大劇場組にせよ、皆それぞれの思いを抱えての公演だったはずで、誰がいちばん大変だったとか、そういう問題ではないです。
皆、各々の状況の中で、自分にできることを懸命にやったのだと思います。
その中で、震災で一度は中止になった公演を、宙組が終えることができた。それだけではあるのですが。
この5ヶ月は、皆の中でほんとうに大きかったんだなあと。特に『ヴァレンチノ』組を追いかけていたわたしには、彼女たちのそんな「思い」が分かるような……そんな気持ちがしました。あくまでも思い込みかもしれませんが(笑)。
いちばん感じたのは、トップスター、主演という人が、どれだけのものを抱えて公演しているのか、ということでした。
青年館の初日で再び会えたルディー@ゆうひちゃんは、ほんとうにしあわせそうで。いや芝居上の役としてはしあわせだけの人生じゃないけど(笑)、もう一度この役を、そしてこの公演をできる喜びに溢れていて。
真ん中に立つ、って、ほんとうに並大抵のことではないんですよね、当たり前だけど。当たり前すぎて普段意識しなくなってしまうそのことを、あらためて思い知らされました。
震災も、その後の公演続行も、東京公演の中止も、大空さんにとってどれだけ苦しいものだったんだろう。
それは組子一人一人にも言えることだと思います。でも、大空さんや寿組長の心痛は、彼女たちに付いていく組子のそれとは、やはり段違いだったんじゃないかなあ。
生き生きと舞台の上を動き回るルディーを見ているだけで、涙が出てくるような。てゆか実際、大泣きした(笑)。
こんな気持ちになったのは、はじめてかもしれません。
自分自身も、ちっぽけな自分の中で、当時のDCに遠征を繰り返すことも、東京公演が中止になったことも、それなりに葛藤があった。たったわたし一人、自分だけの問題でしかないけど、苦しかった。
組の、公演の、上に立つ人たちの葛藤とは比べられるはずもない、わたし一人でさえ。
無事に東京公演が終えられたことと、まだまだ残る震災の爪あととは、全くの別問題ですが。
大空さん、寿組長、ほんとうにお疲れさまでした。もちろん他のメンバーもお疲れさまでした。
『ヴァレンチノ』は名作!の声が世間的に非常に高く、それ以外の意見を言いにくい雰囲気があったのは事実ではないかと思います。わたしは実は、名作、とまでは……思っていません。佳作、ではあると思うのだけれど。
ただ、DC公演の状況、精神状態、それを超えての東京公演……いろいろな要素が絡んで、わたしの中で「忘れられない大切な作品」となったことは間違いないです。
DC初日の感想は書いていません。直後の3月11日で、書きかけたものは封印されました。
あのときいちばん嬉しかったのが、ジョージ@みーちゃんが、初日からはっきりと役の形を見せてくれたこと。
みーちゃんは器用そうに見えて意外と不器用で、初日は手探りのまま舞台に立ち、何が演りたいのよく分からない……ということが、ままあります(笑)。舞台を重ねた上で、役を掴んでいく人というか。
それが「ジョージ・ウルマン」という人物像を、DC初日から明確に打ち出してきた。
みさとさん、事件です(笑)。
初日のみーちゃんにあれだけ感銘を受けたのは、わたしが彼女を見てきた中では、はじめてだったかもしれません。
これは初日すぐに書いておけばよかったと、後からどれだけ後悔したか分からない。それどころではなくなってしまったもの。
青年館のジョージも、終始嬉しそうでした(笑)。役の形は最初から完成型に近い、と思わせてくれていたけど、それをさらに深めた芝居を見ることができた。すごいねえ、役者て生きものは。
大楽は、ヴァレンチノヘアーでジュディーに駆け寄るところで、調子に乗って(笑)くるんと一回転アドリブ。
ボクシング記者会見のところでは装置トラブルがあって、リングに向かうときに開く額が途中で止まっちゃうというね。しかも、この装置なにを思ったのか(笑)ジョージのほうに戻ってきやがった←
激突を間一髪で免れたみーちゃんですが、焦ってそのあとの台詞を噛んでしまう……のがとってもジョージで、これむしろ「らしくて」よかったかも?(真顔)
DCから青年館の間で、いちばん変わったのはナターシャ@カイちゃんだと思っています。
今だから言いますが、DCでは「…ちょっと違うのでは」と感じた部分も、なくはなかったのです。
それが青年館では、がらっと変わっていた。化けた。
ナターシャの苦しさ、彼女の哀しみが痛いほど伝わってきて、ソロでは毎回泣かされていました。
このことは、今度こそ(嘘つきにならずに!)書いておきたい。
って、宙組初日まで1ヶ月を切ってしまって、あれれ~って感じではありますが。いやあ早過ぎるし←
とにかく『ヴァレンチノ』が東京公演の運びとなり、それを無事に終えられたこと、その「奇跡」に感謝しています。
ヴァレンチノ、チャオ!ありがとう、心から。
3月8日にDCで初日が開けたこの公演は、あの3月11日があって、3月20日のDC千秋楽で一度、打ち切られました。
あれからいろいろなことがあって、8月13日にやっと東京公演の幕を上げることができました。
その間に本公演が1回。スケジュールとしては厳しいものになりましたが、中止になってからのさまざまな葛藤、そして東京公演決定の喜び、実際に公演してみての反応の大きさ……この公演を通して多くのものを『ヴァレンチノ』組の皆が得たと、それを信じています。
もちろん、同じ時期に東京で公演していて直接の災は逃れたものの、ムラに帰って厳しい状況の中で公演を続けた宙バウ組も、直接その時期や直後に公演を続けた各東宝組の大変さ、また大劇場組にせよ、皆それぞれの思いを抱えての公演だったはずで、誰がいちばん大変だったとか、そういう問題ではないです。
皆、各々の状況の中で、自分にできることを懸命にやったのだと思います。
その中で、震災で一度は中止になった公演を、宙組が終えることができた。それだけではあるのですが。
この5ヶ月は、皆の中でほんとうに大きかったんだなあと。特に『ヴァレンチノ』組を追いかけていたわたしには、彼女たちのそんな「思い」が分かるような……そんな気持ちがしました。あくまでも思い込みかもしれませんが(笑)。
いちばん感じたのは、トップスター、主演という人が、どれだけのものを抱えて公演しているのか、ということでした。
青年館の初日で再び会えたルディー@ゆうひちゃんは、ほんとうにしあわせそうで。いや芝居上の役としてはしあわせだけの人生じゃないけど(笑)、もう一度この役を、そしてこの公演をできる喜びに溢れていて。
真ん中に立つ、って、ほんとうに並大抵のことではないんですよね、当たり前だけど。当たり前すぎて普段意識しなくなってしまうそのことを、あらためて思い知らされました。
震災も、その後の公演続行も、東京公演の中止も、大空さんにとってどれだけ苦しいものだったんだろう。
それは組子一人一人にも言えることだと思います。でも、大空さんや寿組長の心痛は、彼女たちに付いていく組子のそれとは、やはり段違いだったんじゃないかなあ。
生き生きと舞台の上を動き回るルディーを見ているだけで、涙が出てくるような。てゆか実際、大泣きした(笑)。
こんな気持ちになったのは、はじめてかもしれません。
自分自身も、ちっぽけな自分の中で、当時のDCに遠征を繰り返すことも、東京公演が中止になったことも、それなりに葛藤があった。たったわたし一人、自分だけの問題でしかないけど、苦しかった。
組の、公演の、上に立つ人たちの葛藤とは比べられるはずもない、わたし一人でさえ。
無事に東京公演が終えられたことと、まだまだ残る震災の爪あととは、全くの別問題ですが。
大空さん、寿組長、ほんとうにお疲れさまでした。もちろん他のメンバーもお疲れさまでした。
『ヴァレンチノ』は名作!の声が世間的に非常に高く、それ以外の意見を言いにくい雰囲気があったのは事実ではないかと思います。わたしは実は、名作、とまでは……思っていません。佳作、ではあると思うのだけれど。
ただ、DC公演の状況、精神状態、それを超えての東京公演……いろいろな要素が絡んで、わたしの中で「忘れられない大切な作品」となったことは間違いないです。
DC初日の感想は書いていません。直後の3月11日で、書きかけたものは封印されました。
あのときいちばん嬉しかったのが、ジョージ@みーちゃんが、初日からはっきりと役の形を見せてくれたこと。
みーちゃんは器用そうに見えて意外と不器用で、初日は手探りのまま舞台に立ち、何が演りたいのよく分からない……ということが、ままあります(笑)。舞台を重ねた上で、役を掴んでいく人というか。
それが「ジョージ・ウルマン」という人物像を、DC初日から明確に打ち出してきた。
みさとさん、事件です(笑)。
初日のみーちゃんにあれだけ感銘を受けたのは、わたしが彼女を見てきた中では、はじめてだったかもしれません。
これは初日すぐに書いておけばよかったと、後からどれだけ後悔したか分からない。それどころではなくなってしまったもの。
青年館のジョージも、終始嬉しそうでした(笑)。役の形は最初から完成型に近い、と思わせてくれていたけど、それをさらに深めた芝居を見ることができた。すごいねえ、役者て生きものは。
大楽は、ヴァレンチノヘアーでジュディーに駆け寄るところで、調子に乗って(笑)くるんと一回転アドリブ。
ボクシング記者会見のところでは装置トラブルがあって、リングに向かうときに開く額が途中で止まっちゃうというね。しかも、この装置なにを思ったのか(笑)ジョージのほうに戻ってきやがった←
激突を間一髪で免れたみーちゃんですが、焦ってそのあとの台詞を噛んでしまう……のがとってもジョージで、これむしろ「らしくて」よかったかも?(真顔)
DCから青年館の間で、いちばん変わったのはナターシャ@カイちゃんだと思っています。
今だから言いますが、DCでは「…ちょっと違うのでは」と感じた部分も、なくはなかったのです。
それが青年館では、がらっと変わっていた。化けた。
ナターシャの苦しさ、彼女の哀しみが痛いほど伝わってきて、ソロでは毎回泣かされていました。
このことは、今度こそ(嘘つきにならずに!)書いておきたい。
って、宙組初日まで1ヶ月を切ってしまって、あれれ~って感じではありますが。いやあ早過ぎるし←
とにかく『ヴァレンチノ』が東京公演の運びとなり、それを無事に終えられたこと、その「奇跡」に感謝しています。
ヴァレンチノ、チャオ!ありがとう、心から。
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