江戸時代の大阪から、近松チームがお江戸に上陸してまいりました。

みわさんもご挨拶で仰っていましたが「関西のかたに反応がよくても、この大阪を舞台にした作品が、果たして東京で受け入れられるのかどうか」という心配が、出演者側にはあったようです。
全然、問題なかったけどね。今日もまた平さまに恋しちゃったもんね(それはわたしだ←)
「今日、東京のお客さまのあたたかい拍手を聞いて、とても励みになりました」と、みわさん。

大阪・東京の差よりもわたしが心配していたのは、青年館というハコの大きさでした。
バウの密な空間であったほうがより生きる作品なのではないか、青年館の広さが作品にとってマイナスに作用したりしないだろうか、それらを危惧していたのですが、これはまったくの杞憂に終わりました。
芝居が大きくなった、いわゆる大芝居気味とかとは違うんですが、青年館のハコにぴったりの大きさの、密な芝居になっているのです。
ハコの大きさが変わっても、それにジャストフィットした芝居に自然と変わっているのは、この作品を理解し尽した出演者たちの勘なのか計算なのか……とにかく違和感がなかった。
密な、濃い空間になっていたと思います。

今はバウ~青年館の間はお稽古がなくなって、直接青年館の舞台稽古に入りますよね。
それも段取りと通しぐらいになって、大劇楽からさらにお稽古を重ねて東宝に来る本公演とは、やや事情が違うはずです。

でも、全然変わっている。皆の芝居が、登場人物たちが生きるさまが、ベタな言いかただけどものすごく深くなっている。
バウからさらに進化している、し続けている。
これには驚嘆させられました。
役者って生きものは、ほんとうにただものではない。

客席出の通路は、少し変更になっていました。青年館は二階がありますし。
二回ある平さま@みわさんの登場は、バウ下手後ろ扉~下手縦通路→青年館下手横扉~横通路~下手縦通路で舞台。
清吉@みつるくんの簪売りは、上手後ろ扉~上手縦通路→上手横扉~横通路~上手縦通路。
(余談ですが、あの簪売りに当たったかたって結構皆さん照れちゃって、買うも買わないもないことが殆どですよね。わたしのところに売りに来てくれたら財布取り出しちゃうぞ、ぐらいの前向きな気持ちがあるんだけどなあ!笑)
瓦版売り@ねこちゃんだけがバウと変わらず、下手後ろ扉からまっすぐ縦通路を駆け降りていきます。

お江戸見参の近松チームを意識してか、はたまた全国ツアー中の花チームを意識してか、まりん副組長のご挨拶は「出身地シリーズ」でした。全ツ以外での出身地紹介は、はじめて聞いたように思います(笑)。

「今回、専科からお力添えいただきました、大阪府出身・汝鳥伶さん。東京都出身・光あけみさん。群馬県出身・夏美ようさん」
「また、今公演から新しく仲間に加わりました、宙組より組替えの愛知県出身・春風弥里。星組より組替えの東京都出身・華雅りりか。新しいメンバーも加わり、今の花組にしかできない最高の舞台をお届けしたいと思っております」
みーちゃんも出身地紹介というのまでは知らされていなかったみたいで、すごい笑ってた。
花組の皆さんがほんとうにあたたかく迎え入れてくださったおかげで、組替えで来たばかりだということなど、こっちはうっかり忘れちゃったりしてるんですけどね(笑)。

そして、まりんさん、ね。
「蘭寿とむを中心としました花組全国ツアーチームは、これから滋賀県へと、そして最終地梅田で公演をいたします。
まだご覧になっていらっしゃらない皆さま、ぜひそちらにも足をお運びいただきますよう、花組をよろしくお願いいたします」
あのですね、今日ここにいる人たちがいまさら滋賀や梅田に行ったら、青年館に来られなくなっちゃうじゃないですか!無理です(素)。

「お待たせいたしました。主演の大阪府出身・愛音羽麗が皆さまにご挨拶させていただきます」
えっ主演さんも出身地付き。ほんと新しいな(笑)。

「6日間という短い公演期間ではございますが、一回一回を大切にして魂を籠めて演じたいと思っております」
みわさんの魂、今日も感じさせていただきました。

鯉助(notこいすけ)(りすけ、だよ)も、変わったと思います。ガチャガチャ感(なにそれ)が抑えられてた。
みーちゃんは表情が豊かな人で、それが魅力のひとつなんだけど、今回「やりすぎ」ではないかと思うところもあったんですよね、バウでは。
芝居の熱量がすごく高いから、それに比例して、顔が、動きが、ガチャガチャになるの。「かっこいいライン」(と「かっこ悪いライン」)のぎりぎりのところに在る鯉助に、ここを一歩超えたらやばいんじゃないかって、それはタカラヅカの二枚目ではなくなるんじゃないかって、その点が少し気になっていたのです。

芝居の熱量は高いまま、むしろさらに上がっていた。
でもそれは内面から発せられる熱で、熱い心を抱えつつも表面上はあくまでも美しく、ガチャガチャしてる部分が抑えられていた。

ええ。それはそれは。

美しい鯉助でした。

残り5日間。
鯉助がさらに変貌を遂げていく(であろう)さまを、見つめ続けていたいです。

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